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「東電批判したら経産省から圧力」渦中の古賀茂明氏『日本中枢を再生させる勉強会』講演テキスト起こし

これから審議が行われますので、ぜひ国会の場では、これを大幅に修正ないし作り直しをしていただいたほうがいいんじゃないかという風に思います。いくつかのポイントはありますが、1つは東電に支払いをさせるのか政府なのかという議論がずっと行われておりますけど、被災者からみればどっちでもいいので早く払ってくれということだと思いますので、私はこの紙では国と東電の連帯債務にとりあえずして、それでどちらに責任があるかというのは、東電も政府もあとでゆっくり調整をしていくという仕組みにしたらどうだと申し上げております。

いずれにしても今東電を叩けばいいという風潮が広がっていますが、これは政府の中から見る、あるいは経産省にいるとよくわかりますけれども東電を徹底的に悪者にするということによって政府の責任をかすませる、ということをやっているのは非常に明らかだと思いますので、あまりそこに惑わせないように。とにかく視点の中心は被災者だということ考えが1つ重要なことです。

東電の法的整理

それからもう1つ、東電は破綻処理をするかどうか、法的整理をするかどうかということが議論になっています。法的整理をするかどうかというのは東電を潰してしまえというそういうレベルの議論ではなく、国民負担をどれだけ小さくできるかという観点それだけです。要するに今の政府の案では、株主の責任は問いません。ですから引き続き同じような権限を持ち続けるというようなことになります。私の考え方で法的整理すれば、株主の責任を100%問います。JALのときも同じです。JALのときも株は紙切れになりました。大混乱に陥ると言われましたが何の問題もありませんでした。今回もこれをしっかりやる。そうすると株式資本は1.6兆円今ありますので、1.6兆円分は国民負担で株をもちます。

それからもう1つ、通常の企業でお金払えないと言ったら、起きることは銀行の債権はカットするということになります。今、有利子負債が4兆弱ありますので、これをカットする比率によりますけど、例えばJALの場合は8割以上カットされました。しかもJALの場合社債までカットしてるんですけども、今回は技術的なことですけど、電気事業法で社債は一旦担保付き債券ということになっていて、保護されてしまいます。それはカットできませんが、社債を除いて4兆ぐらいの金融機関からの融資を行いますので8割カットすれば3兆ぐらい確保できる、5割カットすれば2兆確保できる。その分、国民負担が減ります。普通に法的処理をすると国民負担は3兆から4兆確実に減るということです。今の政府案では3兆から4兆、株主と銀行を保護するためのコストを国民に税金ないし料金負担で上乗せをしている。これは非常に長期に渡って利益のなかからちょっとずつ取りますというような形を法案上はとることによって目立たなくしている形であります。

ここは1つ大きなマジックがあります。料金の値上げはしない、厳しく利益から削り取るという風に言っています。しかし、日本の電力料金の決め方というのは総括原価方式というのになってまして、かかったコストというのは丸々電気料金にのせられる。コストプラス適正な利潤という考え方でできるということがわかっています。適正な利潤の算出ですが、実はコストに一定の比率をかけるということを致しております。つまり、利益を増やすためにはコストを増やすことが一番の近道という構造です。普通の企業とはまったく逆です。普通の企業はコストを減らすことによって利益が増える。電力会社はコストを増やすことによって利益が増える。つまり、電力会社は利益から負担をさせますよ。といえるのは何をするかというと、コストを増やしてその分利益を水増しするということです。あるいは、今ジャブジャブのコスト構造になっているはずですけど、ジャブジャブの構造になっている利益とういものを、本来は査定をすると大幅な電力料金値下げということができるはずなんですが、それをしないで余裕をもったままにしておいて、本来下げるべき料金を下げないで経費の中から負担をしています。という形を作ることが起きるだけですので、やはり国民負担になってくる、しかも国民負担から株主と銀行の債権を守るという部分だけ上乗せされた形になっていくということです。

この法案のもう1つの非常に大きな問題は、基本的にすべて東電が悪者になるということをアピールするための法案ですので、20年でも30年でもこの事故を起こした責任という十字架を背負わせて、ずっと儲からない会社で儲けても全部借金の返済のためにあてられるという風な、非常に暗いゾンビ企業になっていくということです。東電は日本の経済の中枢の首都圏を担当している会社ですので、本来は日本経済の発展の中心になるべく首都圏の電力市場、これを支える中心的企業が何十年かゾンビ企業であるという選択をしています。

日本のエネルギー産業を進化させる最後のチャンス

実は成長戦略では、日本のエネルギー産業というのはどんどん伸びていくはずの期待される分野になっています。それは、当然のことながらホームプレイヤーとなる電力会社が電気にいろんな設備投資をして、特にスマートグリッドというものをどんどん展開し、再生可能エネルギーがどんどん発展し、それによってそこに日本の技術とういうのはそういう分野で非常に進んでいますから、そこのフロントランナーになってそれをもって世界のスマートグリッド市場に出て行く。そういう戦略であります。ところが、この復興法案のような選択をすれば、それの一番中心的になるはずの東京電力がそういう余力がいっさいない企業になっていく。スマートグリッドの発展というのが特に非常に遅れていくと思います。

日本は最先端にどんどんいけるはずなんです。ここ10年ぐらい若手の連中はそれらをすぐやりたいということで色んなアイディアを出してきたわけですけども、発送電分離につながることを懸念する電力会社に強硬な反対によってすべて潰されてきた。ですから私は若い人たちと話していてそこまでいうのは驚いたのですが、彼らが言うには「古賀さんやめないでください。東京電力をとにかく解体してください。そうでなければ日本のスマートグリッドは絶対に進みません。今回が最後のチャンスです。」ということを非常に強く訴えていました。結局、改革の大きなチャンスであるのに、この法案でですね、この法案が通ったから発送電分離ができないというわけではありませんなんて理屈はいってますが基本的には今の仕組みの温存する方法でいくことは確実だと思います。ということで、非常に大きな問題を抱えた法案だと思いますので、ぜひこの点について国会で真剣なる議論していただいて、根本的な議論をしたうえで決断していただきたい。

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