古代ギリシャでオリンピック選手たちも食べたケーキは?
2020年東京オリンピックが近づいてきていますが、紀元前776年、記念すべき第1回オリンピックの期間中に、選手に供された「ケーキ」とは何だと思いますか?
それはチーズケーキ。もちろんはるか昔のことですから、現在のチーズケーキとは味も形も異なるもの。ギリシャで生まれた「トリヨン」というプディング風のチーズケーキが選手たちにふるまわれたという記録が残っています。古代ギリシャの遊牧民の暮らしの中からチーズが生まれ、それがチーズケーキに発展したのでしょう。
チーズケーキの原型はポーランド菓子
私たちが知っているチーズケーキの原型となったのは、中世ポーランドに伝わる白チーズとカスタードクリームを混ぜて焼いた「セルニク」という地方菓子。これが他の地方へと伝わり、さらに移民によってアメリカ大陸へ伝わり、ニューヨークの乳製品加工業者が偶然作り出したクリームチーズが使われるようになったことでバリエーションが一気に広がっていきます。
サブレ生地などの上にマスカルポーネなどのチーズと砂糖、卵、生クリームをあわせたものを流し込み、オーブンで焼いたベイクドチーズケーキ。クリームチーズに、生クリームを混ぜて冷やし固めたレアチーズケーキ。クリームチーズにメレンゲを加えて湯せん焼きにしたチーズスフレ。フレッシュチーズにメレンゲと生クリーム、砂糖を加えて作るふんわり食感のクレーム・アンジェ。いまではいろんなかたちで多くの国々で親しまれています。
日本のチーズケーキはドイツ風のアレンジ
日本のチーズケーキに影響を与えたのは、ドイツの「ケーゼクーヘン」だと言われています。これはドイツの家庭で昔から作られている伝統的なケーキで、クワルクというフレッシュチーズにカスタードクリームを混ぜ込んで作るのが特徴。カスタードチーズケーキとも呼ばれます。こってり濃厚なもの、爽やか風味、ふわふわ食感のもの、焼くタイプ、冷やし固めるタイプ、湯せんタイプと、こんなにもさまざまなバリエーションを持つケーキは他にないでしょう。
甘いケーキは苦手だという男性でも、チーズケーキなら食べられるという人は意外といるもの。他のケーキ類とはちょっと違うバックグラウンドを持つチーズケーキ、ぜひいろいろ食べ比べてみてください。
参考文献:『お菓子の由来物語』 猫井登 幻冬舎ルネッサンス/『おいしいスイーツの事典』成美堂出版
おすすめのレシピ
スキマ時間にどうぞ!

【美味しいレシピと出会うなら】のゼクシィキッチンがお届けする公式チャンネル。食材や料理に関する豆知識や情報を毎日配信!
ウェブサイト: https://zexy-kitchen.net/columns
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。