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少年事件

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 少年事件は大変である。成人事件で身柄拘束をされている人と異なり、信頼関係を築くのがなかなか難しい。なかには、すぐに私を信頼してしまう人もいたが、それは珍しい事例だと思う。私自身が、彼らが何を考えているか分からないせいもあるかもしれない。

 少年が逮捕された場合、成人と同様に、留置期間を経て10日間もしくは20日間の勾留となり(ここまでは成人事件と同じ)、その後、すべての事件が家庭裁判所に送致される。つまり不起訴処分というようなものはない。家裁に送致されたら、鑑別所に送るかどうか、つまり観護措置となるかどうかが決められる。

 付添人(成人事件の弁護人)としては、まず、観護措置を回避するように活動をする。私が弁護士になりたてのころには、裁判官との面接で少年がどのように答えようが、私らがどのような意見書を提出しようとも、ほぼ100パーセントといってよいほどの確率で観護措置処分となり、鑑別所に送られた。今では柔軟な対応がなされているようである。鑑別所は、東京でいえば、練馬鑑別所である。鑑別所では、2週間、延長で2週間の原則として合計4週間、行動調査や心理テスト、学力テストなどが行われる。その後、家庭裁判所調査官の調査を経て、審判となる。

 観護措置処分とならなかった少年事件を受任した。中学校内での暴行事件であった。彼を取り巻く友人関係にも問題がないことはなく、また夜中に遊びに出るという生活を送っていた。

 私が問題視するのは、少年自身のこともあるが、両親の態度である。審判を控えて、どのような生活をしているのかを聞き取ると、相も変わらず夜遊びをしているし、両親は何の注意もしない。私が夜遊びについて、少年本人に注意をしても、両親は何も言わない。それどころか、気がまぎれるからいいのではないかと言う態度である。審判を控えたこの時期に夜遊びをすること、それを容認していること自体、一般の感覚で理解できない。鑑別所に入ったと思って、少しは謹慎しろと言いたい。これは両親が言うべき言葉である。両親には何の威厳もない。

 審判の結果は保護観察処分となり、少年院に送致されるほどのこともなく終了したが、今後の彼の家庭環境を考えると、暗い気分になったことは否めない。

 もっとも、中には両親がまったく無関心という事件もあったから良しとすべきかもしれない。少年が逮捕されたとなると、ほとんどの親は驚いて警察なりに駆け付けるものである。しかし、その両親は違っていた。私から連絡をしても、「よろしく」だけである。審判においては、両親も審判廷に立つことが多いが、その打合せにすら来ないのである。あきれた親である。彼は、その後別事件で逮捕され、成人となったことから、通常裁判を受け、実刑判決となった。

 江戸時代、千葉県の香取近辺に、大原幽学という共産主義的思想を持った人がいたが、その人の言葉に、「子を育つるに、食ひたい飲みたいと思ふ根性ばかりを育てゝは、人となりて宜しき了簡などのつくものにあらず。これ、第一子孫を滅ぼす基なり」「とかく家に馬鹿者のできるは、家内の者気儘でおるゆゑなり。気儘の心有りて子を育てては馬鹿のできるより外なし」というのがあるが、正にそのとおりである。

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少年事件

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