勇気づけの心理学と言われ今話題のアドラー心理学とは?
勇気づけの心理学として最近話題のアドラー心理学
アドラー心理学は、「勇気づけの心理学」、困難を克服するポジティブな心構えを説く心理学に近いものとして注目されています。
私達の思考や行動は、どのような目的に向かっているかによって変わります。
アドラーは「人は自分の意思で目標を選びなおすことが出来る」と考え、目標達成のために何が出来るのかを説きました。
自分で選んだ目標となれば、勇気を持って行動することが出来ます。
大切なのは、過去がどうだったかではなく、これから未来に向けて何が出来るか、何をするかという事です。
楽観的な考えの人は、世の中が明るく見えます。
たとえうまくいかない事があっても、「きっとうまくいく」と信じることが出来、行動的に動けます。悲観的な考えの人は、たとえうまくいっていても、不安を抱え、消極的になりがちです。
ありのままの自分を受け入れ、人を同じ共同体と見て、無条件に信頼すれば、人のために役立ちたいという思いも芽生え、自分の価値を実感出来るとアドラーは考えました。
誰かの役にたっていると思える事で、自信が持てたり、自分の価値を実感したり、自分の居場所を感じられたり出来るのです。
「自分の人生は自分のもの」と自覚することが大切
苦手意識も過去の経験、記憶から生まれるものです。でも、習慣は自分次第ですぐにでも変えられます。
生まれた後に自分で作り上げて来た性格は、変えるのは簡単ではないと思われますが、行動、習慣、考え方や行動の癖ととらえると、容易に変えられる気がします。
劣等感に対しても、それを持つことは自然な事、理想に向かい、より良く生きるための刺激ととらえます。
大切なのは、理想を実現するためにどう生かすかで、劣等感を力にして前に進むことが重要です。
他人と比較して落ち込むのではなく、目標にしたり、励みにしたりすることで前に進めます。
そして、自分の課題と人の課題を分けて考える事です。
「自分が何をしたいか」を第一に考える事で、「人からどう見られるのか」は人の課題、「受け入れるかどうか」を決めるのは人なので、自分ではどうにも出来ません。
そのため人の課題は考えず、自分が良いと思う事を選び信じる事です。
「自分の人生は自分のもの。人の人生を生きているのではない」と自覚する事が大切です。
自分の生き方は今からでも変えられる 行動することが重要
様々な事情、過去の出来事や環境で、自分なりの生き方や考え方を作り上げたのは自分自身です。
そのために、満足いかない物ならば、自分で変えればいいのです。
たとえば、威圧的な家庭で育てられたから、自分の気持ちをはっきり言えない癖がついたという生き方を選ぶか、そんな家庭で育ったからこそ、人の話に耳を傾けて親切にするという生き方を選ぶかは、その人自身で決められるということです。
人に対しても平等と考え、励ますことを重視します。
褒める事は上から目線の考えで、「もっと褒められたい、褒められなければやらない」という「報酬」が生じます。
でも、同等と考えられる勇気づけ、励ましはやる気を起こさせます。失敗した部下に「なぜ失敗した」「お前は駄目だ」と言うより、「次はうまくやれる」と勇気付けた方が部下もやる気になります。
失敗したことを指摘するより、具体的な方法を考えたり、教えたりする方が受け入れやすく、結果も良くなります。
罰を受けて「ありがとう」と思える人は少ないので、怒鳴られれば反感や憎しみが生じるかもしれません。
アドラーは、「人は変われないのではなく、ただ変わらないという決心をしているに過ぎない」と言いました。
変わらないと諦めるのではなく、より良い人生、豊かな人生に変えるための行動が必要なのではないでしょうか?
(飯塚 和美/心理カウンセラー)
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