自分のせいでないのに怒られたときの穏当な言い返し方

f:id:kensukesuzuki:20140811170109j:plainこんにちは。ココロ社です。

昼はサラリーマン、夜はブロガー、ときどき本を出しています。主著は『マイナス思考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』です。

サラリーマン生活に限ったことではありませんが、生きていると、自分に落ち度はないと思っているのに、自分のせいにされてしまうことがときどきあります。

たとえば、責任者が誰だか誰も知らないようなタスク。問題点を発見したので上司に相談したら、あたかも責任者であるような扱いを受けて、「よかれと思って相談したのになんで怒られるの……」と思った経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

また、責任者のミスのリカバリーを手伝っているうちに、なぜだか糾弾されてしまうことも長い人生で一度や二度や三度や四度くらいはあるかもしれません。

ひどい場合は、「キミに言ってもしょうがないんだけどさ~」と、無罪であることを宣言しながらも怒りをぶつけてくるアブノーマルな上司様もまれに存在しますが、ノーマルな上司様も、部下の仕事のすべてを把握しているわけではないので、判断を誤り、特に悪くもないのに怒ったりすることがあるものです。

すぐ「自分のせいではありません!」と言い返すのはリスクが伴う

自分に落ち度がないと思っているのに怒られたとき、残念なことですが、率直に「自分のせいではありません!」と言い返すのはリスクを伴います。 なぜかというと、次のように思われる恐れがあるからです。

実は、自分のせいなのかもしれない

単純に自分が判断ミスをしているかもしれません。自分のことは自分がいちばんかわいいので、誤った判断をしがち。「やはり自分が悪かった」という可能性も十分にありますが、そうだとしたらミスを認めない人と思われてしまいます。

「他人のせいにする人」と思われる

自分のせいでなかった場合でも、必ず疑惑を晴らすことができるという自信があればよいのですが、もし「自分のせいでない」ことを説得するのに失敗してしまったらどうなるでしょうか。「ミスをおかした挙句、他人のせいにする人」という、最悪の評価を受けてしまうかもしれません。

「どうでもいい話をするな」と思われる

仮に自分に責任はなかったとしても、上司が「どうすれば事態が改善できるのか」の話をしているときに、「自分は悪くない」とアピールされても「そんな話はどうでもいいから仕事をしてほしい」と思うことでしょう。

このため、小さな問題については、責任はないが責任をとり、釈然としないがひとまず謝っておくという手もなくはないです。「小さなミスをするが素直に謝る人」という、それなりに美しい誤解をしてもらえるからです。

あくまでスマートに無罪を主張しよう

ただ、大きな問題については「素直に謝ったものの、大きなミスをする人」と思われてしまうとダメージは大きいです。「悪い人ではないが無能」と思われると、さすがに未来に暗雲が立ちこめるので、穏当に名誉回復に努めておきたいところです。

【方法1】リカバリー策のなかに責任の所在がわかる文言を混ぜる

「申し訳ありません。取り急ぎ、○○さんに修正と、△△さんにチェックをお願いして再提出させていただきます」

リカバリー策を講じる中で、いままで誰が何をしていたかを把握してもらえる状態にしておけば、そもそも自分のせいでこうなったのではないと理解してもらえます。かつ、犯人捜しに奔走していないので前向きな提案になります。

【方法2】自分に「も」至らない点があったと謝る

「申し訳ありません。わたしの方でも十分に確認しておらず……任せっきりにせず、次回からは自分でも確認するようにします」

自分に落ち度があまりなかったとしても、もし機転が利いていたなら、通常よりも多くの工程を確保しておけば、ミスが防げたかもしれません……という意味では、反省する必要があるはずです。この場合でも、あくまでも次はどうするかの話に混ぜておかないと、この期に及んで自己弁護かと思われてしまう危険性があります。

【方法3】「今後のために確認させてください」

「今後、タスクに漏れがあると同じことが起きてしまうと思うので、担当者それぞれのタスクを今一度確認させてください」

あくまで前向きに、今度から誰がどうすればいいのかを確認します。その中で、本来なすべきことをなさなかったのは誰かを明らかにすることになるので、自分の無罪が証明できる、という寸法です。

意外にも有罪が証明されてしまう可能性もありますが、そのときは反省するしかありません。

* *

「自分が100%悪くない」ことに絶対の自信があるのなら、堂々と言い返しても問題ありませんが、仕事というものはチームでするもので、その一員である自分にまったく落ち度がないということはまずありません。

納得のいかないことがあっても、あくまでソフトに「犯人捜しに熱中して生産性を下げるつもりはないし、自分にも落ち度がなかったとはいえ、そこまではやっていないです」という主旨で認識を改めていただくのが最適解といえるでしょう。

著者:ココロ社 (id:kokorosha)

ココロ社 (id:kokorosha)

大阪生まれ。東大文学部卒業後、テレビゲーム製作を経て平凡な窓際サラリーマンとなる。傍らで珍妙なブログ「ココロ社」を運営。書籍の執筆もしており、著書に『マイナス思考法講座』(阪急コミュニケーションズ)『モテる小説』(阪急コミュニケーションズ)『忍耐力養成ドリル』(技術評論社)など。好きな犬はヨークシャテリア。

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