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永井豪先生“ぶっちゃけ”1万字インタビュー 『サイボーグ009 vs デビルマン』上映記念

永井豪: そうですねえ……。多分、アモンのエネルギーってのはめちゃくちゃ凄いんで、やっぱり暴れたくなるんだろうなあ、とは思いますけどね。かといって僕は生き物殺したりはそんな好きではないので、(笑)人殺しも人に暴力振るうのも好きじゃないんですけれども……。相手がバケモンだったら、やれるかな(笑)

― サイボーグの中で、手に入れたい能力はありますか?

永井豪: いやあ、やっぱり、あの中では(009の)加速装置が一番いいかなあ。気づかれずに悪いことできるかな(笑)誰にも見つからずに!

― そっちに使うんですか!さらに筆が速くなるとかじゃなくて?!

永井豪: それもあるか!(笑)

― 現在執筆されているのは『激マン!マジンガーZ編』ですが、今後の執筆構想とかございますか?

永井豪: 僕的には、ハレンチ学園編とかやりたいんだけど、やらせてもらえるかな(笑)。あの頃、色々もみくちゃにされてましたから。PTAとかにらまれたり、色々(週刊誌なんかに)書かれたりしてたから。

― 今だから書けることとかありそうですよね。

永井豪: たくさんありますね。

― 当時マスコミに人格否定されたりとかしたとも伺いました。

永井豪: それもありましたしね。それはそれで「あ、こういうのもいいな」って思ってたりね。当初はすごくアタマ来たりするんですけれども、「こういうのも逆に、キャラとして残りやすいかな」と。とにかくね、足跡(そくせき)残したいという。

― キャラとして、というのは

永井豪: 永井豪というキャラが、こういうめちゃくちゃなヤツだ、っていうね。それも面白えかな、っていう。

― 俯瞰して、ご自身をキャラとして見ていた。

永井豪: そうそう!そうですね!開き直って。だから、どれだけ叩かれても平気だったというのがありますね。真剣に俯瞰できなかったら、もう、どうのこうのって騒ぎを起こしていたかもしれないけど、そういうこと全然考えないっていう。

『ハレンチ学園』を執筆して総バッシング、“変態”の烙印

― 40年、50年経ちますが、振り返って当時の事は。

永井豪: 生々しいけど、面白かったな、と。だから、面白く描けるかなあと思ってます。(笑)
よく、23、4歳でああいう風に俯瞰した物事見れたなあと思うんですけれども、その分、どこか大人の部分と無邪気な子供の部分と両方あったのかなと。

― 23、4歳で世間から総バッシング!

永井豪: あることない事、書かれたりね。「うわー。これ面白いぞ」って(笑)。ひどいなあと思う反面、面白いなあと思う自分も居るという。すごく不思議だったですけど。

― あることない事、無い事ってどんなこと言われちゃうんですか?

永井豪: もうね“変態”にされちゃうんだよね。知らないで入ったお店のマスターがたまたまね、オカマの人だった、ってことがあって。一緒に言った方がそのことを面白おかしく伝えちゃって。そしたら、すっかりそっちのヒト、みたいな(笑)。

今ではそっち(ゲイやニューハーフ)の人たちも表舞台にたくさん出てそういうのもアリなんだ、ってことになってますけど、僕らの時代にはそれは、即、変態、変質者、って見られ方をしていましたから。そういうのもキャラクターとして(両性具有である)飛鳥了につながっていったのかもしれないなと。

― そのころに経験した「人間って寄ってたかるとろくなことが無いな」という経験が、デビルマンにもつながってたりするんですか?

永井豪: そうだね。多分。根底にそれはあったと思いますね。人間て結局“多数派になりたい”というのがありますよね。だからあの、マスコミが持ち上げてくれるときは、みんな「わー」ってなるけど、誰か叩きだすと「それー!」って叩きだすし!(笑)

それいまだに繰り返しているし、それはそれで、そういうもんだろうなと思うし、それが人間なんだろうなと思う。思いつつも、それを乗り越えられる人じゃないと残っていかないんだろうな、というのも事実だね。

― 行き着くところまで描き切りたい、という当時の情熱は今でも?

永井豪: 変わってないと思いますね。

― ところで、ヒーローものの主人公って割と正義然としていてわかりやすいものが一般的かと思うのですが、石ノ森先生や永井先生が描かれる主人公は、ヒーローというよりは、少数派、マイノリティが多いなという印象です。

永井豪: そうですね。石森先生のサイボーグって、マイノリティだと思います。ことに、石森先生の場合は“被害者”ヒーローですよね。仮面ライダーに至っても、なりたくてなったわけではないんですよ、という。悪い奴らに無理やり改造されちゃったんだよ、っていうね。そういう被害者なんですよね。

― そうですよね。

永井豪: デビルマンはちょっと違って自分から「それならなるわ!」っていうことでなったんだけど、少数派、というところは一緒かなぁ。そういうところは一緒かもしれないなあ。

デビルマンはもう絶対書きたくない、と思っていた

― 先生の描かれる、少数派のヒーロー、また読んでみたいです。

永井豪: 今『ビッグコミック』でデビルマンをもう一回ということで、『デビルマンサーガ』を描いてるんです。「デビルマンはもう絶対描きたくない」と思ってたんです。やるとつらいのわかってたんで。

編集長に口説かれ口説かれましてね。「ゴジラだってハリウッド版があるじゃないですか」なんて言われて(笑)。「あれはハリウッドで別の人が作ってる。本人が書いたら、一緒になっちゃうから無理だ」って言ったんですが、「いや、そこは違うモノ描いてくれ」って。さらに「ビッグの読者はもう50代60代がかなり居ますから、昔のデビルマン読んでますから、それと一緒にならないようにしてください」って言われて(笑)。

それでしかも同じ作者に描け、というそういう酷な!(笑)

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記者:

「予備校生のような出で立ち」で写真撮影、被写体(スチル・動画)、記者などできる限りなんでも、体張る系。 「防水グッズを持って水をかけられるのが好き」などの特殊な性質がある。 好きなもの: 食べ物の写真、昔ゲーム(の音)、手作りアニメ、昭和、穀物

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