光熱費を抑える! 低燃費な家にリフォームするコツは?
毎月、光熱費の請求書を見てため息をつく……冷暖房の効きが悪い家は、車に例えるなら「燃費が悪い家」。リフォームで光熱費をグンと抑えられる「低燃費な家」をつくるコツについて、2人の専門家に聞いた。
夏にグンと上がる水道光熱費。でも冬のほうがさらに高くなる!
一般的な家庭の場合、「光熱費が高いな」と感じる季節は“暑い夏”と“寒い冬”だろう。
総務省の調査を見ると、2人以上世帯の水道光熱費の月平均は2万3197円。一年のうち冬(12月~2月)は2万8153円と最も高く、平均との差は約5000円もあることがわかる。
つまり、一年のうち最も水道光熱費が高くなる季節は“寒い冬”で、“暑い夏”よりも、光熱費の負担ははるかに大きいといえる。【画像1】1カ月当たりの平均水道光熱費。冬(12月~2月)は2万8153円と最も高く、平均との差は約5000円も!(データ出典/総務省 平成27年「家計調査」第1表1世帯当たり年平均1か月間の収入と支出)
家庭で消費するエネルギーは、給湯と冷暖房で半分を占める
冬に光熱費が高くなる原因は何か。
家庭におけるエネルギー消費の内訳を見ると、給湯と冷暖房で約半分を占めている。冬は暖房を使う機会が多く、冷たい水をお湯にするなど、エネルギー使用量は必然的に多くなるため、光熱費も高くなると考えられる。【画像2】経済産業省の調査では、家庭で消費するエネルギーのうち、最も多くを占めるのが給湯の27.8%。暖房22.9%と冷房2.0%と合わせると52.7%になり半数を超える(データ出典/経済産業省・資源エネルギー庁「平成27年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2016))
近畿大学でエネルギー性能の高い住宅について研究している岩前篤教授によると「日本の家は、欧米諸国に比べると断熱不足の家が多いため、冬の室内温度は圧倒的に低くなっています。そんな暖房効率が悪い家を、たくさんのエネルギーを使用して暖めているような状態といえます」
リンナイで電気×ガスのハイブリッドな暮らしを提案している柴田毅さんは「冷暖房機は夏と冬しか使いませんが、給湯器は一年中使用します。より省エネルギー効果の高い給湯器を選ぶことが、光熱費を抑える“低燃費な家”へのリフォームにつながると思います」
断熱と最新給湯器への交換で、光熱費を年間約14万円も削減
どのようにすれば給湯と暖房にかかる光熱費を減らせるのだろうか。
「省エネルギー効果の高い高効率給湯器は、一般的なガス給湯器と比べると機器代は高くなります。でも、毎月の光熱費は減らせるので、家庭での使用量にもよりますが、7~10年程度で回収することは可能です」(柴田さん)
「暖房の使用を減らすには、断熱性を高めることがポイント。リフォームの場合、性能の目安は国の定める“次世代省エネ基準”を超えれば十分です。光熱費が下がるだけでなく、住まいの快適性も格段によくなります。工事にはそれなりの費用がかかりますが、一度行うと50~60年は効果が得られます」(岩前さん) 【画像3】無断熱の家と、次世代省エネ基準で断熱されている家では、年間約8万円も光熱費に差がある(データ出典/国土交通省「住宅・建築物の低炭素化に向けた現状と今後の方向性 資料3」)。【画像4】従来型のガス給湯器と比較すると、高効率給湯器(エコジョーズ)で約1万2000円、一戸建て用のハイブリッド型給湯器(エコワン)なら約6万3000円もガス代を削減できる(データ出典/リンナイ【試算条件】年間給湯+追い焚き負荷18.3MJ、ガス料金:プロパンガス450円/㎥、電気料金:25.6円/kWh(基本料金を除く平均単価))
給湯器の交換と断熱工事のリフォーム費用は、一見高く感じるかもしれないが、長い目で見ると光熱費の削減額で十分回収できるといえる。自宅の光熱費や断熱性能の悪さに悩んでいるなら、検討してみてはいかがだろうか。
構成・文/山南アオ●専門家プロフィール
岩前 篤氏(近畿大学 教授)
博士(工学)。住宅メーカーで住宅の断熱や気密の研究開発に携わり、退社後同大学で健康・快適でエネルギー性能の優れた住宅について研究している
柴田 毅氏(リンナイ株式会社)
ハイブリッド営業室所属。電気・ガス自由化が始まる社会変化の中、<電気×ガス>のハイブリッドな暮らしを提案し、家庭の省エネ・低燃費に貢献●suumoリフォーム全国版9月発売号9月発売号の特集は
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