学生さんのリクエストした料理が芋づる式に増えた店「つくしのこ」で常連メニューを味わう!

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お店の料理を、常連さんならではの頼み方で注文できたとき、

その店の仲間入りをしたのだとうれしくなる、メシ通レポーターの裸電球です。

今回ご紹介するお店は、北海道大学の学生さんたちが暮らす界隈、

地下鉄・北18条駅の近くにお店を構える「つくしのこ」です。

たらふく食べて飲んでも、数千円という安さが魅力のお店には、

常連さんの名前がついた摩訶不思議なメニューが数多くあります。

「月岡オムレツ」に「三浦ネギ」。

もうメニューだけではなんのことやら。

今夜はなんだか、楽しい予感がします。

安く飲める酒場が多いエリア

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地下鉄さっぽろ駅から2駅。北18条は、北海道大学に通う学生さんが多いエリアです。

そのため、安くてボリュームのある飲食店が目立ちます。

今回ご紹介する「つくしのこ」は、先代のお母さんの代から営業する老舗の居酒屋さん。

多くの学生さんが人生初の「常連」となり、社会へと飛び立っていきました。

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どうですかこの感じ。

一見さんはなかなか迷い込めない店構えです。

「つくしのこ」は2代目店主のご夫婦が経営されて、まもなく5年目。

以前は「つくしん坊」という名前で、名物お母さんが切り盛りしていました。

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広い小上がりです。

仕切りや目隠しは一切なく、ここにワシャワシャと学生さんが集います。

いい雰囲気ですね。

筆者、裸電球も大学時代はよく飲んだものです。

謎のメニューがズラリ

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これはすごいぞ。

何のことか、さっぱりわからないメニューがズラリです。

「石橋焼」はおそらく石橋さんでしょうか。

厚揚げのピザ、なるほど、なるほど。

「手づくり平山ナン」う〜ん、謎です。

「杉田焼」は(豆腐)とものすごく少ないヒント。

こうなってくると、「きむちチャーハン」が「きむらチャーハン」に見えますし、

「大豆の兄弟」も個人名なんじゃないかと疑心暗鬼状態です。

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30年以上、この店舗の2階で営業されていた先代のお母さん。

元気でチャキチャキ、大学の教授が飲みに来た時でも、ペシペシ叩くそうです。

今は週に1回ほど、息子さんが継いだお店を手伝っています。

数多くの学生さんから「第二の母」と慕われており、

常連さんの好きな食材を使って料理を作ったことをきっかけに、

俺も、俺もと、個人名のついたメニューが増えていったそうです。

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現在もメニューは増えていますが、誰でも名前を残せるというわけではありません。

数年に1度、出るか出ないかのレベルだそうです。

お店に通う頻度、使った金額、さらには人柄など、

色々な部分を審査され、名前がメニューに刻まれるのです。

ちなみに、最新作は「大野ラー油の油そば」

大野君、やったね!

それでは名前メニューを食べてみますか

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▲晋太郎焼450円

こんにゃくに鶏肉、上にはチーズとたっぷりのネギ、「晋太郎焼」です。

もちろんのことですが、晋太郎さんがどんな人なのか、全く知りません。

初めまして。

すごいですね、晋太郎さん。

今はどこで、どんなお仕事をされているのでしょう。

もともと、鶏肉とこんにゃくを炒めた料理はあったものの、

晋太郎さんが「辛くして」とうるさかったため、このメニューができたそうです。

シンプルなエピソードが最高です。

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「ピロパン」ですって。

もう、何が登場するのか想像すらできません。

このあたりは是非お店でお楽しみください。

当時はお金のない学生さんでも、

北海道大学は著名な文化人や社長さんを多く輩出する学校です。

出世して、部下たちを引き連れて凱旋する人も多いんだとか。

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▲つくし風 油淋鶏 500円

大きなお肉がゴロゴロの「つくし風 油淋鶏」です。

この料理もグループで取り分けてちょうどいい量、

一人では食べきれないかもしれません。甘辛いタレが絶妙です。

学生さんが奪い合うように食べている姿を、カウンターのOBが見ていて、

ご馳走することもあるんだとか。

焼酎の余ったボトルを、

「誰でもいいから学生さんに飲ませてくれ」と置いていく常連さんもいるそうです。

息子さんご夫婦が引き継いだ「人情」

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「つくしのこ」の國枝夫婦です。

まだ社会経験の浅い、学生さんたちは飲み慣れていないことがほとんど。

そんな学生さんに対して、時に優しく、時に厳しく「人情」を持って接します。

その姿は、まるで先代のお母さんが若いころの「つくしん坊」のようだと、

涙を流す常連さんもいるそうです。

また、奥様はアルバイトさんと勘違いされ、旦那さんの目の前でお客さんから口説かれることも。

つくしのこの名物風景です。

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ただ引き継いだだけでなく、お店のオリジナルも誕生しました。

今では、このお店を語るうえでの看板メニュー。

「すだち酎の青ラベル1,600円」と、「赤ラベル1,800円」です。

お酒の醸造メーカーと作った、完全オリジナル商品で、

開発に8カ月を要した渾身の1本だそうです。

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なんとスペルが間違っているではありませんか!

「スペシャル タンクス」になっています。

ラベルを制作した業者さんが間違っていたのを、完成後、常連さんが発見しました。

すぐに修正できるのですが、話のタネに、今もそのまま使用しています。

最後に不動の人気メニュー

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新旧の常連さんに愛される「米米チーズ 450円」です。

「米米」と書いて、「よねよね」と読みます。

炒めたご飯の上にたっぷりチーズ、

そしてケチャップに玉子がポイントのお料理です。

これ、〆にも最高ですよ。

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ということで大満足の「つくしのこ」でした。

カウンターではOBが、小上がりでは現役の学生さんが、

何やら熱い話をしています。

「就職決まったよ」「上司と喧嘩したよ」「企画が採用されたよ」

いくつになっても、この店の暖簾をくぐると、

学生時代にタイムスリップするのかもしれません。

筆者、裸電球も目標ができましたよ。

「裸電球のピカピカ点灯焼 450円」がメニューになるように、

何度も通いたいと思います!

お店情報

つくしのこ

住所:北海道札幌市北区北17条西4丁目1-32 カネサビル1階

電話番号:011-717-7713

営業時間:17:30~5:30

定休日:月曜日

※金額はすべて消費税込です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。

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書いた人:

裸電球

北海道を拠点に食べ歩き。CATVでグルメ番組のレポーターを担当したことをきっかけに、ハシゴ酒が趣味となる。入りづらいお店に突撃するのが大好き。現在はフリーで、映像制作とライターの仕事をしている。 ブログ:「裸電球ぶら下げて」

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