キーボード+ガラケー機能を搭載する“日本流”Androidスマートフォン『GALAPAGOS SoftBank 005SH』製品レビュー
2月25日にソフトバンクモバイルが発売してから少し日が経ちますが、シャープ製Androidスマートフォン『GALAPAGOS SoftBank 005SH』をお借りしたのでレビューをお届けします。同製品はOSにAndroid 2.2を採用し、フルキーボードを搭載するスマートフォン。ワンセグ、『おサイフケータイ』、赤外線通信など日本独自に進化した携帯電話、いわゆる“ガラケー”向け機能も搭載します。緊急地震速報への対応も決定し、さらに“日本流”に進化するスマートフォンはどのような使い心地なのでしょうか。
・ジャマにならないコンパクトなキーボード機構
フルキーボードを搭載したスマートフォンといえば、同じシャープ製でau『IS01』やドコモ『LYNX SH-10B』が思い浮かびます。これらは“スマートブック”というカテゴリーを目指していたのに対して、『005SH』はもっと“ガラケー”的なアプローチで設計されているのが特徴。キーボードを収納した状態なら、ちょっと厚めのタッチパネル式スマートフォンと変わらない外見です。背面は曲面で滑らかに画面部分とつながっているので、通常はキーボードの存在をほとんど意識しないで利用できます。
キーボードはスライド式で、画面を上にした状態で下のキーボード面を引き出すようにスライドさせるとキーボードが現れます。『エアリースライド』と呼ぶ機構は、とても滑らかにキーボードの開閉が可能。キーボードを出すと、『mixi』や『Gmail』、メモ帳などキーボードをよく使うアプリの一覧が表示されるという親切設計です。表示するアプリはカスタマイズが可能。
・かゆいところに手が届くキーボード
QWERTY配列の英字キーに加えて、日本語入力でよく使う「、」「。」の専用キーを用意。日本語入力のしやすさを考慮した設計になっています。
上下左右の入力ができるカーソルキーの中心には決定ボタンを装備。ブラウザなどを使う際、片手でスクロールやポインタの移動に利用できます。
カーソルキーの上にAndroidの操作キーである「ホーム」「戻る」を配置しています。ファンクションキーと組み合わせて「カット」「コピー」「ペースト」の操作や、検索キーと組み合わせてブラウザ、メール、『Gmail』のアプリを起動するショートカットが利用できるのも便利。
写真では分かりづらいですが、キーは奥から手前にかけて山型になっており、キーストロークは短いですがキーを押し込む感触が得られます。キーピッチも確保してあり、押しまちがいは少ない印象。両手持ちでサクサク文字を入力できます。文字変換システムには携帯電話で実績のある『iWnn』をカスタマイズして採用し、変換候補を表示しながら少ないステップで入力が可能。キーボードにバックライトがあるので、暗い場所でも問題なくキーボードが利用できます。
キーボードを収納しても、12キーもしくはQWERTYキー配列のソフトウェアキーボードを利用可能。フリック入力にも対応します。たとえば簡単なメールの返信はソフトウェアキー、文章の入力はハードウェアキーと、用途に応じて使い分けられるのがポイント。
・ガラケー機能と3D機能で用途の幅が広がる
ワンセグは、アンテナを伸ばして視聴可能。地震速報を見るために、携帯電話のワンセグが活躍したという方は多いのではないでしょうか。『おサイフケータイ』と赤外線通信も搭載し、これまで携帯電話で使っていて便利だった機能をあきらめたくない、という乗り換えユーザーのニーズに対応します。
ユーザーニーズというよりは、新しい価値をもたらしているのが3D機能。裸眼で立体視可能な3Dディスプレーを搭載し、3Dゲームや映像を楽しむことができます。カメラは単眼ですが、横移動させて複数の写真から3D画像の合成が可能。
通常の撮影では、横持ちにしてシャッターボタンを押して撮影。もちろん、縦持ちやタッチパネル操作による撮影にも対応します。
OSはAndroid 2.2で、『Flash Player 10.1』(レビュー時は10.2のリリース前)に対応。『ニコニコ動画』も楽しめます。ソフトバンクはタッチパネルモデルの『003SH』を含め、国産スマートフォンでも2.2搭載で出荷していることは評価に値するでしょう。
ほかにも、シャープが同社製スマートフォン向けに提供する電子書籍サービス『TSUTAYA GALAPAGOS』に対応するほか、ソフトウェアアップデートでソフトバンクが緊急地震速報に対応するなど、国内に特化した特色あるサービスが利用できるのが特徴です。
国内でも端末のバリエーションが広がりつつあるAndroidスマートフォン。市場は最新のスマートフォンOS(現在は2.3)を搭載し、最先端のグローバルモデルを使いたいというユーザーと、日本向けや女性向けに機能やカラーをそろえた国産スマートフォンを選ぶユーザーで分かれつつあるように見えます。『005SH』は後者に当たりますが、細かい使い勝手や造形の作り込みに好感が持てる仕上がり。“日本流”では最先端のスマートフォンとして、もっと注目されてもよい端末だと感じました。読者の皆さんはグローバル派? それとも国産派?
『GALAPAGOS SoftbBank 005SH』主な仕様
通信方式:W-CDMA方式(国内)、W-CDMA、GSM方式(海外)
サイズ:約W62×D15.4×H122.8mm(クローズ時、突起部除く)
重量:約151g(電池パック装着時)
連続通話時間:約340分(W-CDMA)、約290分(GSM)
連続待ち受け時間:約400時間(W-CDMA)、約320時間(GSM)
連続音楽再生時間:約17時間
ワンセグ連続視聴時間:約6時間
充電時間:約190分
OS:Android 2.2
CPU:Qualcomm MSM8255 Snapdragon 1GHz
メモリー:1GB(ROM)、512MB(RAM)
ディスプレー:3.8インチ 800×480ドットワイドVGA NewモバイルASV液晶 6万5536色
カメラ:有効画素数約800万画素 CMOS
外部メモリー:microSDHC 32GB
Bluetooth:Ver.2.1+EDR/HFP、HSP、DUNP、A2DP、AVRCP、OPP、PBAP
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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