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少子化の原因が分かったので対策書く/書籍『失敗すれば即終了』の補足(デマこい!)

賃金が安い地域では、資本集約的な産業に転換するメリットがない。機械を使うよりも、労働者を使うほうが安上がりだからだ。そのため労働集約的な経済から脱出することが難しくなる。

また一方で、子供の少ない親ほど子供1人あたりの教育的投資を増やす傾向があることが知られている(グレゴリー・クラーク(2009)下巻p156)。このことを鑑みると、「日本型」の国々は少子化を経験したからこそ、経済発展ができたのかもしれない……と、考えることもできる。

つまり、まず乳児死亡率の低下により、合計特殊出生率が下がった。子供が減ったことで、子供1人あたりの投資が増え、彼らの教育水準が向上した。それが賃金の増大をもたらし、資本集約的な産業への転換をうながしたのかもしれない。このシナリオなら、「日本型」の国々の経験をうまく説明できる。

少子化の原因として名前が挙がるものの多くは、じつは少子化の結果かもしれない。たとえば女性の社会進出だ。日本で女性の労働力率や大学入学率が上昇するのは、少子化社会への転換が完了した後だ。つまり、生涯に生むべき子供の数が減ったからこそ、彼女たちは労働や勉学に時間を割けるようになったのだ。

正しい原因とメカニズムが分かれば、適切な対策を取れる。細菌が発見され、伝染のメカニズムが分かったからこそ、私たちは病気を予防できるようになった。少子化も同じだ。日本政府は90年代半ばから、約20年も少子化対策に取り組んできた。しかし、目立った成果は上がっていない。これは、原因が分からないまま闇雲に手を打っているからだろう。少子化の正しいメカニズムを突き止めれば、効果的な対策を打てるようになるはずだ。

【お知らせ】著者のブログ「デマこい!」が書籍になりました!

少子化の原因が分かったので対策書く/書籍『失敗すれば即終了』の補足(デマこい!)

タイトルは『失敗すれば即終了!』です。
過去の人気記事に大幅な加筆修正をしてまとめました。

付録:アジア諸国の合計特殊出生率の推移

▼「日本型」の国々(日本以外の6ヵ国)

少子化の原因が分かったので対策書く/書籍『失敗すれば即終了』の補足(デマこい!)

(1)インドは典型的な「日本型」だ。日本よりも長い時間がかかっているが、グラフの形状はよく似ている。

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(2)インドネシアも比較的綺麗な「日本型」の形状になっている。1人あたりGDPを見ると、1997年のアジア通貨危機の影響がくっきり。だが、所得が下がっても合計特殊出生率には影響していない。

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(3)グラフ全体を見れば、タイも「日本型」と言っていいだろう。タイやインドネシアでは、グラフの最初のほうが「パキスタン型」になっている。経済発展と乳児死亡率の低下が同時に進み、その後、合計特殊出生率が低下するという動きだ。

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(4)バングラデシュは、1人あたりGDPの最初のほうがランダムな動きをしている。また現在でも、1958年の日本の所得水準よりもずっと貧しく、1人あたりGDPは半分程度という点に注目したい。

少子化の原因が分かったので対策書く/書籍『失敗すれば即終了』の補足(デマこい!)

(5)ベトナムは、バングラディシュと同じく1人あたりGDPのグラフの初期状態がランダムな動きをしていた。また、乳児死亡率が昔から低めだったことも特徴だ。

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(6)マレーシアは乳児死亡率のグラフがやや変則的な形状になっている。合計特殊出生率3.5ぐらいで低下が一度止まり、その後、再び下落に転じるという動きだ。モデル(α)-2とモデル(α)-1を組み合わせたような動きになっている。

▼「パキスタン型」の国々(3ヵ国)

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