ボート・ピープル(small G)

ボート・ピープル(small G)

今回はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。

ボート・ピープル(small G)

意外な所に意外な人がおりました。

勤務している病棟のある女性に病院で将来の看護学校受験のための数学を教えているのですが、少し日本語に?というところがあるので、どこの方かなと思っていたらベトナム難民とのことでした。
私自身が小さいころテレビの特集で良くベトナム難民が日本の沖合で見つかったというようなニュースやドキュメンタリーを始終見ていたような記憶があるのですが、実際に身近にそんな人がいるなどとは現実として考えてもみませんでした。

しかし、事実は事実。
この方にお話を伺ったところ、お母さんとお父さんは違う船に乗ってベトナム脱出にトライ。お母さんは七回トライして最後には消息不明になったとのこと・・・。お父さんと自分は暗い海岸で夜遅くすし詰めの船に乗って二回チャレンジ。捕まった一回目はお父さんは刑務所に行って暫くして出てきてから再度トライして大海原の中を揺られて最終的には日本に上陸したというのですが、その話がまた酷くて、とても六歳の女の子が経験していいような世界では有りませんでした。

基本的に彼らはあの東南アジア近辺のタンカーなどの貨物船がたくさん通る航路をターゲットに漕ぎだしていくそうで、そういったタンカーなどが人道的見地から投げ込んでくれる食料や水をあてにして生き延びる作戦なのだそうです。
その状態で数週間。揺られながらイチかバチかで何度も何度もトライして運が良かった人達だけが生き延びて来たのだそうです。

そんな過去を持つこの女性。非常に負けん気が強く、教えて解らなくても他の子は挫けてもこの子だけは食い下がってきます。やっぱり、持っている背景が違うと今のへなへなした今時の若い日本人とは違う何かが有りますね。
頑張って看護師の資格をとって幸せになって欲しいものだと思います。ほんとに。

人は見かけによらない。
みんな話さないだけで、ほんとうにいろいろな過去を持っているものですね。

執筆: この記事はsmall Gさんのブログ『small G』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2015年09月17日時点のものです。

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