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純金製の榊立は誰のものになる?

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Q.

 母に続いて父も亡くなりました。たいした相続財産はありませんが、生前に父が造らせておいた榊立があります。これは神道を信じていた父が、神棚に祭るために、特別に純金で造らせた榊を立てる器です。金の価格からすれば、非常に高価なものですが、長男である兄は、父の遺言で祭祀主宰者である自分が承継すると言い張っています。

 兄は、借金が多く、この榊立を売却するつもりだと想像しますが、兄の物になるのでしょうか?

(1)兄の物になる
(2)相続財産となり、兄弟の共有となる

A.

正解(1)兄の物になる

 民法897条1項本文は、「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。」と規定しています。ここで「前条」とは、相続財産は相続人に帰属することを定めた規定ですから、民法897条1項は、祭具等が相続の対象とならないことを定めたことになります。

 祭具とは、位牌、仏壇などの祭祀・礼拝に使用されるものをいいます。「榊立」も祭具です。したがって、純金製であろうがなかろうが、榊立は相続財産に含まれまず、祭祀主宰者がこれを承継することになります。

 では、祭祀主宰者はどのように決められるのでしょうか。この点、上記897条は、第一に被相続人の指定によること、第二に被相続人の指定がない場合には慣習によること、第三に慣習が明らかでない場合には家庭裁判所が定めることを規定しています。

 次に、「父の遺言で祭祀主宰者」とありますから、被相続人である父親の指定があります。したがって、祭祀主宰者は兄となり、兄がこの榊立を承継することになります。
 将来的に兄がこれを売却しようとするおそれがあるというだけでは、兄を祭祀主宰者から排除することはできません。そして、榊立を承継した兄は、これを処分することも自由にできるとされていますので、承継後の売却を止めることはできません。

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純金製の榊立は誰のものになる?

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