「アメリカの狙いは農業。なぜTPPを受け入れる必要があるのか」と松木謙公議員
「菅おろし」の急先鋒として、菅直人内閣(当時)への不信任決議案に賛成票を投じ民主党を除籍された松木謙公衆議員が、2011年10月11日のニコニコ生放送「角谷浩一と松嶋初音のニュースバックヤード」に出演し、野田佳彦首相が参加する意向を示しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について、「日本がTPPに参加するメリットはない」との持論を展開した。
今年2月に農林水産大臣政務官を辞した松木議員は、その理由について番組で、小沢一郎氏に対する党員資格停止処分への反発と、当時の菅首相が取り組み始めたTPPへの反対だったと説明。あらためてTPP参加に反対する立場を明らかにした。
例外品目を作らない自由貿易協定であるTPPへの参加について日本は、農水省と経産省で見方が対立していたり、与党・民主党内からも反対する声があがっていたりと意見が割れているが、現・野田政権はTPP参加に積極的な姿勢を打ち出している。
松木議員はTPPへの参加について結論を急ぐことに疑問を呈し、
「アメリカが一番狙っているのは農業。ここ(日本)で輸出を増やしたい。アメリカだけでなく世界は今、みんな輸出を増やしたがっている。(そのような状況下で)なぜ日本がそれを受け入れないといけないのか。(参加すれば)日本はまたデフレになって、このデフレ不況がもっと続き、もっと給料が下がる」
と述べ、TPPに参加すれば日本という国自体に大きな変化が訪れることは不可避とし、これに反対した。また、
「TPPというのは、まず『みんなで(関税も)何もなしでやろう』という考えだが、うまくいってないようだ。(だから)それは個々(の国家間)でやろうというのが今の流れ」
と語り、TPPに参加することよりも、個別に条約締結することこそ世界の潮流だと論じた。視聴者からの「日本にとっての(TPP)参加のメリットはなにか?」という質問にも、松木議員は「あまりないと思う」と応じた。
その後、視聴者を対象に実施された「日本はTPPに参加したほうがいいか?」というアンケートでは、「はい」が11.2%、「いいえ」が75.5%、「どちらでもない」は13.3%という結果になった。「いいえ」と答えた視聴者が圧倒的だったが、松木議員は「ちょっと誘導尋問ぽくなったかもね」と冷静に分析していた。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 農水政務官を辞めた理由「大きかったのはTPPのこと」から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv65706109?po=news&ref=news#36:08
(安部伸介)
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