いま、IS01を想う。
ちょっと時代を先取りしすぎた端末。それがIS01。
5.0インチのタッチパネル、QWERTYキーボード、約527万画素のカメラ。
今となってはまあ普通のように思えるが、この端末は2010年に発売されたものだ。
初めてAndroidを搭載した携帯電話として、auから満を持して発表されたのだが、反応は薄かったように思う。
“ケータイ”と言えば3インチ前後の折りたたみ端末が主流で、
一応折りたたみではあるが5インチという大きさ、AndroidとかいうよくわからないOS。
いわゆるオタクな人々以外に飛びつく人はいなかった印象がある。
またこのIS01が不遇なのは、発売から半年も経たないうちに
「Android OS 2.1へのメジャーアップデートを断念した」という点である。
Android1.6なんて存在しなかったかのように、この端末は忘れ去られた。
ところが5年経ってみてどうだろう。
街を見渡せば皆スマートフォンを手にし、今や5インチの端末など当たり前である。
それどころか8インチ、10インチタブレットを手にしている人も多い。
“ケータイ”という言葉は“スマホ”という言葉に変わり、中学生でもiPhoneを持つ時代になった。
筆者はiPhone6とGalaxy note3をメインで使用しているが、いまだにIS01も使う。
アプリケーションはほとんど使えなくなってしまったが、それでもまだtwiccaやブラウザは動く。
ちょっとしたメモをするのにやはり物理キーボードがついている手頃な大きさというのは素晴らしい。
またワンセグ端末としてはこれ以上の良い端末はないと思う。
スマホでワンセグを見る時のようにスタンドがいらない。感度がいい。
東日本大震災の輪番停電のとき、家族で身を寄せ合いこのIS01でテレビを見ていた思い出もある。
メインの“ケータイ”とは別に、この端末を持っていて良かったと思うことがあまりに多かった。
OSもそうだが待受時間、メモリ、端末の重さ、メインディスプレイなどを
現在主流のスペックにして今また出してほしいと思える機種。
ただしこれを耳に当てて通話する勇気はまだない。
画像:筆者撮影
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(執筆者: quovadis) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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