これぞ究極のエコ!植物からつくられる3Dプリント自転車フレーム 廃棄処理して土に還る
日本でも近年関心が高まっている自転車。身近で便利な乗り物であるが、廃棄する際にはどうしてもゴミ処理の問題が出てくる。
最近は“木製や竹製の自転車”も登場しているものの、多くの自転車は環境に優しい資源でつくられてはいないのが現状だ。
・“土に還る”自転車フレーム
そこで、イタリアのデザインスタジオEurocompositiが考案したのが、土に還る素材を使用した3Dプリント自転車フレーム「Bhulk」である。同社のAenimalというプロジェクトの一環として開発がスタートした。
・植物由来のバイオポリマーを使用
この自転車フレームは、ポリ乳酸(PLA)という素材でできている。PLAは、トウモロコシやサトウキビといった植物素材からつくられたバイオポリマー。
廃棄処理する際には、溶かして新たな製品に造り変えるのに用いたり、あるいはポリ乳酸の生分解性を生かして、土壌に戻すこともできる。
・“FDM方式”で3Dプリント
PLA素材を使って、熱溶解積層法(fused deposition modeling、FDM) という技法を用い、層ごとに溶かしたポリマーを積み上げていく3Dプリント出力形式で、オブジェクトを完成する仕組みだ。
・生産ラインに太陽光エネルギー活用
もちろん、3DプリンターでPLAフィラメントをつくり出すのにエネルギーは使うものの、一般的な3Dプリント素材であるABS樹脂やPET樹脂に比べて、素材1キログラムあたりの仕事エネルギー量は少なくて済むとのこと。
しかも、Aenimalの生産設備は、太陽光エネルギーで動作するのだという。エコに配慮した製品を、エコな製造環境で生産しているというわけだ。
・“Eurobike”で金賞受賞
同社としては、特殊なこの素材が自転車のフレームとして機能するよう、剛度や耐久性の実現に力を注いだという。
「Bhulk」は、ドイツで8月下旬に開催された“Eurobike”というイベントで金賞を受賞した。
生産することだけでなく、廃棄処理のことまで考慮する。環境に与える影響を極力少なくしようというこの取り組みは、未来志向の生産方式であり、参考にしたいものである。
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