妻から夫へのDV 子どもに及ぼす影響という観点から
妻から夫へのDVは正当化されることが多い
「妻から夫へのDV」が増えている。この背景には「身体的に劣る女性が男性に暴力をふるえるのは、『女性は弱者』や『女性の人権』を盾にすれば男性は手出しができないこと。
たとえ男性が反撃をしてきても、世間は女性の味方になってくれる。
この心理的な安心感が、女性が男性に暴力をふるう要素の一つ」と前回のコラムで述べてきました。
今回はその続きで、こういった要素が子どもに及ぼす影響ついて述べていきます。
妻から夫へのDVに対しては男性を擁護する声がある一方、「女性が強くて男性がだらしないだけ」「女性はもっと困っているから構わない」「これぐらいでDVと言われたら女性が迷惑」という声があるのも現実です(ワイドショー等ではこのような声が錦の旗として取り上げられることもあります)。
私も成人後、女性から暴力を受けたことがありますが、相手女性の言い分は「男の暴力と女の暴力は力加減が違うから構わない」でした。
また、「女性を怒らせるようなことをした男が悪い」という主張もよく聞くパターンです。女性の方も身に覚えはないでしょうか。
妻から夫へのDVは子どもに多大なる悪影響を及ぼすことに
人それぞれによって見解はまちまちでしょうが、心配されるのは「悪いのは男性で女性には問題がない」という主張を繰り返す母親の元、子どもがどのような影響を受けるかです。
子どもは親の背中を見て育ちます。
「弱い立場を主張すれば何をしても許される」「自分を正当化すれば、何をしても構わない」「自分は悪くない。悪いのは相手」という母親の姿はしっかりと子どもにも受け継がれ、子どもも他者に対して同様の態度を取るようになるでしょう。
学校現場で起こっているトラブルの中にも、「子どもが大人を攻撃しても大人は反撃できない。何かあっても世間を味方にすれば大丈夫」等という「弱者」や「権利」を盾にしたものが少なからずないでしょうか。
「弱者」や「権利」を主張しすぎると周囲が引いてしまうことも
「弱者」や「権利」を錦の旗にすれば、自分の主張は通るかもしれません。
しかし、こういった態度は一時的には通用しても、トータル的にみると社会の中では通用しません。
このような態度を取り続けいると、やがては周囲から敬遠され、社会的に孤立する人生を歩みかねないのも周知の事実です。
女性が強いのか、女性の主張が正しいかはさておきます。
要は人に暴力をふるうこと。
つきつめれば、人が嫌がるようなことをしても構わないのかということです(女性から暴力を受けて嬉しい男性はいないと思います)。
子どもは親の言うことは聞かないが、親のやった通りに行動します。
「自分を正当化」する母親の姿を見て育った子どもは、同じく「自分を正当化」する性格になりかねないのです。
(中原 崇/社会福祉士)
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