冤罪の原因は「主任検事のロッカーにある」 元検察官・三井環
元検察官で、現職だった2000年に検察の裏金問題を告発した三井環氏は「BSジャパン勝間和代♯デキビジ」に出演し、検察・裁判・刑務所の諸問題について言及した。このなかで三井氏は、冤罪や裏金問題の根本的な原因は、発覚をおそれ問題を「ひたすら隠ぺいする」検察の体質にあると指摘した。
三井氏は1949年に発生した松川事件(列車の脱線・転覆に関連し共産党員らが逮捕された事件)の例を挙げた。この事件では、被告らに有利な証拠が検察により隠されており、それが明るみに出たとたん有罪判決が一転、全員無罪となったという。過去の冤罪事件は、こうした検察による「証拠隠し」に原因があり、その隠された証拠が明るみに出ることにより、再審で無罪とされるケースが多いと三井氏は語る。
また三井氏によると、取調べ時に作成された調書は、すべて公判に提出されるわけではなく、「主任検事のロッカールーム」にあって弁護士も裁判官も目にすることのない「残記録」が存在するという。そして同様に、警察が押収した証拠のなかにもそのまま”お蔵入り”となるものがあるとした上で、三井氏は、
「取調べの可視化だけではなく、『残記録』と押収品目録の全面開示、この3法案が成立すれば冤罪はなくなるでしょう」
と断言。検察が情報開示を進め、過去の”過ち”を清算することで体質改善がなされ、同時に裏金問題の真相解明にもつながるのでは、と語った。
◇関連サイト
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(寺家将太)
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