「地球外生命体を発見」米科学者が発表するも NASAは否定

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 2010年末に「地球外生命体に関する発見」の会見を行うとし、世界中の注目を集めたNASA(アメリカ航空宇宙局)。だが結局、「地球外生命体の発見」の発表はなく、期待していた多くの人を落胆させた。そのNASAに所属する科学者が、隕石の残留物からついに地球外生命体の化石を発見したと2011年3月7日(現地時間)に発表。世界を騒がせている。

 発表したのは、NASAの科学者リチャード・フーバー博士。彼は地球上でたった9個しか存在しないとされる「CI1」という種類の隕石のうち、約150年前に飛来したものの中からバクテリアの化石を発見し、10年ものあいだ研究を行ってきた。

 フーバー博士によれば、化石は数十マイクロメートルという極小サイズで、隕石内部の水や有機物が多く含まれる炭素質から発見されたという。地球上の生命には窒素が欠かせないとされているが、この化石には窒素が含まれていない。よってこの物体は地球外生物であるとフーバー博士は主張している。博士は「窒素がまったくない状態、もしくは私の探知レベル以下の窒素の中で、この生物がどうやって生息していたのか。説明できるのであれば、私は喜んでその人の話を聞く」と述べている。

 しかしNASAは同日、これを裏付ける科学的根拠はないとの正式見解を出した。博士の主張は、2007年に博士が宇宙生物学専門誌に投稿したものの掲載されなかった論文と同じ内容だとし、NASA宇宙生物学研究所のカール・ピルチャー所長は「この微生物の痕跡が、地球で混入したものでないとするフーバー氏の説を支持する隕石研究者は1人もいない」と強調。さらに、博士が調べた隕石は100~200年前に地球に落下したもので何度も人の手に触れられているとし、「隕石内で発見された微生物は地球上で混入した雑菌と考えるのが最も自然だ」と述べた。

 なお、フーバー博士の論文は、ジャーナル・オブ・コスモロジーのウェブサイト(英語)で、閲覧できる。

【関連サイト】
Journal of Cosmology フーバー博士の論文

(中村真里江)

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