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モバイル用Flash Player開発中止でゴノレゴさんがアドビにブチギレ? 作者のポエ山がアドビ本社の担当者を直撃

ガジェ通:具体的にはどんなところがダメだったんでしょう。

ポエ山:非常にサイズが大きくなってしまうんですね。swfの10倍ぐらいのサイズになってしまう。作り方によって対処のしかたがあると思うんですが、そのまま作るのは難しい。

あと、今まで『Flash』のブームとかがあったので、過去のコンテンツがたくさんあるんですが、それがいずれ見られなくなってしまうことに不安があります。

Mike:『Flash Professional』がアニメ制作においては標準だと思います。HTML5を念頭に置いて作っている『Edge』というツールがありますが、こちらはこれまで『Flash』を使っていなくて、動画制作やアニメーション制作をしているユーザーがターゲットになります。

現在『Flash Professional』を使っている開発者やアニメーション制作者に対して、それを使い続けてもらいながらHTML5向けにコンテンツを作ってもらうにはどうしたらよいのか、という点で時間を使っています。

その際には可能性があるアプローチがいくつかあって、その研究を進めています。ひとつは『Wallaby』、もうひとつは『EaselJS』です。『EaselJS』は私も協力しているのですが、Grant Skinnerが作ったライブラリで、『Flash』のDisplay List APIをJava Scriptに作り変えるものです。

そしてアドビとしてではありませんが、私とGrantがやっているプロジェクトで、『Flash』のフルのタイムラインアニメーションをエクスポートしてCanvasに載せるというものがあります。これはまだ技術的には早い段階で、HTML5自体も新しいものなので、ファイルサイズの面やオーディオの同期に関しても十分という状態にはいっていません。

『Flash Professional』からHTML5向けに制作できる方向でも作業していますが、目に見える計画を見渡すところでは、ブラウザ上の『Flash Player』がアニメーションについて最も適切と言えると思います。モバイルのブラウザをターゲットにするにはHTML5のソリューションを考えていかなければならないのは厳然とした事実だと思います。これはAndroid用『Flash Pleyer』があろうとなかろうと、iOSの状況がある中ではHTML5をソリューションにしなければならない。

ガジェ通:HTML5用のアニメーション制作ツールという役割は今後『Edge』が担っていくのでしょうか。

Mike:まだ分かりません。アニメーション制作で『Flash』を使っているのであれば、2年後もその状態は変わらないのではないかと思います。そこからHTML5にアウトプットするようになるのかどうかというところはまだ分かりません。いろいろなオプションを考えているところです。

(取材に同席したアドビ システムズの太田禎一氏):ポエ山さんに『Edge』を使い始めることをお勧めしますか。

Mike:アニメーションを含め、ということになりますが、ウェブ向けのリッチコンテンツを制作する場合にはHTMLになじみ、それを知ることは重要だと思います。HTMLでは何が限界なのか、何が可能なのか知る必要があると思います。だからといって今、HTMLを使わないと言っているわけではありません。クライアント企業や従業員からHTMLに関する問いかけが出てくると思うので、理解しておく必要はあると思いますね。『Flash Player』の新しいバージョンの開発というのも進んでいます。今手がけていらっしゃるアニメーションに関しては今後も『Flash Player』が使われていくということになると思います。

コミュニティの信頼を回復したい

ガジェ通:モバイル版『Flash Player』の開発中止について、アメリカを含む海外のFlash開発者のコミュニティからはどんなフィードバックがありましたか。

Mike:モバイル向けのFlashコンテンツをほとんどの人が作るというわけではないと思いますが、全体的に言うと、今回の意思決定に多くの人から反対があったわけではありません。

ただ、「それの伝え方はどうだったのか」「そのタイミングはどうだったのか」、またプレスでの取り上げられ方についての意見はいただきました。そこについてはもっとよいやり方があったのではないかと考えています。これまでの歴史を考えてみても、プレスには今回のことについて「アップルが勝った」「アドビが負けた」という伝え方をされるだろうなと分かっていました。

Flashのコミュニティが最もフラストレーションを感じている問題というのは、彼らはこれまで「Flashがいい」と弁護側に回ってきた、支持してくれていたということがあります。

太田:ゴノレゴさんはその代表ですよ。

Mike:そうですね。自分の評判をかけてまで支援してくれていた。「Flashがいい」「iPhoneがいい」と揺れ動く中、『Flash』を推し進めてくれていた。にもかかわらず、アドビがそこから撤退するということには、「アドビを擁護してきた自分はどうなるんだ」「裏切られた」という感情を持ったと思います。そういう気持ちを持たれることは、私自身よく理解できます。そのせいで、アドビとコミュニティの信頼関係が損なわれてしまった。その信頼を取り戻すというのは簡単にできることではないことも分かっています。最終的に正しい判断だったのか、ということは長期的に見て判断されることだと思います。

『Flash』はPCで存続していく

ガジェ通:お話を聞いてみて、ポエ山さんどうですか?

ポエ山:そうですね。アップルが今後も『Flash』に対応させる気がまったくないというのは仕方ないと理解できるんですが、今後5年10年たったときに『Flash』がどうなっているのか不安があります。アニメーションツールとしてもずっと残っていってほしいので、是非お願いしたいと思います。

Mike:私たちは今後も『Flash』を長期に存続させていく一番いいやり方はPC向けということになると思うので、継続して開発していきます。HTML5は今後も普及していくと予測できるので、私たちのツールを使ってHTML5で配信できるように開発を続けていきます。

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記者:

宮原俊介(編集長) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

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