【幸せの国ブータンに学ぶ】仕事がうまくいかないときに効くブータン人の5つの教え

【幸せの国ブータンに学ぶ】仕事がうまくいかないときに効くブータン人の5つの教え
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仕事でもストレスを感じない、幸せなブータン人

ブータン国王夫妻の来日をきっかけに、一躍「幸せの国ブータン」ブームが巻き起こったのは、2011年のこと。97%の国民が幸せを感じている(2005年ブータンの国勢調査)というブータン人の生き方に日本中が注目しました。そこから5年、ブータン・ブームが再燃しています。実は2016年はブータンと日本は国交樹立30周年にあたる年で、各地でブータンに関する様々なイベントが数多く企画されているのです。

今なお、多くの日本人の心をとらえて離さない幸せの国ブータン。チベット仏教がもととなっている「足るを知る」生き方もさることながら、97%の国民が幸せを感じる背景には、ストレスフリーの働き方があります。なぜ、ブータン人はストレスなく働けるのでしょう。

そこで今回は、『世界一しあわせな国 ブータン人の幸福論』(福永正明監修・徳間書店刊)のなかから、「仕事がうまくいかないときに効くブータン人のことわざ」を取り上げます。

頑張っているのに、なかなか実を結ばないとき

「ゆっくり歩けば、ロバでもラサに行ける」

ブータンの古いことわざです。ラサとは、現在の中華人民共和国チベット自治区のラサ市のこと。昔はそこに行くのには、急な坂道をいくつも越えなくてはならず、馬で行くのも困難な場所でした。ロバでは到底、力不足なのですが、それでも歩き続けることをやめなければいつかは行ける。「どんなことでも続けてさえいれば、いつかはゴールにたどり着けるよ」という意味で使います。ブータンでは、物事がなかなかうまくいかない同僚がいると、この言葉をかけてあげるそうです。結果がなかなか出ないときはとても苦しいものですが、「少しずつでも歩き続けていれば、いつかはゴールにたどり着く。今やっていることは無駄ではない」と考えると気が楽になりますよね。f:id:k_kushida:20160427181031j:plain

仕事を抱え込んでしまったとき

「水のないところに橋をかけるな。義務のないところに責任をとるな」

「できもしないこと、必要のないことに首を突っ込んで、後になって無責任に放り出してはいけないよ」という意味のブータンのことわざです。ブータンの人たちは、身の丈に合った暮らしができればいいと思っています。仕事も同じで、自分の力にふさわしい身の丈に合った仕事ができれば充分だと考えています。このことわざは、仕事をたくさん抱えてしまって身動きが取れなくなってしまっている同僚に、「そんなに無理するなよ」とやさしく声をかける時に使うのだそうです。確かに仕事は欲張るとろくなことがありませんよね。f:id:k_kushida:20160427181143j:plain

思うような結果が出なかったとき

「洞窟(どうくつ)に宝物はなかった」

会社で期待していた部下が、その通りの成果を出してくれなかったときなど、他人が期待通りのことをしてくれなかったときに使うことわざです。「洞窟(どうくつ)に宝物はなかったなあ…」なんていう風に使います。この言葉には、「宝物のない洞窟を探させて悪かったね、自分の指示の出し方がよくなかったよ」と相手を気遣う気持ちが込められています。こんな風にお互いが相手を尊重し合えば、いつもいい雰囲気で仕事ができます。そんな明るい環境なら、また頑張ろうと思えるものです。f:id:k_kushida:20160427181339p:plain

人に協力してもらえず、孤独を感じる時

「善なる道は易い。だが、悪しき道はつねに険しい」

ブータンでは有名なことわざです。ブータンでは、仕事は「人のためになるか」という観点で選びます。自分のためになるか、では選びません。正しい心を持って、人のためになる仕事をしていれば、必ず協力してくれる人が現れ、道はどんどん開けていく。しかし、私利私欲のためにする行動は、運も人も味方してはくれません。必ず大きな壁がやってきて、挫折してしまいます。もし今、苦しい状況にいる人は、私利私欲のために仕事をしていないか、考えてみるといいかもしれません。f:id:k_kushida:20160427181446j:plain

職場環境に嫌気がさした時

「賢い人は節度を知る」

「自分に必要なことを知っている人がいちばん賢い」という意味のブータンのことわざです。つまり、自分には何が必要で、何が必要でないのか、自分にとって必要なことを知っている人が幸せに生きられるという意味です。ブータンの人たちは経済的には貧しくとも、心はとても豊かです。それは“足ることを知る”精神が根付いているから。今の仕事に立派なオフィスが必要でしょうか? 質素で小さな机でも立派な仕事をしている人はたくさんいます。まずは、今の自分に満足すること。今の職場に満足すること。そこから幸せは始まります。f:id:k_kushida:20160427181837j:plain

いかがでしょうか。ブータン人が働いていても幸せなのは、「身の丈に合った仕事をする」「今の自分や職場環境に満足する」「仕事は私利私欲を捨て、他人のためにする」「仕事は、人の役に立つかどうかで選ぶ」「結果が思ったように出なくとも、他人を責めない、自分も責めない」、こんなところがポイントのようです。私たちもストレスなく働きたいものですね。

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出典

『世界一しあわせの国 ブータン人の幸福論』(監修/福永正明、徳間書店刊)

取材・文・写真/高嶋ちほ子

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