世帯年収によって得られる情報に格差 「デジタル・ディバイド」が浮き彫りに
総務省は2011年8月に発表した「情報通信白書 平成23年度版」で、所属世帯年収が大きいほどインターネットの利用率が増加する「デジタル・ディバイド」(情報格差)が存在するとしている。同書によれば、所属世帯年収「2000万円以上」の層のインターネット利用率が90.6%であるのに対し、「200万円未満」の層のインターネット利用率は63.1%にすぎない。
「デジタル・ディバイド」とは、インターネットやパソコンといった情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる情報格差をいう。インターネットを利用するかしないかには、その人の年齢や住んでいる地域、性別、世帯収入などさまざまな要因がある。最も大きな要因は「年齢」だが、次が「世帯収入」で、所得の格差が情報格差に大きな影響を及ぼしていることが分かる。
また、総務省が2007年に発表した「我が国におけるICT 利活用の進展に伴う情報力格差に関する調査」によると、インターネットを利用して情報にアクセスできる人は、情報にアクセスする手段を持たない人に比べ、経済的に高い効用を得ることができる可能性が高いという。つまり、情報にアクセスする手段を持たない人は、情報にアクセスできれば得られたはずの経済的な効用を得ることができず、さらに所得が低くなるという、いわば負のスパイラルに陥る可能性が考えられるのだ。
すでに国民の7割以上がインターネットを利用している日本で、インターネットにアクセスできないことによるさらなる格差の広がりが懸念される。
(中村真里江)
◇関連サイト
・総務省 情報通信白書平成23年度版
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/index.html
・「我が国におけるICT 利活用の進展に伴う情報力格差に関する調査」報告書
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/linkdata/other013_200707_hokoku.pdf
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