ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう
体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方
面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]
ガジェ通制作ライブ
→ガジェ通制作生放送一覧

計画停電が首都圏のITを揺さぶる……無知を食い物にするモノたち

み:「……社長、それいくらでいれるって話になってるの?」
社長:「んー、毎月20万ぐらいの7年リースって話だったかな。まぁこんなご時世だし、こわれねーって言うしさ。人一人雇うより安いって言われりゃ、それもそーだしなーと。やっぱさ、停電には備えないとって言われたら不安になっちゃってさー。コンピューターとかよくわからねぇしよぉ」

実際には25万円X12月X7年なので2100万円。5年ですら導入ハード類の限界考えたらIT系のリースとしてはどうかと思ってるのに7年とは……個人的には3年が限度。それ以上はハードやソフトが陳腐化しかねないし、リプレース費用とリース費用が重なってはそれこそ資金繰り関わります。システムの導入はその辺りも考慮にいれるのが当然というのが私の持論。

み:「………はんこ……押しちゃいました?」
社長:「いや? 今日営業さんが契約書もってくるって話でさ。それで電話したのよ。な、ちょっといい話だろ?」
み:「……………すいません、売り込みにきた会社名教えてもらえます?」

IBMのiシリーズを売り込もうって会社。それも都内なら……実際そんなに会社は多くない。話を聞けば開発系ベンダーではなくどう考えても商社系。たぶんパッケージビジネスの会社だと踏みました(大塚商会やあるいはゼロックスかな? とも思いましたがこんなあこぎな商売をするような会社ではないと思いますし実際外れていました)。まぁ、当たっている可能性も多大にありましたけれどね(^^;

結果は……ビンゴ。私の知っている会社名でした。ただ、こんな詐欺まがいの仕事をするようなところでもなく。昔世話になった先輩が勤めているはずの会社。私が知る限りは結構優良企業のはずだったんですが……。

み:「あー……社長、営業来てもまだ判子つかないで。私そこの会社の人、偉い人知ってるんですよ。もしかしたらもーちょい値切れるかもですよ?」
社長:「おお!? すごいなあんた。いつも思うけど妙に顔広いな-。なに、値切ってくれるの?」
み:「ええ、昔世話になった先輩が営業課長やってるはずなんですよ。もしかしたら社長のところに来た営業より力あるかも。昼頃までには電話しますからー」
社長:「おお、たぶん営業さん来んの午後いちだからさ」
み:「はいはい(笑)じゃその頃までには。それじゃ失礼しますねー」

声には一切こちらの感情は出さず。にこやかに電話を切って。

再現ここまで
*   *   *   *   *   *   *   *   *   *

ウソも方便と申します。バカ正直に「社長だまされてませんか?」というのもなんでしたし、もしかしたら売り込みに来た業者にはそんなつもりはなく……格安でサーバーを用立てたつもりかもしれません(7年リースで毎月の支払いなどから計算すると導入するソフトによってはそうぼったくりではなかったので。……導入する商品が不釣り合いではないか? とかそういう部分を考えなければ……ですが。今改めて考えてもさすがにそれはないかなぁとも思いますが)。

幸い知り合いがいることですし電話していろいろと事情を話したところ……そもそも今回の計画停電をネタに仕事を引っ張るようにと上層部から指示が出ていたようです。

この不景気でその会社も私が知っていた頃とは様変わり。優良企業といえども不景気になればそれなりの方法は使うということかもしれません。そのこと自体は悪いこととは言いませんが……とはいえ、今回の相手は私の知り合いの町工場。

実際のところ、ちょっと前に工作機械を入れ替えた時にすでに銀行からもそれなりの金は引っ張ってます。もともとそれほどもうかってるところではない(そう赤字にもならないようですが)わけで。話を聞いている時から「これはリース通らないだろう」と踏んではいたんですが……甘かったのを知りまして。先輩の話だと銀行系でなければ利率はやや高くなるもののリース通せる所あるんだよなんて言われ。営業力がなまじあるところですと、無茶を通してしまうものです。いや、さすがに先輩の実力を甘く見ていた(というかその会社の力を、ですが)。

ともかく不釣り合いな設備投資であること。どうも正しい情報を伝えずに詐欺まがいの売り込みをかけてるっぽいことを話してみました。社長からの話ではどうしてもそうとしか思えない。まっとうな会社の営業がすることじゃないんじゃないか。そう話をしてみたり。

怒られるかな? と思ったけれど久し振りに話す先輩の声のトーンは変わらず。

自分(先輩)の部下の新人の勇み足ではないか……という話に。
3月4月は震災の影響もあってIBMでもサーバーも押さえるのが結構大変。ディストリビューターも含めてみな先にハードを押さえるために奔走していました。別の会社の導入話がある程度進んでから流れてしまい……そのハードを今回の会社に提案したと。不釣り合いな会社と知りつつ代替えしようとしたのではないかな? と(実際には押さえたサーバーは別に他社に譲ってもいいはずなんですけれどね。先輩もそう言っていましたし)。

ともかくこの話はもう少し価格を落として企業の体力に合わせたものになりませんか? と尋ねてみました。

最終的には先輩が直接社長のところに話をしにいってくれるということに。高いシステムでなくともASPサービスやSaaSやらを活用すればいくらでも安価な提案はできると豪語されましたし(まだ相手先要件を聞いてないからSaaSも選択肢にいれてたようです)、契約前にはおまえにも一報いれるからさ……とまで言われれば否も応もなく。結論からいえば、うまいこと安価で便利な提案に落ち着いたようです。

結局、入社2年目。仕事もそろそろ独り立ちというところの営業さんが仕掛けた話だったと。先輩にも入ってもらってともかくこの提案自体はペンディングにすることになりました。

面白いもので、社長はすっかり先輩が気に入りまして。なんでも今動いてる『勘定奉行』なんかを新しいパソコンに移設したりするのも含めて、最小限の設備投資でできるようにするプランをその場で構築、説明してくださったそうです。売り込みをかけていた営業は目の前でこってりしぼってくれたそうなのでこちらからは何もせず。というか、関わりたくなかったのが実際ですが……。

パソコンの入れ替え等もきちんとアウトソーシングできるならそれにこしたことはないので、今回は先輩にお任せすることになりました。私自身年中タダでサポートしてるのも大変ですしね。

今回は知り合いの会社がたまたま……これまた知ってる会社からの提案で……という流れでしたから介入することもできましたが、そうでなかったらとてもこんなことはできません。それにこんな話はごまんとあるようですし。とはいえ。今回はちょっと自分でも「踏み込んじゃいけないところで自分勝手に振る舞ったな」とは思ってました。少し反省していたり……。

前のページ 1 2 3 4次のページ
寄稿の記事一覧をみる

記者:

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
スマホゲーム タラコたたき