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Magic Architect ~ フレデリック・キースラー

(Frederick kiesler whitney Museum・Nortonから引用)

5.エンドレスハウス「終わりのない家」

エンドレスハウスの空間の意義
空間をより純粋に考えた建築は他にあるだろうか?あまりにたくさん作られている建築は機能や経済を考えすぎてる。より人間の潜在的な思考をも含みうる建築を作ることができたらどんなによいだろうか・・・
エンドレスハウス(雑誌 ENDLESS SPACE より引用)

終わりの無い家

1934年にパリで発表され、長さ1フィート、幅8、9インチ、高さ7、8インチのスケールで、楕円形の卵形のデザインであった。この模型は羊歯の葉を背景に演出され、そのため一層原初的、宇宙的なイメージがただようことになった。
1960年にニューヨーク近代美術館の企画展「創造的建築展」で、より発展した形で示された。

これは実物大の約半分の縮尺で作られたもので、前回の卵型が「砕かれ」、さらにそれが複雑に錯綜しながら組み合わされ、再生(蘇り)、メビウスの輪のような、文字通り始まりも終わりもないもの、宇宙の全一性(すべての物体は繋がっているということ)が表されているようで、キースラー自身も「それは、間の肉体のように無限である。始まりも終わりもないのだ」と言うのである。

 キースラーは、最終案では人工池の上に浮かぶ卵型としてイメージし、しかも家の内部にも大きな池をつくり、中央に暖炉(焔)を用意した。
 
キースラーは砕かれた卵のような混沌とした「終わりのない家」によって、宇宙の新しい始まりをモデル化したといえる。新しい生は混沌を通過することによって、つまり破壊を通しして生み出されるはずだからである。(ミルチャ・エリアーデ 録)

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フレデリック・キースラーとエンドレスハウス(上図)
(http://www.classic.archined.nl/news/9611/kiesler_eng.htmlから引用)

キースラーのエンドレスハウスの時間による変化

1. 宇宙の意味を持つ卵型の家をまず作る。
2. 卵を壊すことによって建築空間の永遠性を表す。
3. 壊れた卵にあらたな湖(生)を作ることによって生は混沌によって生まれるということを表している。
(瞑想の洞窟と終わりの無い家の詳細 参照著書―建築のアポカリプス)  

※ 補足するがキースラーは建築において、モダニズムや今までの建築のように人工物と自然を別のものとして考えるのではなく、元は共通の物体であるということをこの建築によって表したかったのだと言いたい。
 
エンドレスハウス 図面 山口勝弘 「環境芸術家キースラー」

終わりのない家の平面計画

1.グループ・リヴィング

2.食堂と台所

3.子供の遊び場と工房

4.書斎

5.個人のレクリエーションと寝室

特にこの平面計画で顕著にあらわれていることはこの建築家が機能についてしっかりとした考えを持っていたことにある。最初私はこのキースラーという人は芸術家であって真たる建築家ではないと考えていたが、しかしキースラーの考えの中に調べていくうちに機能を大前提とした、機能主義的な考えを持っていることが判明した。これはやはりキースラーが自分に最も影響を与えた本はアドルフ・ロースの「装飾と罪悪」と言っているように合理主義的な考えがキースラーの根本にはあると言える。そしてこの平面計画は機能主義の概念に従っている。アドルフ・ロースは機能を考えるときに、機能とは必要なものだけで十分であって、余分なものは必要がないと装飾と罪悪で論じた。この意見には筆者も賛成であるが、やはり機能は必要なものだけで十分であり、余分なものは人間の身体で言う脂肪なのである。伊東忠太も建築を人間と例えて論じているが、人間に例えてみると、この機能における余分な部分はやはりいらないものであると感じる。しかし本当に人間と建築を同じものと考えるのならば、もしも寒さや災害に見舞われたときにやはり脂肪はあったほうがよいのではないかというのが疑問に出てくる。ここで機能における必要性というものは難しいものとなってくる。またキースラーのエンドレスハウスのプラン(1950年)に見られることは、休息の場と防音の書斎、居間と食堂そして子供の遊び場と工房に洗面所やトイレなどの従来の住居に見られるプランの配置になっているが、この平面計画を見るとどうやらキースラーは空間の繋がりを意識してかドアによって壁をしきることをしていないようである。しかしそこから生まれる音洩れといった点は特に子供部屋からである音に対抗するために防音の為の書斎を用意している。

機能としての建築

ここで分かる点はキースラーが単に芸術としてこの建築物を建てたのではなく、本当に住まう住居としてこの建築、エンドレスハウスを提案したのである。最初、筆者の見識では建築と芸術、そして自然形態との融合を考えた建築であり、異様なものと見ていたが、キースラーの考えを深く知ることにより、この建築は住まう住居としても機能的な考えがなされている作品であったことを痛感した。
キースラーの建築における空間構成

キースラーは建築における定義というものは機能から建築は作られるのではなくて構造から作られ、そして順番に構造→機能→形態という道を辿るというものであった。これは「機能は形態に従う」モダニズムを否定する意味でも使われたが、キースラーが言いたかったのはそれだけではない。ただの四角い箱や、統制された建築こそが本当の建築なのだろうか?そして原始において建築とは有機的な、洞窟や洞穴であったであったということも、キースラーはエンドレスハウスを作るにいたって、考えているのかもしれない。最近の建築ではキースラーのエンドレスの空間と同じものが最近建築思潮として出てきている。最近の伊藤豊雄のベルギー市庁舎に見られる作品にはキースラーと同じような空間、一般にはクリストファー・アレクザンダー等が言う「有機」、「生態的」、「犠牲物的」などと言われる建築があるが、キースラーの求めた建築形態は50年以上の歳月を経て、近代建築の主流の建築になりつつある。

6.キースラーが及ぼした功績

建築において新たな建築を生み出す際に最も必要なことは、まず社会と戦わなければならないということ。人間は心理学においてもそうだが、通常の人間というのは集団行動において一人が違うことをしているとその人物に対して違和感を覚える。例にして言うと「芸術において四角が基本とされる」という教えの中でみんなが四角い芸術作品を生み出しているのに、ひとりだけ不規則な形態を生み出したらどう思うだろうか?「変わっている」、「おかしい」、「きちがい」、「あの人は自分とは違う」等と思うだろう。その中傷や批判の中で新たな建築を生み出すというのは並大抵な精神力ではたえられないことだろう。新古典主義におけるジャン・クロード・ルドゥーやルイス・サリヴァン、両者はゴシックやルネサンスの中世の建築に回帰すると基本的に謳われた新古典主義においてモダニズム建築の先駆けとなったようなパイオニア的存在である。今で言うモダニズム後期の時代に闘ったリベスキンドやゲーリーなどからもみて分かる様にキースラーのように「機能は形態に従う」モダニズム建築を真っ向から批判するというのはものすごいことである。そしてゲーリーのグッゲンハイム・ビルバオなどに置ける形態はキースラーの影響を受けていないといえば嘘になる。

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