リゾットの米はなぜ洗ってはいけないの?

米を生のまま炒めて野菜や魚介のだしが溶け込んだスープで炊き上げるリゾットは、日本人にとってはイタリア版「おじや」ともいうべき料理。ただし、やさしい食感のおじやとは違い、粘りを出さず、米の芯をほんの少し残すのが本場のお作法です。
なぜ生米から作るの?
日本人にとって米は「洗ってから炊く」が常識ですが、リゾットを作るときは生米の状態から炒め始めます。これは粘りを出さないようにするため。洗った米はたくさん水を吸収するため、粘りのもとであるデンプンが糊化しやすくなり、粘り気が出てしまいます。洗わずに生米のまま炒めると、タンパク質が変性して表面に層ができます。これによってだし汁の侵入が最小限に抑えられるため、やや固めな「アルデンテ」の食感に仕上がるというわけです。
熱いスープを加える理由
正しいリゾットを作るためのもうひとつのコツは、チキンブイヨンなどのスープは必ず熱い状態で加えることです。高温のスープで煮ると、米の表面のタンパク質がすみやかに変質して固まるため、内部のデンプンが封じ込められます。これも粘りを抑えるための一工夫。スープが冷たいと温度が上がるまでに時間がかかってしまうため、デンプンがスープに溶け出し、全体に粘り気が出てしまいます。
スープは一気に注がず、数回にわけて加える
リゾットのスープは一度に全部注がず、数回にわけて加えていくのが常識です。スープを一気に注ぐと米粒同士が対流してぶつかり合うため、内部のデンプンが流れ出してしまいます。4~5回にわけて少しずつ加えることで、米粒同士の衝突と割れを防ぐのです。
いずれのコツも米から「粘り気」を出さないための工夫です。おじやとはひと味違う、やや固めのリゾットらしい食感を楽しむためには、これらの3つのポイントをしっかり守って作りましょう。
参考文献:『料理 なぜそうすると美味しくなるの?』 服部幸應/監修 河出書房新社
おすすめのレシピ
ryorisapuri.jp
ryorisapuri.jp
ryorisapuri.jp
ryorisapuri.jp
ryorisapuri.jp
スキマ時間にどうぞ!

【美味しいレシピと出会うなら】のゼクシィキッチンがお届けする公式チャンネル。食材や料理に関する豆知識や情報を毎日配信!
ウェブサイト: https://zexy-kitchen.net/columns
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。