戦後と震災とアニメ。

ひろゆき日記@オープンSNS

今回は西村博之さんのブログ『ひろゆき日記@オープンSNS。』からご寄稿いただきました。

戦後と震災とアニメ。

昨今の世界不況で、“質は良いけど価格が高い”という日本の製品は、“質は良くないけど安い”という製品に押されて、あまり売れなくなってしまいました。

日本は、エネルギーやら素材やらを輸入しないと自活できない国なので、自動車やハイテク機器などを世界中に売って生活を維持していました。
ところが、生活を維持する仕組みが崩れ始めているんですね。

そんな状況ですが、国内の政治の問題やら、マスコミの問題やら、下流食いの業界やら、と、縮小する日本の中でのポジション争いをしているように見えます。

イスがどんどん減ってるのに、イスを取る速さばかりを研究してるイス取りゲームをしてるように見えます。
そろそろ、大勢の人が安心して座れるイスを増やさなきゃいけないんじゃないの? とか思ったりもするわけです。

ちなみに、自動車のホンダや、家電のソニーは戦後の日本に何もなかったときに生まれました。
戦争が終わった後の日本は、政治も混乱して、経済は壊滅して、外国人が進駐した時代ですが、戦後の日本を引っ張って行く自動車業界や家電業界が生まれたのですね。

さて、今の日本からは、そういった産業が生まれる余地があるんでしょうか?

物理的な機械やモノや食品を作るのは、安い人件費で広い国土の国には適わないことがわかってきました。

土地が広くて、いくらでも工場が作れて、安く働く人がいる国の作る安価な製品と、国土も狭く、国民一人当たりの所得が高い日本の作る製品では、価格競争では適いません。

中東やロシアや南米のように石油やレアメタルなどの資源を売るという手段も考えられますが、日本の埋蔵資源は国土の狭さと、採掘コストの高さから、他の国に輸出できるほどではないです。

ギリシアやフランスやハワイのように観光資源という他の国が提供できない資源で外貨を稼いでいる国もあります。

日本は独自の文化を持ってるので、観光資源では競争力がありました。
なので、一昨年、旅行業務取扱管理者の資格を取ったりしました。
しかし、昨今の地震の多さと放射線の問題と滞在費用の高さから、海外の観光客は減ってしまいました。

そんなわけで、残っている資源は人的資源です。
医薬品、化学、青色LEDのような発明の特許、ハリウッドに代表される映像業界、出版、音楽産業、IT産業、ゲーム業界などがあげられます。

幸い、日本は教育レベルの高さや独自の文化圏によるセンスなどで、海外でも競争力があったりします。

人的資源の中で、大きな割合を占める“映像・出版・音楽・ゲーム”などのコンテンツ市場がどんなもんかというと、、、

2005年の数字ですが、コンテンツの市場規模は、アメリカは37.4兆円、次いで日本が10.6兆円。
アメリカは、海外市場に17.8%輸出されているので、アメリカ国外で6.65兆円を売り上げているわけです。
日本のコンテンツの海外向けの輸出額は、わずか1.9%なので、日本国外からの売り上げは200億円です。

GDPに対する比率では、日本は2.1%、これに対して、アメリカ3.0%、イギリス3.0%、台湾2.8%で、国の経済規模に比べて、日本のコンテンツ産業の市場規模が相対的に低い水準です。

出典:コンテンツ産業振興の政策動向と課題
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200805_688/068804.pdf

昨今の韓流ブームのように、コンテンツを海外に輸出するというのは、各国が意識しはじめてるわけですね。

日本は東京圏という世界で一番大きな都市圏を持っているので、サブカルチャーの市場が大きく、進化も早いです。
そこで、世界には、日本のコンテンツが好きな人が大勢いたりします。

フランスでは、『Japan Expo』というイベントがあって、ヨーロッパ中から日本の文化が好きな人が19万人集まるイベントがあったりします。
http://nihongo.japan-expo.com/index.php?page=948

アメリカでは、12万人が集まる『Anime Expo』を筆頭に、アメリカ国内で500を超えるのアニメのコンベンションがあったりします。
http://animecons.com/events/

物理的なモノと違って、インターネット経由でのコンテンツ輸出は、時間もコストもかからないので、劇的に成長する可能性があります。

ということ、IT業界でコンテンツを輸出するという仕事は、日本にとって重要な産業になるかなぁと思っている今日このごろで、今年の8月までで、地球を5周できるぐらい飛行機に乗りましたよ、、、と。

この記事は西村博之さんのブログ『ひろゆき日記@オープンSNS。』からご寄稿いただきました。

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