男が妊活?『妊活を知ろう!考えよう!! ぼくらの妊活座談会』
東京都新宿区でちょっと変わった座談会が開催されたので取材した。
題して「妊活を知ろう!考えよう!! ぼくらの妊活座談会」。
“ぼくら”ということは、男性が妊活について語る気なのだろうか。
若干踏み入れてはいけない分野のような気もする。
そもそも妊活とはいったい何のことなのか。妊活という言葉はジャーナリストで相模女子大客員教授の白河桃子の提唱によるもの。
著書によると「妊娠にまつわる知識を正しく身につけ、自分の身体の現状を把握し、ベストなライフプランを描くこと」とされる。
記者の認識としては、その背景のひとつに女性の社会進出が著しいことがあると思われる。晩婚化やそれに伴う高齢出産化(概ね35歳以上の出産をいう)により、妊娠への不安、あるいは対策が必要であるという認識が広がったものと考えられる。
さて話を座談会に戻して、このプログラムのプレスリリースを要約すると、「株式会社IBJは、女性のカラダとココロの健康情報サイト『ルナルナ』を運営する株式会社エムティーアイと同社が主催する“女性の結婚・妊娠・子育て領域活性化プロジェクト”の一環として実施している、第2回「男の【任活】座談会」を共同開催いたします。」となっている。
やっぱりよくわからない。IBJといえば、以前に婚活パーティーを取材したことがある。(拙稿 https://getnews.jp/archives/940390 参照)
これはあらかじめ聞いておく必要がありそうだ。
そこで、IBJの広報担当、嶋岡紀美江さんに事前にメールで概要について聞いた。
その回答によると、「いま、男性の女性支援の在り方が問われている」「婚活の現場から見る、モテと非モテを分かつ3 つのポイントとは?」「女性のカラダとココロのことを知ろう~妊活とセックスについて~」「みんなで考えるパートナーシップ(グループワーク)」「【宣言】ぼくたちが今すぐに出来ること」という内容のプログラムであることが分かった。
意外と真面目に考える座談会のようである。
座談会当日、記者は東京都新宿区の会場を訪ねた。
報道関係者と2社の社員としての女性はいるが、参加者16名は全員男性だ。
参加者リストによると、概ね未婚と既婚が半数程度。
ミニ講義として前出のIBJ嶋岡紀美江さんによる「モテるポイント」講座が始まった。
このあたりは非常に参考になるので、読者もいっしょに考えていただきたい。
実際に婚活女性にアンケートを取った分析で、女性の生の声なので比較的確度は高い。
当たり前と思っていても、案外そうでない部分を再発見できるかもしれない。
この記事用に読みやすく再編集したスライド資料を提供していただいたので、その一部を抜粋して掲載する。ぜひ順を追って読んでいただきたい。
1 ステータスより●●●●を良くする努力を
さて、何を良くする努力なのだろうか?
2 真の●●上手になろう
出来ているようで勘違いが多いらしい。
3 会話がひと段落ついたらピンポイント●●
ポイントを間違えればアウトだ。
4 まとめ
肝に銘じよう。
若干、テクニック的なものを感じないでもないが、結局は最後にある「とにかくやってみること」に尽きるのではないだろうか。
テクニックやマニュアルだけではいつかボロが出る。しかし、自分のものにしてしまえば、それが新たな自分に発展するということのようだ。
続いての講義は株式会社エムティーアイの日根麻綾さん。
この内容はとてもメディアで普通に紹介できる類のものではない。言葉があからさま過ぎるのだ。
端折って言うと、学校の道徳と保健の授業を合わせた大人版だ。
要するに前述の婚活が終わったら妊活ということになるが、妊娠するには一般的には性交が必修となる。
これまでは女性だけの問題と、とらえられがちだったが、男性に知ってもらいたい「妊活」の諸問題や心構え、協力の仕方等いたって真面目な講義だった。具体的な内容は同社の「ルナルナ通信vol.22」を各自で取り寄せてご覧いただきたい。
途中で軽食が提供されたのだが、これがまた「男性のための妊活メニュー」と徹底している。
男性のためなので精子に関するメニューで、「お品書き」には栄養素と働きまで書き込まれている。
とはいえ、難しいものではなく一般的なメニューの組み合わせなので、ちょっと気を付ければ無理なく取れる食材である。
こうして、ワークグループで男性の目線からパートナーにできることを考え、まとめて発表しプログラムは終了した。
記事では詳細を紹介できなかった講義をした日根麻綾(34)さんに話を聞いた。
代表質問は記者が担当した。
今後の具体的なスケジュールは?
「できれば年3から4回は開催したいと思います。」
これまでの参加者の反応は?
「思ったよりも盛り上がりは良かったです。真面目に考えてくれて、個人個人で問題は異なりますが、それぞれの解決策や姿勢を打ち出してくれてうれしかったです。」
いま、男性に一番伝えたいことは?
「女性の悩みも聞いて、理解してほしいですね。そしてタブーなくオープンに伝えてたいと思います。私も結婚したばかりですが、昨今、晩婚化が進み、妊娠についても悩んでいる女性も多く見受けられます。私もその中の一人かもしれません。今日の講義は男性に囲まれて話していて正直、恥ずかしい気持ちはありましたけど、私は妊活の現場から見ているので、勇気を出して伝えさせていただきました。」
この座談会は2回目で、いずれもコラボした2社の男性社員が集まって行われた実験的要素が強い。
しかし、結婚年齢の高齢化や、少子化という社会問題化しているからこそ生まれた「妊活」という言葉を正面からとらえ、前向きに議論していくという試みは評価されるべきである。
今後は座談会の内容を充実させ出席者の反応を見ながら、一般参加を視野に入れ開催したいという。
※写真はすべて記者撮影
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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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