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不動産「囲い込み販売」は必要悪か?問題の根源

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大手不動産会社の「囲い込み販売」が問題視される

情報は秘密にしておけば「美味しい」。小学校で「○○ちゃんと○○くんが付き合っている」などの話を、「絶対に秘密だよ」と小出しにしてクラス中に広めたことがあるのではないでしょうか。知らない秘密を多く持っている人ほど、クラスでの発言力は大きくなります。まさに、「秘密の味は蜜の味」ということです。

最近、大手不動産会社の「囲い込み販売」が問題視されています。調査によれば、ある中古不動産の広告について問い合わせてみると、下記のような対応の違いがあったといいます。
(a)不動産会社を名乗って問い合わせをすると、「商談中」と断られる
(b)個人として問い合わせると、詳しい話を教えてくれる

不動産会社の仲介手数料の仕組みに問題がある

つまり、ライバルの不動産業者には情報を秘密にし、一般の顧客には情報を見せる。この行為を「情報の囲い込み」と呼び、小学校のクラスではよくある話が不動産業界ではルール違反となります。そのため、前述の情報などは「事情通」を自称する人物が身分を使い分けて調べたそうで、何らかの恨みもあるのか、その努力には敬服してしまいます。

この囲い込みが反発を招く要因としては、不動産会社の仲介手数料の仕組みに問題があります。上記(a)と(b)で、不動産会社の仲介手数料に差が出てくるのです。4千万円のマンションを例にすれば、不動産会社が受け取れる手数料が(a)では136万円、(b)では272万円、ちょうど2倍になります。ノルマを抱え、生活をかけて活動する営業マンにとっては死活問題であるため、不動産情報をライバルに秘密にするケースが多いといえます。

双方の代理を一人が行うことは民法で原則禁止

「美味しい話はここだけの話にしておく」「秘密は自分の顧客だけにそっと教える」といった悪しき慣習が、今回、明るみに出てしまったというわけです。本来、双方の代理を一人が行うことは民法で原則禁止とされ、諸外国では売主側と買主側で別の不動産会社を使うのが常識です。

近い将来、インターネットを使った不動産仲介の時代がやって来ます。今後はインターネットの得意な大手企業に依頼が集中し、零細不動産会社が駆逐されてしまうかもしれません。現在、「顧客の囲い込みが問題だ」という話題が出るのは、こうした背景も一因となっています。

規制されたとしても抜け道が発見される

では、顧客の立場に立ってみるとどうでしょうか。筆者は先日、某大手不動産会社にマンションの仲介を依頼し、その不動産会社が連れてきた買主と契約を締結しました。某不動産会社は報酬の「両手取り」になりましたが、対応に何の不満はなく、正直良かったと思っています。

秘密は、不思議な連帯感を生みます。売主と買主が、不動産というモノを通じて、大切な財産を誰にも知られずに取引をした。それが大手不動産会社の手の平の上だったとしても、それのどこが悪いのでしょうか。将来、こうした囲い込みが規制されたとしても、「両手に花の蜜の味」が変わらない限り、不動産業者はお花畑につながる抜け道を発見するに違いないと思われます。

(中山 聡/不動産鑑定士)

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