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昔の写真技術を現代に蘇らせた東京谷中の『湿板写真館』に行ってみた

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東京都の谷中に、湿板写真技術を復活した『湿板写真館』がオープンしたというので行ってきました。

湿板写真技術とは、1851年にイギリスのフレデリック・スコット・アーチャーが発明したもの。撮影直前にガラスへ感光剤を塗り、5秒~15秒ほどの露光時間の後、現像、定着まで一気行う写真技法。日本では江戸時代に渡来し、坂本龍馬始め幕末に活躍した人たちの姿を現代に伝えた技術。

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『湿板写真館』を知ったのは、谷中の「ゆうやけ段々」という野良猫の聖地を求めて訪れた時の事。当日はあまりの人出に残念ながら野良猫たちに会うことはできず断念。
しかたなく通りをぶらぶら散歩していたところ何となく入った古本屋で面白そうなチラシを発見しました。チラシによると、なんと幕末の写真技術を再現した湿板写真館というものが谷中にあるそうなんです。

予約の上、後日訪れてみたところ、いかにも昭和の雰囲気を漂わせる建物がそこにありました。この時点でワクワクしてきます。
ちなみに、価格は一枚1万5千円からで撮影してくれます。

普段僕は1960年に勃発したベトナム戦争時代の、アメリカ軍装備でサバイバルゲームを楽しんでいるので、そのレトロな色合いで自分がどんな感じになるのか、そのままの扮装で撮影に挑みました。

スタジオ入りしてみると中は10メートル四方くらいの広さ。120年くらい前のエドイツ、ミール・ブッシュ社製のレンズを使い、写真館の店主でありカメラマンの和田高広さんに撮影していただきました。

この湿板写真を撮影するには、首押さえという器具で頭を後ろから見えないように押さえて、先にも紹介した通り何秒間かじっと動かないでいなければなりません。坂本龍馬の撮影は20秒と言われているそうです。
カメラマンの和田さんによると、『湿板写真館』ではライトを研究して、時間短縮に成功しているそうです。でもそれでも6秒前後はじっとしていなければなりません。

そして、出来上がった写真と以前同じ扮装で撮影した写真です。
被写体の外観が、湿板写真ではかなりハッキリとしているのがわかります。

僕の場合、軍服やエアガンをより本物っぽく、昔っぽく見せようとクラッシックカメラを始めましたが今回、偶然谷中で湿板写真を撮影することになり、カメラマンの和田氏と会話しながら撮影していて思いました。昔は記念撮影自体が一つの家族イベントで、特別に撮影のために日取りを作りって家族全員が集まり、会話を楽しんだのではないか。

最近では機械自体が高性能、小型化していることもあり、どこでも撮影でき撮影自体ほんの一瞬ですませられます。
現像もネットにつないで申し込むだけて手元にすぐ届く手軽さ。ただ、手軽になった反面、1枚1枚の写真が以前より大切にされていない。そんな気がするのです。
対し、湿板写真の場合には、撮影するだけでも時間がかかり、さらに現像にも手間暇がかかります。ただ……手間暇がかかった分、絶対に長く大切に手元に置いておく写真になると思います。時代とともに置き去りにされた写真に対する考え方。この写真館はそんな大切なことも思い出させてくれるような気がします。

▼湿板写真館
・東京都荒川区 西日暮里3-2-1
・予約制 ※詳細は公式サイトにて確認してください。
http://lightandplace.com/

(取材:鉄砲蔵)

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