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【変わりダネ基地局探訪記 その4】 世界遺産の村に電波を届ける基地局は「合掌造り」?

デジタル・IT

スマホやケータイは電波でネットワークとつながっている。その中継地点となっているのが「基地局」だ。全国にある基地局の多くは電柱のようなコンクリート柱や鉄塔にアンテナを付けたオーソドックスな形をしているが、なかには個性的な特徴をもったものもある。こちらの連載では、TIME & SPACE編集部が各地をめぐり、そういった「変わりダネ基地局」紹介していきます。


合掌造りによく似た屋根の両脇に、2本の支持柱と、その先端に3本のアンテナを携える馬狩基地局。よく見ると、基地局の左手奥に合掌造りの家屋が見える

世界遺産の村に電波を届ける基地局

合掌造りの集落が世界遺産で有名な白川郷(岐阜県大野郡白川村)。1995年に世界遺産に登録されて以来、観光客が急増し、今では国内外から毎年150万人前後が訪れる。近年のスマートフォンの普及により、撮った写真をそのままSNSにアップする観光客も増えている。そういった使い方が可能なのは、世界遺産の白川郷に電波を届ける基地局があるからだ。

その白川村に、合掌造りと見紛う屋根をまとった基地局がある。その姿を確かめるため、TIME & SPACE編集部は現地へと向かった。取材を行ったのは4月下旬。遠慮がちだった今年の春も、東京にようやく暖かさがやってきたころのことだ。

現地の天候を気にしつつ、東海道新幹線で名古屋に向かう。そこからレンタカーに乗り込んで、白川郷を目指す旅路だ。名古屋も春らしい陽光に包まれていた。取材の滑り出しとしては上々だ。

名古屋から白川郷へは、東名高速、名神高速を経て東海北陸自動車道を走り抜けて3時間ほどかかる。後で村の人に聞いたところによれば、東京から白川郷へは、今年3月に開通した北陸新幹線とクルマを組み合わせるのが早いとのこと。北陸新幹線で金沢の手前の新高岡駅まで行き、そこからはクルマを使う。新幹線は3時間弱、クルマはおよそ1時間、合わせて4時間前後。名古屋経由だと、東京‐名古屋で1時間40分かかるから、30分から1時間弱は短縮できそうだ。白川郷への観光の際の参考にしてほしい。

肌寒い世界遺産の集落で見たもの

岐阜県は、北部に北アルプス(飛騨山脈)がそびえ、県土の大半は山塊に覆われている。そのため、名古屋からクルマで北へ向かうとすぐに、名古屋市や岐阜市のある濃尾平野を抜けて山間部に入る。

名古屋を出発して2時間ほど経っただろうか。いくつものトンネルを抜け、山の気配が色濃くなると、東海北陸自動車道のところどころの道端に溶け残った雪が見える。

白川郷は、豪雪地帯として知られる。取材では、屋根に雪をいただく合掌造りを見ることになるのだろうか――。テレビや写真で目にしたはずの光景が、ふと頭に浮かぶ。だが結局、その期待は肩透かしで終わった。白川郷ICで東海北陸自動車道に別れを告げると、雪は高速道路の車窓の風景と同じく、ときおり傍らに見かけるばかり。少しばかりの落胆と、東京の春の暖かさに誘われ軽装で来た我が身を振り返り、ほっと胸を撫で下ろす。それでも、クルマの外に出ると、春の日差しのなかにも空気には冷たさが残る。真冬の寒さは、こちらの想像を超えているに違いない。この地で暮らす人の苦労が偲ばれる。

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