【森翔太】出産間近! 岸田戯曲賞作家&舞台女優の、自家製おむすびパーティー
映像監督や俳優として活躍し、「仕込みiPhone」で文化庁メディア芸術祭の受賞歴も持つ森翔太が、読者の夫婦のお宅へおじゃまして、夫婦の普段通りの食事をご馳走になります。リアルに将来や結婚のことを考え始めた32歳に、夫婦の在り方を教えてください……!
第6回は、劇作家・演出家の夫と、舞台女優の妻という才能あふれるご夫婦のお宅へおじゃまします!
森翔太の「お宅の夫婦茶碗、お借りします。」
第6回:出産間近! 岸田戯曲賞作家&舞台女優の、自家製おむすびパーティー
どうもこんにちは。
浅草って、来るだけでテンションがあがりますね。
森です。
三点着地
夜の仲見世通りっていいですよね。
昼より夜のほうが好きだったりします。
和傘を買っちゃった。完全におのぼりさん 楽しくなってきた私の過去
私は過去に演劇をやっておりまして、 「悪魔のしるし」というパフォーマンス団体で、2010年〜2012年まで、役者として舞台を踏んでいたのですね。
2010年、『悪魔のしるし』初舞台。森も役者として参加した
しかしまあ、当時役者としての自分に悩み、外部のオーディションにことごとく落ちるなどしまして、(映像を作りはじめたこともあり)、舞台から離れてしまったものでした。
これからおとずれるご夫婦は、当時の役者をばりばりやっていた自分にとって、すごい存在だったのですね。キン肉バスターを覚えたと思ったら、相手は悪魔将軍だった、みたいな、感じなのです。
ご夫婦宅到着
なんとなんと!!
今回のご夫婦、第一子が生まれそうな状態で、出産予定日はとうに迎えている……そんなギリギリなタイミングでオファーを受けてくださったのです!!
明るく出迎えてくれるご夫婦夫:柴 幸男(公式サイト)
1982年生まれ、愛知県出身。劇作家、演出家、劇団「ままごと」主宰。多摩美術大学 講師。四国学院大学 非常勤講師。2010年に『わが星」で第54回岸田國士戯曲賞を受賞。
妻:名児耶ゆり(柴ゆり)(Twitter)
役者。多くの演劇作品に出演。名児耶さんの写真を、マーク・ザッカーバーグが「エクセレント」と言って、タイムラインにアップしていたのは有名な話。(https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=10102329253030051&id=4)
※森と奥様は以前からの演劇仲間なのです 「部屋で傘ささないでください」 「僕の心の雨がやまなくて……」 「うるさいわ」 「はじめまして」 「あうっあうっあうっ」 「?」 「人見知りと緊張でうまく話せないようです」 「通訳ありがとうございます」この後、せっかくだからということで、傘をプレゼント!
リビング。色使いがとてもかわいい ご自宅は、不思議な構造をしたビルの3階にある 昔の冷蔵庫を収納に使っていてかっこいい。電気冷蔵庫がなく、氷屋から氷を買って入れていた時代のもの。アンティーク!お手伝い
「というわけで恒例のお手伝いやりますよ!」 「赤ちゃんの服をたたんでください!」 「わあ! 服ちっちゃくて可愛い~」 下着泥棒にしか見えない がんばってお手伝いをする下着泥棒 「多いですよね。手伝いましょう」 小津映画のように洗濯物をたたむ二人 二人を見てほほえむ妻。小津映画だご夫婦の食卓
男たちが洗濯物をたたんでいる間、着々と料理の支度をするゆり奥様であります。
着々と料理ができてゆきますテーマはおむすびパーティー!
「できましたよー!」 夕食はおむすび形式! おむすびの具には、イクラ醤油漬け・明太子・梅おかか・焼き鮭・お味噌。お漬物。赤味噌のお吸い物。肉じゃが。楽しさが前面に出てくる夕食だ! 恒例の乾杯 「おむすびパーティーじゃないですか! やったー!!!」 「ほしいものがあったらその場で握ります!」 「楽しい! じゃあ、明太子!」 明太子を握ってくれる奥様。あとおひつっていいなー。香りが優しい! こころ……。このおむすびにはこころがあるよ 「なにこれ! うま! 米から違う!」 「おひつの香りっていいですよね。あと鉄鍋で炊いて、そのままだと錆びちゃうから、おひつに入れちゃうんです」 「味だけじゃなく、香りまでも……味と香りの友情パワーですね……」 「友情パワー……」 「うん、うまい」と柴さんもご満悦 「次はイクラ!」 北海道の小学校で柴さんが学芸会を一緒に作った際、教頭先生が漬けた“イクラ”をくれたとのことだ 「なにこのイクラ……。500円出せますよ。今までスーパーで買って食べてたイクラなんて、ベンキマンレベルですよ」 「そろそろキン肉マンで例えるのをやめてください」 僕も握らせてもらう おむすびにこころをこめる それを柴さんにあげる。おむすびの握り合いで、緊張もなくなる 「カップルはみんな、米を握りあうべきですよ。おむすびデート。こんなに愛を感じあう行為はないですよ!」柴作品を観る
「先日ままごとの『わが星』を、ついに観まして」 「ついに観てしまいましたか(笑)」『わが星』……地球の誕生から消滅までをめぐる物語が、団地にくらす少女の日常にかさなりあう。第54回岸田國士戯曲賞受賞作品。台本も販売されている。2015年、再演された。
Hideaki Hamadaさん(@hamadahideaki)が投稿した動画 – 2015 7月 19 8:58午後 PDT
撮影:濱田英明
「連れの人も僕も、『涙腺が~』ってなってましたね。いや、僕も見る前、評判が良すぎて身構えちゃったんですが、観ててそういうの吹き飛びました。あれ、観たことないものを観てるぞーと。というか作った人の前で感想言うのきつい!」 「(笑)」 素敵な写真が飾られていた。小豆島の公演中に撮られたとのこと結婚するとちゃんとする
「結婚はいいもんですか……?」 「最初は心配でしたけどね。意外と、大丈夫でした(笑)」 「出会ったのが3年前。で、2015年3月に結婚したんです」 「森さんは料理されるんですか?」 「ほとんどしません! 例えば、目の前にキャベツとひき肉があるとしましょう。普通なら『ロールキャベツにしよう』ってなるかもしれませんが、僕は『どうせ胃で混ざるから一緒だ』ってなって、適当に個別に塩とかで焼いて食べてしまう」 「わかる気もします。僕も結婚してみて、結構ちゃんとするようになった気がしますね」 「一人だと、キレイに盛り付けてもねえ。一緒に食べてくれる人がいればまた違ってくるんでしょうねえ」 「泣ける……」 絶品の肉じゃが、家庭の味であるご夫婦のなれそめ
Hideaki Hamadaさん(@hamadahideaki)が投稿した写真 – 2015 6月 16 12:08午後 PDT
撮影:濱田英明
「それまで私、小劇場演劇とか見たことが無くって。で、ある公演のオーディションを、友達が『受けてみたら~?』って言ったんです。そこで柴さんと初めて会ったんですよ。ずっと事務の人かと思ってた(笑)」 「オーディションで初めて会いました」こんな感じだったのだろう
「これ、どちらからモーションしたのですか?」 「お互いに、興味ある、みたいな感じでしょうか」 「あれ? 柴さんはオーディションのときから気になってたんですよね!?」 「うお……(笑)。でも人となりは全然わからなかったから。やっぱり接するうちにですね」『マッド・マックス』を見て喧嘩?
「普段はなにしてるんですか?」 「浅草なので、なごやさん行きつけの飲み屋とかに行ったりとかしますよ。昨日は『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』観ましたよ」 「観終わって、喧嘩しました」 「『激しすぎる映画だから胎教によくないよ!』って(笑)」 「喧嘩した後、私のわがままを5つ聞いてほしいって言って解決しました。でも、映画観てるとき、お腹の子どもも興奮して暴れてたんですよ。めっちゃ蹴られた」 「生まれる前から『マッド・マックス』を体験してるなんて」 「あ!!! 動いた!!」 「あ!!」 「産まれるー!」 「大丈夫です(笑)!」 「やばい。これ、気が気でないですね」 「もう予定日すぎてますからね」 「もし破水したら撮影してもいいですか」 「そのときは病院までみなさん付いてきてください(笑)」触っていると不思議な感じ
お腹に当てると赤ちゃんの心音を聞けるアプリ(!)。生命の鼓動を感じる
柴さんはお笑い芸人になりたかった!?
「柴さんはどうして演劇を?」 「僕は、愛知県の名古屋に近い木曽町っていう町で生まれて。演劇は高校生のときにもう演劇部でした。ダウンタウンが好きで、お笑い芸人になりたかったんですが」 「へぇ~!」 「でも、その場で一番面白いことを誰よりも早く言わなきゃいけない、っていうのが難しいなと思って。脚本家だったら、家に持ち帰って時間かけて考えて面白い1時間とかを作ればいいぞと。三谷幸喜さんにも憧れてました。まあそれで青年団に所属するようになったり、今にいたるという感じですね」ゆりさんは芸歴25年
「今は東京スカイツリーがある押上が実家で、父が浅草で日用品をつくってる会社をやってるんです。水回りや、お風呂とかキッチンの商品を作ってる会社です。江戸っ子です」 「『アニー』にキャストで出てたんだよね」 「幼稚園で合唱団に入ったんですけど、合唱団のお姉さんが『アニー』のオーディションをすすめてくれたんです。あるとき、お母さんの友達の演劇をやってた人が遊びに来て、『アニー』の台詞を読んでくれて衝撃を受けた」 「演劇に衝撃を受けたんですね」 「あと、実は5歳のときからNHKからCDとかも出したりしてます。なので芸歴25年」妻からのアドバイス?
「同業で出会って結婚して、そのまま仕事を続けながら生活を一緒にしていると、いいこと悪いことってあると思うんですけど」 「お互いの仕事に関して一切なんにも言わないので……(笑)」 「でも『これやろうと思ってるんだけどどう思う?』みたいなこと言うよね。でもそのやってることに対して、面白いことやってるから、私は特に言うことないかもですね」子どもの名前を決める
「あとね、目下の悩みが、子どもの名前」 「じゃあね! 僕が生まれてくる子どもの名づけ親をやります! こういうのがいいってヒントありますか?」 「お花の名前とか」 名前に迷う森。真剣な表情である 名づけマニュアル本も見せてもらい、参考にする 「花……うかんできた……うかんできた……」 「おお!」 「『金木犀』。どう!?」 「……いい。」 「……いい。」 「えええ! いいんですか!」 次々に名前が浮かび上がる森 「次は……『十五夜』ってのはどうです!? ロマンチック!」 「……けっこういい」 「めっちゃいい!」 「ええええええ!」森が出した名前リスト
【名前候補】
※ご夫婦が気に入ったは以下の通り。
金木犀(きんもくせい)
十五夜(じゅうごや)
楓(かえで)
友人(ゆうと)
千明(ちあき)
「森さん、もしかしたら本当にこの中から決めちゃうかもしれません」 「まじですか。ついに名づけ親になってしまうのか。結婚もしてないのに」 子どもの名前を考えるってすごく楽しい 「最後に、『森になにかしてほしいことコーナー』なんですが、なにかありますか!?」 「本番にそなえて、出産のときどんな感じか知っておきたいんですよ」 「なるほど、ということは……」 「模擬出産を演じてください!」 ということで模擬出産をしました。ぜひ動画もどうぞ追記(2016年3月)
実はこれを取材したのが、去年の11月。記事が公開されるまでに、ちょっと時間が経っちゃってるんですね。
あれからすぐに、ご出産されていたのです!
2015年11月30日の14:26に3275gの男の子を無事、出産しました!みんなでがんばりました。 pic.twitter.com/pjjWs8jHvU— なごやゆり (@nagoyaUri) 2015年11月30日
名前は……
名前は「結人(ゆいと)」です。
人を結ぶようにと柴さんがつけてくれました。みなさんこれからよろしくお願いします。メリークリスマース pic.twitter.com/WczGxoLLyP— なごやゆり (@nagoyaUri) 2015年12月25日
結人(ゆいと)君!!!!!!
って……僕が名づけた「友人(ゆうと)」とめっちゃ近くないですか!!
うおおおお!!!!!
なんか勝手に感動してる!!!!
出産直前という大変なときに受けてくださったご夫婦、本当にありがとうござました。勝手ながら、赤ちゃんが産まれる前のすごく大切な時間に奇跡的に立ち会えることができて、とっても思い出に残りました。ご家族みなさま、お幸せに! 結人君、大人になったら遊ぼう!
撮影:石川真魚
ご夫婦がお気に入りのお店
ロッヂ赤石
住所:東京都台東区浅草3-8-4
電話:03-3875-1688
営業時間:火~土 9:00~翌6:00
日・祝 9:00~翌1:00
定休日:月曜日
「朝の9時から朝の6時まで営業している喫茶店。ピザやパスタなどのご飯もとっても美味しいのです! パリジェンヌ風ヌイユがおすすめです。」
宿六
住所:東京都台東区浅草3-9-10
電話:03-3875-1688
営業時間: 11:30~17:00
18:00~翌2:00(シャリが無くなり次第閉店)
定休日:月曜日
「深夜2時までやっているおにぎりやさん。メニューはおにぎり、お茶漬け、それに味噌汁。お酒は1杯まで。お寿司屋さんの様なカウンターで女将さんとお話ししながら食べるおにぎりは格別です。おすすめの具は『ねぎ』と『紅生姜』です。」
まぐろ人
住所: 東京都台東区雷門2-18-12
電話:03-3847-7139
営業時間: 月~土 11:00~22:00
日・祝 11:00~21:00
定休日:無休
「雷門前にありながら穴場なお寿司屋さん。立ち喰いで8人くらいしか入れません。1貫ずつ頼めるので色んな味を楽しめてそしてリーズナブル! 大将たちのリズムと会話がなんとも粋です。やっぱり旬のものはおいしいですが『海ぶどう』と『ひもきゅう巻き』は欠かせません。」
森翔太に食事を作っていただけるご夫婦を大募集!
森翔太の「お宅の夫婦茶碗、お借りします。」では、読者のみなさまから、森翔太をご自宅に招き、食事を作ってご馳走していただけるご夫婦を大募集しております! メシ通Twitterアカウント(@mesitsu)宛に「森翔太の企画へ応募したい」とツイート or DMしてください。その後は、メシ通スタッフがDMを送らせていただきます!
※フォロー外からDMを受信できる設定にしておくか、メシ通アカウントをフォローしておいてください。
自慢の手料理やご自宅がある、森翔太に頼みたい家事や面倒事がある、森翔太に記念ムービーを作ってほしい、などなど、素敵なご夫婦のみなさまからの応募をお待ちしております!
※顔出し出演OKな方を優先させていただきます。
書いた人:
森翔太
映像監督/俳優。1983年生まれ。映画「タクシードライバー」にインスパイアされて制作したガジェット「仕込みiPhone」の動画が、YouTubeにて通算約400万再生、国内外のテレビメディアで取り上げられた。第17回 文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品、Ars Electronica2014入賞。「映像作家100人」(BNN社)などの書籍掲載。サントリー”C.C.Lemon”「仕込み筋肉 3号機」、NISSAN”リーフ”「充電ラブストーリー(エレキングバンド&篠崎愛)」などの監督する。なんにせよ、将来は見えない。 Twitter:@morisatoh
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