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SIMロック解除義務化のルール ソフトバンク編

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総務省は、スマホの「SIMロック解除に関するガイドライン」を今年の1月に改正し、5月以降に発売する機種からSIMロック解除を義務化しました。改正によりユーザにはどんな影響があるのでしょうか。これまでの市場の動きを踏まえながら、ソフトバンクの場合を解説します。
そもそものきっかけはiPhoneの取り合いだった!?
新ルールを確認する前に、そもそものSIMロック解除についての流れを振り返ってみましょう。発端の1つに、ソフトバンクとドコモによるiPhoneの取り合いがありました。

2008年、ソフトバンクがiPhone 3Gの取り扱いを開始。当時、国内ではソフトバンクの独占販売でした。 おサイフケータイもワンセグもない端末が売れるわけない、という意見もありましたが、割引キャンペーンの展開などで、iPhone 3GSが登場した2009年から徐々にブームとなります。

平行して、ドコモによるiPhone待望論が高まり始めます。ソフトバンクの電波改善前だったので「より良い電波=ドコモで使いたい」「乗り換えが面倒くさい」などの理由からでした。

しかしドコモでiPhoneは取り扱われず、しびれを切らしたユーザ達の中から、ソフトバンクがiPhoneのSIMロック解除をしたらドコモでも使えると、解除を求める声も上がりだします。 iPhoneの取り扱いに関して否定的で、“お堅い”イメージのドコモよりも、当時Twitterで「やりましょう!」を連呼していた孫正義会長率いるソフトバンクの方が、ユーザの要望が届くイメージだったのでしょう。

実は2007年頃より総務省は「モバイルビジネス活性化プラン」を取りまとめており、その中の1つに「SIMロック解除に向けた検討」という項目を掲げ、「2010年時点で結論を得る」という旨を記載しています。

そして2010年、SIMロック解除に関するガイドラインが制定。「SIMロック解除を強制・義務化はしないけど、前向きに取り組んでください」という内容でした。 積極的に取り組んだのはドコモ。 2011年4月以降に発売される機種は全てSIMロック解除に対応、手数料を店頭で支払えば、分割が残っている状態でも手続きが可能でした。

対照的にソフトバンクは「SIMロック解除は需要がない」「解除をすると本体代金が高くなる」と説明。ロック解除対応端末にロースペックのAndroidスマホ数機種だけが指定されたのも、iPhoneという強い“武器”を手放したくないからではと見方に拍車をかけました。

ちなみにauは、通信方式がCDMA2000と独自の方式を採用していたため、iPhoneがSIMロック解除されても使うことができず、この時点では議論の蚊帳の外。

 

【最初にガイドラインが制定された2011年頃の各社のスタンス】

 

本音

建前

結果

ドコモ

ソフトバンクのiPhoneが欲しい

「SIMロック解除をすべきである」

SIMロック解除に積極的

ソフトバンク

ドコモにiPhoneを渡したくない

「SIMロック解除は需要がない」

本当に一部の機種だけSIMロック解除対応

au

(通信方式の違いから、完全に蚊帳の外)

 

しかしながら、auが2011年にiPhone 4s、ドコモが2013年にiPhone 5s/5cを発売し、ソフトバンクのiPhone独占体制は終了。 iPhoneという人気機種を手に入れたドコモがSIMロック解除を積極的に行うメリットはなくなり、ソフトバンク側にもロック解除を拒否する理由がなくなりました。そしてauは他社と同じ通信方式のLTEを開始、SIMロック解除後の互換性が出てきます。

こうして2009年頃から始まったSIMロック解除議論と三社三様のスタンスは、2014年頃から収束へ向かいます。

 

しびれを切らした総務省、改正で義務化へ
ドコモ以外の2社がSIMロック解除について後ろ向きだったため、国内でSIMロック解除が盛り上がらないことにしびれを切らした総務省は「SIMロック解除を義務化します」と今回の改正を行いました。

改正後の、各社のルールを一覧で見てみましょう。 

 

対応機種

解除手数料

解除可能日

解約後

WEB

電話

ショップ

 

 

ドコモ

2015年5月以降発売の機種は

原則全て

無料

3,240円

3,240円

購入後6カ月以降

3カ月経てば

SIMロック解除不可

au

手続き不可

購入後180日目以降

特に無し

ソフトバンク

購入後181日目以降

91日経てば

SIMロック解除不可

 

各社ともほとんど同じ対応です。

少し前までは、立ち位置の違いからSIMロック解除に関するスタンスが明確に別れていましたが、iPhoneやGalaxy、Xperiaなどそれぞれ違う主力機種を持つようになり、SIMロック解除は顧客を増やす武器ではなく海外への即時転売というリスクを抱える制度だと感じているのかもしれません。その結果、総務省のガイドラインに従いながらも、制度内で認められているキャリアの権利を利用し「6カ月間は解除できない」などの新たなルールを設けたのだと考えれます。

面白いのは、改正後の3社はほぼ横並びの対応でありながら、auとソフトバンクはこれまで消極的だったがゆえに前に進んだ印象、対してドコモは今までが積極的だったので大きく後退したように見えることです。皮肉ですね。

 

ソフトバンクのSIMロック解除で注目したいのは、ズバリAQUOS CRYSTAL 2

シャープ製のAndroidスマホはドコモでもauでも出ていますが、フレームレスでここまでベゼルが細いのはソフトバンクのAQUOS CRYSTALシリーズだけです。画面サイズを確保しながらも持ちやすいのは、やはり便利。他社ユーザでも使いたいひとは少なくないのではないでしょうか。

今は各社ともスタンスが似たり寄ったりですが、目玉機種が特定の携帯電話会社だけで取り扱われることがあれば、過去のiPhoneのときのように、また市場がにぎやかになるかもしれません。

 【参考記事】
SIM通| 総務省、「SIMロック解除に関するガイドライン」を改正

 

 

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