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「ジョブズはあえてリスクをおかす人だった」 孫正義×ルース大使 対談全文(前編)

「英語圏から来ているので言い難いが、英語は世界とのコミュニケーションツール」

ルース: まったくその通りです。時には私やはり英語圏から来ているので、私がそれを言うのは難しいんですけれども、代わって言っていただいて本当に嬉しく思います。ただいずれにしても、私もそのことについては触れます。実際これが現状であります。英語を話すからと言って、それぞれの国の言語の美しさ、また文化、異なった言語、英語以外のものを学ぶ時の良さというものが損なわれるわけでは決してないわけでありまして。いまこの時代に住んでいた時、世界を見回してみると、やはり世界中のいろいろな人たちとコミュニケーションを図らなければならない時には、英語が最も簡単なコミュニケーションの方法であるということが言えると思います。

: 私が初めて(ロシアの)プーチン(現首相)さん、ロシアの方とお話をした時も英語でしゃべったんです。

ルース: プーチンさんと話をした時に、英語でしゃべったんですか。

: プーチンさんと話したのは私が日本人としては初めてだったと思います。実は彼がロシアの大統領になる1週間ぐらい前の話でした。

ルース: ちょっと質問があります。英語を会社の中でどのように使っていますか。

: 私は別に英語でしゃべれと、日常生活を英語で過ごせと言っているわけではありません。ただ私たちはやはり海外のビジネスパートナーとビジネスをしていることも多いので、例えばいろいろな設備などを買ったりする時に、ヨーロッパの企業ですとか、アメリカの企業、中国、それから韓国の企業とも取引をしていますので、やはり英語が共通語として使われています。ですからグループ企業の中では日常の言葉として英語を使っています。

ルース: 孫さんは日本がどういう形で英語の教育、英語を教えるべきかということはお考えがありますか。

: 私が中学生だった時、日本で中学校に行ったんですが、学校の先生たちは英語の文法を教えてくれたんです。あるいは英語の書き方やつづりですね、それを主に教えられました。英語の文法というのはあまり意味がないと思います。やはりボキャブラリー、語彙ですとか、それから発音ですとか、コミュニケーションの仕方が大事だと思うんです。ですので、日本での英語教育というのはやはり文法ですとか、つづりに偏りすぎていると思います。別に今はつづりなんてちゃんと知らなかったとしても、スマートフォンがただしてくれます。英語のつづりが間違っていたら、それをスマートフォンが正してくれます。

ルース: 新しいスマートフォンで今さっき見せていただいたのは、ただ話さえすればいいんですね。

: そうです。新しいiPhone4Sですね。話しさえすればそれで認識してくれます。

ルース: 私、古いiPhoneを持っておりまして。でも、これでも十分です。

■「ジョブズも成功してばかりではない」

スティーブ・ジョブズ氏の考え方に触れたという共通点があるルース大使(左)と孫氏(右)

: コミュニケーションのツールとしてやはり(英語は)大切なんだと思うんです。ちょっと他の写真といいますか、スライドをお見せしたいと思いますが。

 こちらは私の人生を変えた写真とも言えます。これはコンピューターサイエンスの雑誌からの1ページなんですけれども、ざっとこの雑誌を見ている時にこれを見つけたんです。私がちょうどアメリカで学生をしている時のことでした。これが何なのか、当時は知りませんでした。それで次のページを見ると、これが本当に初期の頃のマイクロプロセッサーの写真であることがわかったんです。本当にびっくりしました。というのも当時のコンピューターというと、ものすごく巨大なものだったんです。ところがこれは非常に小さいものなんです。爪ぐらいの大きさなんです。海外で、アメリカで学んだ。そしてアメリカは日本よりもコンピューターサイエンスでは進んでいました。ですから、これで本当に目を開かされた、新しい技術の世界に道が開けていったという気がします。

 こちらは、やはり私の学生時代の写真なんですが、コンピューターがたくさん背景にあります。これはUCバークレーの時のものですが、ローレンス(・バークレー国立)研究所ものなんです。実はこれは原子力関係の研究所ですね。いまは原子力、あまり好きとも言えませんが。

ルース: その話には入らないでおきましょう、今夜は。

孫氏「コンピューターのショーに行った時のものです」

: そうですね。とにかくこの写真、そこで勉強していた時のものです。周りの科学者たち、彼らは最初のプログラマー、それからマイクロコンピューターチップのデザイナーの方々です。ですので宇宙関係の研究所にも行きました。これもやはり学生の時の写真ですが、コンピューターのショーに行った時のものです。サンフランシスコでのトレードショーでした。確かアップルが、スティーブ・ジョブズが製品を発表したすぐあとだったのではないかと思います。「Apple II」を発表したあとだと思います。IBMのPCが導入される前のことだったと思います。それで私は本当に新しい生活の仕方、新しい技術が始まるんだなとまさに感じました。スティーブ・ジョブズは悲しいことに亡くなってしまいましたが、ただ当時も彼は本当に、まさにヒーローになろうとしているところだったんです。

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