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困難に直面したら「よ~し、面白くなってきやがったぜ!」と思えばいい【対談:八谷和彦×稲見昌彦】

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そんななかでブレイクスルーした瞬間ははやり「飛んだ」ということですね。

そもそもメーヴェの形をした飛行機がこの世には存在しないので、飛ぶかどうか分からないところからスタートでした。「存在していない」ということは、「そもそもあの形で飛ぶのか?」とか「飛んだとしても作るのが大変」とか「飛行形態が独特すぎて訓練が難しい」などさまざまな理由ありますが、目標はメーヴェの機能的な実現ですので、なるべくあの形を生かして、安全に飛べて、普通の人が操縦出来る機体を作りたいと思いました。

ですので、グライダー版を作って、2006年に初めてあの機体を自分が操縦して飛ばしたとき、チーム全員が「やった!」と感動したんですが、グライダーだったせいか世間の反応は思ったより盛り上がらなくて。10年後の2016年7月にジェットエンジンをつかって高高度で飛ばしたときはメディアにもたくさん取り上げていただき、皆さんの反応も良かったですね。こうして自力で飛ぶ形になってはじめて、やっと人は納得してくれるんだ、と感じることもありました。

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稲見:(メーヴェの映像を眺めながら)これって音の大きさはどれくらいなんですか?

八谷:ジェットエンジンの音はめちゃめちゃうるさいですよ(笑)周りのスタッフも含め、耳を痛めないように、全員イヤマフをしています。

私は美術作家なので、まあアーティスト的なやんちゃさで無許可で飛ばす、ってこともあり得たかもしれませんが、「ここ35年ほど、新規の民間国産機が製作されていない中、個人がちゃんと航空局の許可を取って飛ばしたほうが数段カッコイイ」と思っていました。

というのも、個人でああいう形状のジェット機を航空局の許可を取って飛ばした例は今までないですし、考えてみたら国産のビジネスジェット機って三菱重工が1978年に初飛行させたMU-300以来なんですね。最近は三菱航空機のMRJや自衛隊の技術実証機X-2も試験飛行していますが、新規の機体がつくられないと、そもそも機体審査体制も維持できないので、ほそぼそとでも新規開発があるのはとても重要だと思うのです。

全てのテクノロジーをブレイクスルーさせるのはスマホ!?

江渡:この話をずっと聞いていたい気持ちもありますが、続いて稲見先生にも。

今年2016年はVR元年といわれていますが、稲見先生の研究分野でハードルとなっていることや、同じくブレイクスルーした、またはしそうなことなどを教えてください。

稲見:いま、バーチャルリアリティや人工知能という言葉を聞かない日が無いくらい大ブームになっていますよね。私自身は90年代から大学のサークルでVRのデバイスなどを作ってきたので、当時から「こうした技術が当たり前になればいいな」と思っていました。

今年はVR元年と言われていますが、実は最初にVRがブームになったのは1990年くらいです。非常に示唆的なのですが、当時、数百万円という価格ながら世界初の商業HMD(ヘッドマウントディスプレイ)が発売され、その名前が「Eye Phone」(アイフォーン)だったんです。

(会場ドヨめく)

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そこで2007年に「iPhone」が登場したときに、多くのVR研究者が「アイフォンといえばHMDのことじゃないのか?」と言っていた。そして現在「iPhone」つまりスマホが、HMDへと戻って来ました。1990年代のVRと2016年のVRの大きな違いは、スマホやコンピューターの進化・発展だと考えています。

つまり、ブレイクスルーのきっかけは最先端のテクノロジーかと思いきや「テクノロジーの民主化」なんです。特にVRやARは、実際に体験しないと理解しにくい分野ですが、現在のVRブームで多くの方が体験し「使える」と認識されたことで一般化して、今後さまざまなサービスが生まれていくと思います。

一方でハードルの話。実はHMDやARの技術は、テクノロジー自体は早くに完成していたのですが、技術だけでは解決できない問題がありました。それは、“未来”って我々が想像するほど“未来っぽくない”ということです。

例えば、80年代の人が思い描いていたような、宇宙服みたいなファッションなんて現在でも着ていませんよね。そうした“未来っぽくない未来”に先端技術をどう接続していくか、という問題です。

例えば、こちらは私がJINSと共同開発したウェアラブルデバイス「JINS MEME」で、メガネの鼻の部分の電極で眼球の動きなどを捉えているという機能が付いています。このデバイスの大きなポイントはほかの多くのウェアラブルグラスと比べ、「普通のメガネ」に見えるという点です。

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