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「残飯レストラン」はじめました。

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ニューヨーク拠点のデジタルマガジン。ニューヨークをはじめ、各都市の個人やコミュニティのユニークな取り組みやカウンターカルチャーシーンをいち早く配信中。現地ならではのコアなネタを厳選し、独自のライフスタイルを切り開くための“きっかけ”となるストーリーを届けることをミッションとしています。
          www.heapsmag.com

「一切のムダを出したくないので、レストランをはじめます」。 そんな型破りな宣言とともに突如ブルックリンに現れた“残飯”レストラン「Saucy by Nature」。オーナーシェフについて、気になったことは、4つほどあった。

01.残った食材をムダにしたくないからレストランを開く、という動機。
02.自らの職業を、Locavangelism (Local + evangelism 福音伝道 の造語)というオリジナルの造語で表現している点。
03.ストリートベンダーをはじめるまで、約5年間世界を放浪していたこと。
04.料理は独学。

ふむ。この情報から「陽気なヒッピー×シェフ」を想像していたのだが…

ユートピアとビジネスの狭間で。
ムダを出さないレストラン開業160308_heaps-saucy_02

Photo by Hayato Takahashi

見事に裏切られた。いや、決して悪い意味ではない。ポーランド生まれのアメリカ人、Przemek Adolf(パシェミック・アドルフ)は陽気は陽気でも、自由人というよりは、地に足のついたビジネスパーソンだった。

7歳で米国へ移住し、アメリカの食事が口に合わなかったことを理由に、12歳から独学で料理をはじめたという彼。遡ること4年前。NYグルメの登竜門、今では一大野外フードイベントに成長した「スモーガスバーグ」で、パシェミックのベンダー店「Saucy by Nature」は、初のベジタリアンフードベンダーとして注目を集めた。その後はケータリングビジネスも順調、と着々と手を広げていく。

こだわりの「Farm-to-table(農場から食卓まで)」スタイルで、ローカルのとれたてオーガニックフードのみを使用し、サステイナブルなビジネスを目指してきた。だが、ずっとあることに後ろめたさを感じていたという。

「いっさいの食材を無駄にしたくないのに、どうしても残飯がでてしまう」。

ケータリング用に購入する食材。1オーダーで届く量が多すぎて、余ってしまう。とはいえ、少量でオーダーすると高くつきすぎる。余ったトマトや葉野菜なんかは日持ちもしないので、捨てざるを得ない。食べる人の健康を想って、より手間のかかる方法で作られた野菜や肉たちは、本来ムダであるはずのないもの。それを捨てる度に、害悪感にさいなまれた。

「だったら、その残った食材を活かすために、レストランをオープンしてしまおう」。

そうして2015年9月1日、「残飯レストラン」はついに姿を現した。

最後の受け皿に
「寄付」で、廃棄率ゼロを実現160308_heaps-saucy_03

Photo by Hayato Takahashi

残飯とはいえ、もちろんあくまで食材の話。一度、ケータリングでお客さんに出した料理を、使い回しているわけでないので悪しからず。

レストランの全メニューが、ケータリングでの残り食材でできているかというと、そうではない。余り物であつらえた日替わりメニューの他に、レギュラーメニューも用意。

「もし、僕が有名なスターシェフだったり、ここがビジネス激戦区でなければ、固定のメニューをなくして、(残飯を使った)日替わりメニューだけでやっていく、というのもできたかもしれないけれどね」とパシェミック。だが、それは危ない綱渡りだと判断したようだ。

160308_heaps-saucy_04Photo by Hayato Takahashi

ケータリングでは、顧客の要望に合わせておいしいと思うものを一緒に作るカスタムメイド(オーダーメイド)形式でメニューを決める一方で、レストランでは、ケータリングで余った食材を使い、Saucy by Natureならではのおいしいを提案する。店内のキッチンを兼用しているのは、その異なる二つのビジネススタイルを同時に実現するためだ。

たとえば、ケータリングで余った葉野菜は、レストランの日替わりハンバーガーやサンドイッチに。その他に、野菜や果物も、日替わりスープやデザートに使う、という循環システム。冷蔵庫の中にあるものを、上手く使い切る知恵はまるで「お母さん」。これにより、一切の食材をムダにしないという。

本当に食材の廃棄率はゼロなのかと執拗に問うも、彼はYESと言い切る。というのも、最後に残ってしまった食材はすべて寄付しているため、実現できているのだそう。

フードバンクのような非営利団体と提携して「寄付」という手堅い手段を最後に用意しているところはさすが、抜かりナシ。「#zerowaste(ムダをなくそう)」というミッションへの本気っぷりが伺える。

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