ビタミンCはみかんの倍! 二日酔いにも効く「柿」の健康パワー
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
とは正岡子規による有名な一句。柿の味覚と鐘の音色があいまって、秋の風情をしみじみと感じたという意ですが、鮮やかに色づいた柿はまさに実りの秋の象徴。「柿が色づくと医者が青くなる」とさえ言われるほど、昔から栄養価の高い果物として知られてきました。
柿のビタミンCは柑橘類の2倍
ビタミンCといえばみかんやレモンなどの柑橘類がよく引き合いに出されますが、実は柿に含まれるビタミンCはみかんやいよかんといった柑橘類のなんと約2倍! 大きいものなら1個で1日分のビタミンC所要量が摂れるほど。この豊富なビタミンCと、ピーマンとほぼ同量含まれるカロテンとの相乗効果によって、肌荒れを防ぎ、免疫力を高めて丈夫な体を作ってくれます。
また、渋み成分であるタンニンには、アルコールを分解する働きがあることで有名。利尿作用を持つカリウムも豊富なため、「柿が二日酔いに効く」といういわれは科学的に実証されているのです。
強いガン予防効果にも期待
さらに柿には強いガン予防効果があることも最近の研究でわかってきました。柿の鮮やかなだいだい色の色素に含まれるβ-クリプトサンチンはカロテノイドの一種ですが、体内に蓄積される期間が他のカロテノイドよりも長く、血液によって体の隅々にまで届けられることから、多様な健康機能が期待される成分として近年注目されています。
そのまま切って食後のデザートにいただくのももちろんおいしいですが、旬の時期こそ料理にも積極的に使いたいもの。大根とあわせてなますにすると、ビタミンCとカロテン、酢の相乗効果によって健康パワーがいっそう高まります。また、豆腐や春菊などと和えて白和えにするのもおすすめ。鮮やかなオレンジ色は食卓に明るい彩りを与えてくれます。すぐれた健康食品である柿を食べて、風邪に負けない体作りを心がけましょう。
参考文献 『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』(高橋書店)、『食の歳時記』(戸谷満智子/海鳥社)
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