鳥獣戯画と並ぶ四大絵巻!「国宝 源氏物語絵巻」が10年ぶりに全場面一挙公開

紫式部の代表作 源氏物語は文学、歴史に詳しくなくとも誰もが知るところ。物語のシーンの絵画化は源氏物語が作られた間もなくおこなわれていたとみられていますが、それらは現在には伝わっておらず、源氏物語を絵画化した現存する最古の作品が国宝「源氏物語絵巻」です。
10巻程度の絵巻であったとみられる源氏物語絵巻は現在はその一部が残っており、名古屋の徳川美術館、東京の五島美術館、東京国立博物館に所蔵されています。これらの点在する源氏物語絵巻の全場面が一堂に公開される展覧会が名古屋の徳川美術館で開催されます。

展覧会「全点一挙公開 国宝 源氏物語絵巻」では徳川美術館所蔵の絵巻のほか、五島美術館、東京国立博物館それぞれに所蔵されている絵巻も大集合。しかも全場面が一挙公開されるのは10年ぶりとのこと。
徳川美術館所蔵のうち15場面は保存修復が行われ、修復後としては初の公開となります。展覧会ではこのほか江戸時代から現在に至るまでの源氏物語絵巻の模写の歴史が紹介されます。


源氏物語絵巻は人気の鳥獣人物戯画と並び日本四大絵巻(他は伴大納言絵詞、信貴山縁起絵巻)とも呼ばれ、歴史的にもアートの観点からもとても魅力的な作品。


そして本日NHKニュースによる報道によると、源氏物語絵巻の新たな真実がわかったそうです。徳川美術館の赤外線での調査から、絵の下に複数の下描きが鮮明に残されていることが分かり、絵巻の制作過程を解明する手がかりになるのではとのこと。
現存する4巻のうち3巻を所蔵する名古屋市の徳川美術館では、絵巻の修復に伴い、赤外線を使って詳細な調査を行った結果、絵の下に残された墨で描かれた複数の下描きを鮮明に撮影することに成功しました。
「源氏物語絵巻」絵の下に複数の下描き NHKニュース
新たな発見のあった国宝「源氏物語絵巻」が一堂に公開される「全点一挙公開 国宝 源氏物語絵巻」は名古屋市 徳川美術館で2015年11月14日(土)~12月6日(日)まで公開です。
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