体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]

「あと1発の事故は絶対に起こしてはいけない」 孫正義×堀義人 対談全文書き起こし(8)

: (高速増殖原型炉)「もんじゅ」のことを言っているのか。

: 違います。

: 「もんじゅ」だってプルサーマルだってまだ問題だらけだというのが僕の認識。

: この「もんじゅ」の問題も、当事者から話を聞くとナトリウム事故が起こっても海外ではあんなに10年間も止まらないですよ。それは多くの人たちが、「それが問題だ問題だ」と騒ぐことによって大きな問題になってしまっていることが僕の見解。

: それは僕にもわからない。それはどっちが正しいかわからない。少なくとも海外では「もんじゅ」的な方式はみんなもう諦めて「止めた」と。

: いや、そんなことはない。現時点でロシアで、(「もんじゅ」と)高速増殖炉は動いていまして。地域に対して電力を共有しています。

: 少なくともアメリカだなんだというところは、その研究開発を止めたというのが僕の認識。ロシアがどういう方針でどうやってるか、僕にはわかりません。もう一回確認しますと、少なくとも日本の東芝だ日立だというのがガンガン海外に輸出していきたいと。これに対してもう少しよく安全性だ、最終処理だというのを検討したらどうですか、ということについて、その議論がけしからん議論だと僕は思わない。その議論はそれはそれでしっかりしながら、少なくとも十分に反省してというのが今日の冒頭にもあったけど、十分に反省するならば、自分がまだ解決していないものを人に売りつけることに対してどうなのか。そういうことが僕にはわからないということです。

: 最終処理に関して、すでに法律もできていて地層に関する研究もすでに行われています。

: でもまだできていないじゃない。研究はしているけど、できていないじゃない。

: まだできていないです。

: できていないのが事実で、できてからその点については解決しましたというなら、まだ僕は聞く耳を持つと。できていないのに「まだ大丈夫だ」「もう大丈夫だ」ということで、無軌道にどんどん増やすということについては、まだ議論が僕は必要だと思う。

■外国が「原子力がほしい」と言うのを反対するのは内政干渉?

: いま無いとしても、例えばフィンランドやスウェーデンとかの地域については、もうすでに決まっているところもある。そういった意味で、それこそ内政干渉のようなもので、例えばトルコが「原子力がほしい。プラントがほしい」と言ったときに、なぜ孫さんがそれを反対するのですか。

諸外国に原発を売って「罪作りなことをしていないか」

: 僕はそこ自体を反対しているわけじゃない。その国の内政干渉を、その国の外の人があまり干渉するべきではないというのが、僕の基本的スタンス。最終的にはその国の人たちが自分で判断して決めるべきだ。

 ただ、日本で原発の事故を起こしてそれに関わっていた会社が、日本の会社が日本のブランドを背負って他の途上国だなんだというところに、政府あげてバンバン売りに行くことが、ひょっとしたら後で恨まれるかもしれないよということについて、これは慎重に議論をするべきだというふうに僕は思っている。それはいま、全面的にそれを「ストップせい」とまでは断定的には言いません。だけど、少なくともこれだけの事故を起こした今の局面は、もう一回立ち止まって、本当に我々は罪作りなことをしていないかということを。その国がどっか他の国から買ってきて、あるいは自ら作ってということなら、それは内政干渉をしてはいけないと思いますが、民間企業が作ったものを、国民の税金を使って生きている我々の国の政府の人たちが、販売エージェント、代理店のようなかたちで海外に売りに行くということはいささか疑問がある。

: その国がどこかほかの国から買ってきて、あるいは自らが作ってというのは、それはその中での内政干渉をしてはいけないと思いますが、我々の国の政府が、我々の民間企業が作ったものを、政府が販売エージェントのような形で、国民の税金を使って生きている政府の人たちが、販売エージェント、代理店のような行為で、海外に売りに行くということについてはいささか疑問がある、と僕は言っている。

: 菅さんが・・・。

: 菅さんもそうだし、その前の自民党の人もそうだし。ずっと関わってきた人たちみんな、少なくともこの事故が起きたあとは、おおいに反省して、少なくとも1回立ち止まって議論すべきでしょう。十分に議論して、その上で国民が「大いに言ってこい」と喜んで送り出すならば、国民の税金を使った彼らが販売代理店業務をやるのは構わない。もし国民がそれをよしとするならば。

 だけど少なくとも1回その議論が必要じゃないか。そのまま輸出しないと日本のGDPが下がるということについては「ちょっと待ってくれ」と。原発1基で何十億ですか。毎年何基売れるんですか。GDPに占める比率は微々たるもので、それは今回の事故で起きたマイナスの影響に比べれば微々たるものだ。

: 僕が言っているのは、社会貢献ということに関していうと「同じじゃないか」という話をしているんですが、孫さんは「違う」と。政府に関しては、基本的に社会の価値を創造して、ニーズがあるから行うわけであって、安全な最新のテクノロジーを投入していくことは、僕はいいことじゃないかと。

: 僕はもしかしたら、それは、かの国に求められて、なおかつ、送りだす日本国民も「大いに行ってこい」という最終議論になって、結果あとあと、ずっと100年、200年後に振り返ってみて、確かに一度も事故が起きなかったと、その国の人にもずっと感謝されたということであれば。しかも最終処理まで立派にできたということであれば、結果、それは大いなる貢献だったかもしれないと。でも、それを何の議論もなしに「1回契約してしまったからバンバン行こうぜ」というのは、少し乱暴じゃないか。

: 願わくば、貢献。

: 僕もそう願いたい。

■「ピーク時の原発依存度は20%。今22%節電できてるから…」

前のページ 1 2 3 4 5次のページ
ニコニコニュースの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。