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【タベアルキスト】ハードボイルド・「うな重」の世界 ~ 食べ歩きマニア道 其の1~

【タベアルキスト】ハードボイルド・「うな重」の世界 ~ 食べ歩きマニア道 其の1~ f:id:tabearukist:20160719211948j:plain

お疲れさまです! メシ通レポーターのタベアルキストTokuharaです。

茹だるような暑さの中、日々様々なものと戦いながら、バリバリ働くみなさんの胃袋を刺激すべく、今回は新たな企画をお届けします。

「食べ歩きマニア道 ハードボイルド・◯◯の世界」とは──

国内の飲食店を中心に足を運び、これまで食してきたメニューは、のべ1万食以上。“食”に真摯に向き合うタベアルキストたちが、特に気になるメニューを挙げ、食材や調理法などに着目し、皆さんにお届けする新企画です。

「うな重」の世界

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すっかり高級魚の仲間入りをしてしまった「うなぎ」。悲しいかな、国民食と言われながらも、国内の「うなぎ」消費量は年々減少傾向にあります。

ただ、夏にはやっぱり「うなぎ」!

本企画でも、「うな重」にスポットを当てます。

「うなぎ」。「タレ」。そして、「ご飯」。これらが作り上げる「うな重」の世界。シンプルな料理故に、これらの味や風味がバランスよく調和しているからこそ、昔から日本人の胃を満たしてきたはず。

そこには、どんな世界があるのか ──。

では早速、主役の“幻のうなぎ”とも云われる「共水うなぎ」を求めて、今回の舞台となる渋谷道玄坂の老舗へ向かいました。

創業90年の老舗で頂く「幻のうなぎ」

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今回の舞台は、こちらの「花菱」。

創業は、大正末期。かれこれ90年以上も「うなぎ」と向き合ってきた老舗。無類のうなぎ好きとして知られる、文豪「斎藤茂吉」が通ったお店でもあります。

こちらにおうかがいしたのは他でもない、“幻のうなぎ”とも云われる「共水うなぎ」をいただくため。東京都内で出すことを許されているのは、僅か16軒のみ。貴重な“ブランドうなぎ”です。

ちなみに……。今回幸いにも、店主「阿部晋一社長」、そしてうなぎの仕込みから焼きまでを一手に任されている、うなぎ職人「小暮義雄さん」にもお話をうかがうことが出来ました。

では、早速いただいてみましょう!

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▲「共水うな重定食(肝吸い、お新香付き)」 5,616円

重箱を開けると、大ぶりで確かな存在感を放つ「共水うなぎ」。

身は背開き。その表面に焦げ目はほぼ無く、誠につややかな装い。 一口頬張れば、とにかくホワッホワッとした食感は、蒸して焼かれた“江戸前”の真骨頂。そして、その奥に感じられる確かな“うなぎの味”が、なんとも言えない時間を演出してくれます。

ふっくらとした厚い身に、そこからにじむスッキリとした脂。それらに、琥珀色の「タレ」がほのかに甘みを添えます。身に臭みなどは皆無。「タレ」でごまかすような事もありません。

そして、個人的な注目ポイントは、「しっぽ」。香ばしく、噛むほどににじみ出てくる旨味。脂が潤沢な腹よりも、「うなぎ」の素の味は淡白なこの部分にあり! また、キリッと炊きあがったご飯は、「うなぎ」と「タレ」の甘味を吸いつつ、「うなぎ」とのキレのある食感のコントラストを演出しています。

「うなぎ」・「タレ」・「ご飯」 ──。

これら3つがバランス良くまとまってこその「うな重」! それを再確認する事ができました。

では、それぞれにどんなこだわりや、物語があるのか。続いては、それぞれの素材に注目していきます。

“幻のうなぎ”である「共水うなぎ」

いまや国内に出回る「うなぎ」のほとんどが「養殖」。天然をしのぐ「養殖」に出会える機会は、ごくごく稀というのが現実です。とは言え、おいしく頂ける「養殖」はあります。

今回登場する静岡県産「共水うなぎ」もその1つ。

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「共水うなぎ」とは、静岡県大井町ある「株式会社 共水」が養殖している“ブランドうなぎ”。

富士山と南アルプスを背に、約6千坪の敷地。そこにある32面の養魚池で、南アルプスからの恵みである地下水を豊富に使い、ストレスのない環境の中、通常の2倍以上の月日をかけて丹念に育てられます。

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