作家・高橋源一郎氏、文章上達には「他人に読んでもらうこと。恥ずかしいし、やる気になる」

明治学院大学教授の高橋源一郎氏

 作家で、明治学院大学教授の高橋源一郎氏は2011年5月21日、「勝間和代#デキビジ」(BSジャパン)の収録で、自身の大学での文章の指導方法ついて語った。高橋氏によると、文章を上達させるには、まず多くの人に読んでもらうこと、さらに読者は誰かを意識することが重要であるようだ。

 高橋氏は1981年に「さよなら、ギャングたち」で作家デビュー。「優雅で感傷的な日本野球」で三島由紀夫賞を受賞するなどし、2005年より明治学院大学教授に就任。大学では「文章教室」を開講し、学生に文章の書き方を直接指導している。

 高橋氏は、大学の授業での文章指導について「(まず学生に)課題を出し、文章を書いてもらう」「添削はしない」とした上で、

「出してもらった文章を、(受講生)みんなの前で当人に読んでもらう。それで『A君に書いてもらったこれってどうなんだろうね』と全員で考える」

 とし、さらに

「文章がうまくなる方法は決まっている。書いたものを人に読んでもらう。他人に読まれるのが一番。恥ずかしいし、やる気になる」

 と語った。

 また、これまで数多くのビジネス書を執筆してきた勝間氏が「文学から見てビジネス書は悪文の連続では」と問いかけた。これに対し、高橋氏は「文学の文章も(ビジネス書のような)それらの文章も目的はみんな一緒。『相手にどうやって伝えるか』ということがすべてなので、その場によって異なった文章になる」とした上で、

「(文章を書く)目的は、読者に読んでもらうこと。(学生に)文章を書かせる時、必ず言うのは『これは誰に読んでもらいたいの?』ということ。『僕に読んでもらいたいの? 友達なの? 見知らぬ誰か? それを頭に置いて書いて』と」

 と、語った。

◇関連サイト
・[ニコニコ生放送]高橋氏による文章指導についての発言から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv50230586?ref=news#25:20

(山下真史)

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