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教育熱心なワーママは悪?子どもが「遅くまでお勉強」問題の本質

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共働き家庭の増加で遅い時間まで対応する塾が増加

共働き家庭の増加に伴い、夕方少し遅めの時間に習い事へ通う子どもたちが増えているようです。そんな状況を受け、水泳や空手、ピアノといった実技系の習い事だけではなく、国語や算数、英語といった学習系の教室も遅い時間まで対応するようになり、教育熱心な母親から好評を博しています。

筆者の教室でも、一人で自宅にいればテレビやゲームなどの誘惑に負けて勉強がはかどらないため、塾に居残って復習をしながら仕事帰りの母親を待つ小学生がいます。また、自習室代わりに使うよう奨励していることもあり、塾の予定がない日も学校帰りや学童の後に自発的に教室へ立ち寄り、宿題を片付けてから帰る生徒さえいます。

習い事へ通わせることだけが教育ではない

家事に協力的な男性が増えたとはいえ、まだ母親が子どもを迎えに行くケースが圧倒的に多いのが現実です。社会全体で働く女性を支援し、子どもには安全な居場所を提供するという観点からも、こうした受け入れ先が増えていくのは、教育産業として積極的に協力すべき取り組みだと思います。

しかし、「遅い時間まで子どもに勉強を強制するのはいかがなものか」との意見もあるように、親の都合に合わせることを優先するのではなく、あくまで子ども自身が習い事へ通うことを望んでいることが大前提です。習い事へ通わせることだけが、子どもの教育ではありません。

教育と家事を完璧にこなすという強迫観念

雑誌「AERA」で取り上げられていましたが、日本では「テキトー」に済ませることを許さない「良親幻想」が強く、自身のキャリア構築と子どもの教育の両立は当たり前で、それに加えて家事も完璧にこなすという強迫観念に囚われている親が多いようです。私がこれまで接した保護者の中にも、似たような傾向の母親がいました。

そんな母親は、子どもと十分に接していないという負い目があってか、仕事へ行く前に一から十まで全て周到に用意を行います。すると、子どもは何も考えずに母親の指示通り動くようになります。そうした余計なお節介があだとなり、子どもの自己判断力や主体性の芽を摘んでしまうのです。また、日常生活で自分の頭を使って考える機会が減り、勉強でも同じようなミスを重ねたり、忘れ物もなくなりません。「子は親を映す鏡」』ではありませんが、親が完璧であればあるほど、子どもが育たないという皮肉な例です。

同じ共働き家庭でも接し方で子どもの成長は大きく変わる

一方、意図的かどうかは別にしても、子どもは放っておかれれば自分で処理する必要に迫られ、結果的に自立心や行動力が育まれます。昔から「親はなくとも子は育つ」と言いますが、普段から目的だけを示し、手段は子ども自身に考えさせるようにすると、勉強でも同じ指示を繰り返さなくとも、経験を生かして処理できる応用力が培われるようです。

問題なのは「遅くまで勉強させている」ことではなく、時間がない中でも、親が子どもにどう接しているかではないでしょうか。同じ共働きの家庭でも、親の接し方次第で子どもの育ち方が大きく変わることを感じます。

(小松 健司/個別指導塾塾長)

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