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通信速度表記が変わる?総務省の狙いとユーザメリットは

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総務省の「インターネットのサービス品質計測等の在り方に関する研究会」は、2015年5月21日から6月19日までの間、「移動系通信事業者が提供するインターネット接続サービスの実効速度計測手法及び利用者への情報提供手法等に関するガイドライン」(案) への意見を募集しています。
この文言をみただけでも難解で分かりにくそうですが、ざっくりというと「携帯電話会社(キャリア)の通信速度の計測・表記にルールを設けるから、意見をちょうだいね」ということです。

なぜルールを設けるのか。どのような計測・表記案が出ているのか。 ルール変更後に業界がどう変わっていくかを解説します。

 

キャリアの表記速度は絶対に出ない!?
携帯電話やスマホは通話だけでなく、通信してメールやインターネットを使うことができます。特にスマホは小さいパソコンと形容されるほど、インターネットへの接続が前提のため、通信速度が重要。通信速度が速ければインターネットサイトの読み込みも速く、閲覧は快適ですが、遅いと接続に時間がかかるため、使っていてストレスを感じてしまいます。

そのため、キャリアはテレビCMや店頭などで通信速度の速さをアピールします。「下り最大○○○Mbps」などと表記されているのが通信速度です。

ここで注意したいのは「最大」と記されているところ。キャリアのモバイル回線は「ベストエフォート」と呼ばれる表記を採っています。直訳だと「最大限努力します」で、例えば「下り最大150Mbps」と宣伝をしている携帯電話会社の場合は、「150Mbpsが理論上の最速値で、そこに近づくように頑張ります」という意味です。

モバイル回線は電波を使って通信をしますので、基地局からの距離・角度・障害物の有無などで通信速度はどんどん落ちていきます。また1つの基地局に接続するユーザが増えれば、やはり速度は落ちます。 つまりモバイル回線の速度は水物で、広告でうたっている速度と体感する速度には、差が出やすいのです。

 

今回の総務省の動きは、実際の使用環境で通信速度を測定した実測を、理論値と併せて表記するようキャリアに求めるものなのです。

 

総務省が提案する新ルール
こうした経緯を踏まえて、総務省では通信速度の計測・表記の統一ルールを定めたガイドライン案を公開し、募った意見を踏まえて正式決定する予定です。

ガイドライン
通信速度をユーザに分かりやすく伝えるために、計測のルールは本当に細かく指定されています。

1.計測場所
2.計測時間
3.計測回数
4.計測項目
5.データの集計方法
6.計測頻度
7.計測端末
8.計測ツール

上記8つの項目に更に細かい条件を加え、各キャリアで差が出ないようにしています。

正式決定までに多少の変更はあると思いますが、ここまで細かく計測すれば現実に即した数値を測ることができそうです。
また、計測した速度の表記については「ユーザにとって分かりやすく、誤認しにくいこと」「ユーザにとって必要と思われる情報を出すこと」という考え方の下、ホームページ・CM・カタログで訴求することも定められています。

 

 

この変化がどのように影響するのか
キャリアはこれまで、理論上の最高速度だけをアピールしてきましたが、今後は実測に限りなく近い速度が表記されることになります。契約前に分かりやすい数字を見ることができるようになるため、ユーザがキャリアを選択する際に影響するようになるでしょう。


また、通信のスムーズさが明確になるため、各キャリアとも今まで以上に設備投資に注力するようになるかもしれません。そうなれば、ユーザはさらに快適な通信環境を手にすることができるのではないでしょうか。

今回のガイドラインでは、ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアが適応されていますが、今後MVNOも対象にすることが検討されています。そうなれば、格安SIMも選びやすくなるかもしれませんね。

(文:モバイルプリンス)

 

 

 

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