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ジブリ出身の新鋭アニメーター・新井陽次郎監督に注目 初監督作『台風のノルダ』について聞いてみた

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新進気鋭のクリエーターたちが集結する注目のアニメスタジオ・スタジオコロリド。『陽なたのアオシグレ』以来2年ぶりとなる最新作『台風のノルダ』が、6月5日(金)より全国ロードショーとなります。スタジオジブリのアニメーターとして、『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』などに参加した経歴を持つ新井陽次郎監督が手掛ける本作。キャラクターデザイン・作画監督は、ショートアニメ『フミコの告白』で第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞など数々の賞を受賞している石田祐康氏が務めています。

ガジェット通信は本作で劇場映画監督デビューを飾る新井陽次郎監督にインタビューを実施。ジブリ時代のお話や『台風のノルダ』公開直前のお気持ちなどを伺ってきました。

<ストーリー>
舞台はとある離島、文化祭前日の中学校。幼いころからずっと続けていた野球をやめたことがきっかけで親友の西条とケンカした東は、突如現れた赤い目をした不思議な少女ノルダと出会う。「“地の渦”と“空の渦”と“私”が一つに繋がれたとき、この星は生まれ変わる…」。その頃、観測史上最大級の台風が学校を襲おうとしていた──。

ジブリからコロリドへ

――まず初めに、監督がアニメーターを目指したきっかけを教えていただけるでしょうか。

新井監督:『交響詩篇エウレカセブン』でキャラクターデザインを担当された吉田健一さんの絵が好きで、作品をたどっていったら吉田さんの出身であるジブリに行き当たったんです。ジブリで働いてみたいなって思ったのが高校3年生の時ですね。

――アニメ作品の中でも、やはりジブリは特別だったのでしょうか?

新井監督:ロボットアニメとかも大好きでしたが、ジブリは“映画”としてとらえていたというか、同じアニメでもテレビ作品とは別物という意識が小さい頃からありました。だから、もしアニメーターを目指すなら、ジブリのような質の高い劇場アニメを作ってみたいと思っていました。

――ジブリでは長編の劇場版にも携わっていますが、どんな担当をされていたんですか?

新井監督:僕は動画(アニメーションに動きを付けるために原画と原画の間に挟む絵)を担当していました。下っ端だったので、『風立ちぬ』の時も宮崎駿さんとは同じ空間にいるだけで、ほとんど話すようなことはありませんでしたね(笑)。でもテレビでよく見るような、あのままの感じの方ですよ。

――仕事術として今に活かされていることはありますか?

新井監督:在籍期間は3年くらいなんですが、絵作りの面では大きな影響を受けていると思います。ジブリの絵はカメラをあまり動かさず、キャラクターを動かすことできちんと芝居をさせるんです。

――確かに今作でも人物が豊かに動いていると感じました。その後、スタジオコロリドに在籍するきっかけは?

新井監督:石田祐康くんを通じて紹介してもらいました。彼とは学生時代にイラスト投稿サイトの『pixiv』で知り合ったんです。僕がジブリ在籍時に彼の『フミコの告白』が話題になって、自分も作品を作りたいと思ってAE(アフターエフェクト)の使い方など個人でアニメを作る方法を聞いたりしてました。そうこうしているうちに、彼は杉井ギサブロー監督の『グスコーブドリの伝記』に携わって、立ち上げ後すぐのスタジオコロリドに入って……、ジブリの下っ端として過ごしていた自分にとっては凄く刺激を受けたんですよね。ちょうど石田くんに誘ってもらったこともあって、思い切ってそっちに飛び込んでみた方が自分のためになるんじゃないかと思ったんです。

台風のワクワク感を表現


――『台風のノルダ』はもともと構想があったのでしょうか?

新井監督:ジブリ時代から考えていました。とある離島に台風が来て、生徒たちが中学校に閉じ込められてしまって一晩を過ごす物語を描きたいなぁと。ちなみに、島の地形は江の島と能登半島を組み合わせたカタチになっているんですよ。

――言われてみれば、確かに江の島ですね(笑)。製作期間は?

新井監督:企画会議や絵コンテを描いていた期間を含めると、昨年の4月から1年くらいかけて完成しました。それでもとにかく時間が足りないとう感じでしたね。


――やはり本作のようにファンタジー要素のある作品がお好きなんですか?

新井監督:ファンタジーは好きです。でも完全なファンタジーというよりは、日常の中に潜むファンタジーというバランスを意識しました。


――全編を通して台風の描写がとても印象的でした。

新井監督:幼少期の台風が来るワクワク感を映像に落とし込みたいなと思ったんです。

――もしかして、相米慎二監督の『台風クラブ』はお好きだったりしますか……?

新井監督:モチーフとして取り入れています。あの独特の雰囲気やワクワク感、人物の危うい感じが凄く良いですよね。

――やっぱり! 観ていて連想しちゃいました。監督として作品に携わってみて、これまでと一番の違い、難しかった点は?

新井監督:“物語を作る”ってことですね。これまでストーリー作りの訓練をしてきたわけではないので、ドラマを描くってこんなに難しいのかと。型を知らないと感動を伝えるのは無理だと思って、シナリオの書き方に関する本を読んだりしつつ、構成に関してはプロデューサーに付きっきりで指導してもらいました。脚本を書かずに絵コンテからスタートしたので、とにかく試行錯誤の繰り返しでした。



――いよいよ公開間近ですが、今のお気持ちは?

新井監督:うーん、どうなるんだろうなぁって感じです……。もちろん不安はありますけど、もう完成したのでなるようになれと(笑)。作品では2人の男の子の友情を描いていて、僕は西條というキャラクターが凄く好きなんです。彼のようにまっすぐで素直な人間になりたいなぁと。映画を観た人たちが同じような気落ちになってくれたら嬉しいです。“素直に話すことで分かり合える”というテーマを含んでいるので、自分の身の周りに重ね合わせて何かを感じ取ってもらえたら良いですね。

――今後のご活躍も応援しております。本日はありがとうございました!

新井陽次郎(あらい ようじろう)
1989年埼玉県生まれ。2008年にスタジオジブリに入社。2012年よりスタジオコロリドに所属。ジブリ美術館短編『たからさがし』や『パン種とタマゴ姫』『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『風立ちぬ』にアニメーターとして参加。2012年『陽なたのアオシグレ』でキャラクターデザインと作画監督を務める。ほか、アートプロジェクト『Control Bear』のPV『WONDERGARDEN』で監督を、フジテレビ・ノイタミナ10thスペシャルアニメーション『ポレットのイス』でキャラクターデザインとアニメディレクターを務める。本作で劇場作品監督デビューとなる。

「台風のノルダ」予告(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=bvtfTS01O9w

映画『台風のノルダ』公式サイト:
http://typhoon-noruda.com/

(C)2015 映画「台風のノルダ」製作委員会

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記者:

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

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