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ただの「物見遊山」に終わらないための京都巡り その深い味わい方とは

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 日本を代表する観光地であり、国内外から多くの観光客が訪れる地、京都。なかでも、寺社仏閣でいえば清水寺、南禅寺、金閣寺に銀閣寺、食であれば京料理、お土産といえば八つ橋といったように、いわゆる定番どころの周りには多くの観光客の姿が見受けられます。

 京都にはさまざまな名所・名物があるにも関わらず、長年に渡って定番どころの人気が衰えることがないのは、それだけ人びとを惹きつける魅力があるということ。しかし、こうした定番どころを訪れたはいいものの、なんとなく知ったつもり、見たつもりになっているだけ、という状態になってはいないでしょうか。

 そんな時は、書籍『京都の定番』。著者であり、京都に生まれ育った柏井壽さんは、「『東寺』は五重塔のみにてあらず。『金閣寺』は金閣のみにてあらず。『清水寺』は舞台のみにてあらず。その思いを持って、名所を巡ってみたい」(同書より)と、今一度、独自の視点をもちながら京都の定番どころを辿ってみることで、その魅力を探ろうとします。

 名所を巡る際の視点の持ち方。柏井さんは、「名物、名景だけを見ていたのでは、ただの物見遊山に終わってしまう。その名所へと辿る道筋、周辺にあるゆかりの地まで対象を広げると、様々な物語が浮かび上がってくる。これこそが名所再見の勘どころである」(同書より)と指摘。

 たとえば桜を愛でる際にも「その花だけを見るのではなく、後ろにある背景、花を包む空気をも合わせて眺めることが、京の花見の醍醐味。更には古人の歌や文、辿る歴史とも重ね合わせ、古きに思いを寄せてこそ、都の花をより一層味わい深くさせる」(同書より)のだといいます。

 そして、こうした視点は「食」にも及びます。

 京都を訪れたならば、是非とも食したい定番・京料理。しかし、なかなか敷居が高そうだ、という方には、手軽に京料理を味わえる、京料理弁当がおすすめだといいます。

 いまやデパ地下などで一年中見かけるお弁当ですが、本来は、野にあって食べるもの。そのため、気候の良い春の桜から秋の紅葉までのものであり、京都には、法然上人の忌日を目安とした「弁当始め」、親鸞聖人の忌日を目処とした「弁当納め」があったのだとか。

「法然上人の忌日は元来一月だったのだが、『知恩院』では〈御忌大会〉として四月十八日〜二十五日に忌日法要を行っている。寒さを避け、多くの信徒が出向きやすいようにとの配慮だったのだろう。「知恩院」最大、かつ最重要な法要に参列し、近くの円山公園辺りで弁当を広げる。京の弁当はここから始まったと言われる」(同書より)

 お弁当の背後にも浮かび上がってくる京都の風習。定番どころに接するにも、視点を変えてみることで、定番が定番として長年愛される本当の魅力に気がつくことができるかもしれません。

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