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新しい住まいのカタチ(1) 佐々木俊尚さん ~多拠点居住~

都会と地方。買うと借りる。新しい住まいのカタチを考えよう

『キュレーションの時代』『ネットがあれば履歴書はいらない』などの著作で知られる作家・ジャーナリストの佐々木俊尚さん。4年前から2拠点生活をはじめ、この5月から福井にも拠点をつくり、1カ月のうち3週間は東京、1週間は軽井沢、2〜3日は福井、という3拠点での生活をスタート。住まいに何を求め、どんな価値観・背景で多拠点居住というライフスタイルに行きついたのでしょうか。【連載】新しい住まいのカタチ家を買うか借りるか、住むなら都心か地方か。永遠のテーマともいえる“住まいのあり方”を考える連載です。
ひと昔前までは、「郊外に庭付き新築一戸建てを買う」という、住まいのアタリマエがありました。でも、ひとり暮らしや夫婦共働きが増え、都心部ではタワーマンションが建設ラッシュ。一方で、地方移住が関心を集めていたり、古民家リノベが注目されたり。住まいのアタリマエは時代とともに変わり、そしてひとつである必要もありません。この新連載では家を買うor借りる、住むのは都会か地方か、その暮らし方について、識者のみなさんと探っていきます。今の自分にちょうどいい。東京・軽井沢・福井の三拠点生活

軽井沢や福井にも、東京の住まいと変わらずに衣服や生活に必要な食器・家具家電類を置き、「旅」と「暮らし」がシームレス。こうした多拠点生活をはじめるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災。東京一カ所集中ではなく、住むエリアを分散させ、リスクヘッジをしたいと思ったからだそうです。

「都内とは別にもう1拠点を構えるにあたり、たくさんの地域・物件を見ましたが、住まいの数も多く、車や新幹線でもアクセスしやすい軽井沢に落ち着きました。ヨソモノも受け入れてくれる風土だし、食事や買い物にも不自由がない。野菜は抜群に美味しい」と軽井沢で暮らす魅力を話します。

今でも多くの時間を過ごす東京の価値を、「人に会えること」だと分析しつつも、東京で過ごしていると「日々の仕事、できごとに押し流されている」と感じるのだとか。今では何もすることがなくても、軽井沢に行き、思考整理する場所、執筆に集中する「スイッチ」を入れているのだそう。

また、福井県にはもともと知り合いが多く、何回か遊びに行くうちに、越前町の陶芸工房でイラストレーターである妻の松尾たいこさんが、陶画作品(陶板に絵を描いたアート作品)をつくるようになったという経緯があり、拠点をおくことに。住まいは空き家だったため、家賃は1万8000円と格安。自然と行き着いた3拠点の暮らしは、佐々木さん自身、「今の自分にあっている」といいます。

【画像1】軽井沢・東京と移動することで、「自動的な気分転換になる」(写真撮影:藤本和成)

【画像1】軽井沢・東京と移動することで、「自動的な気分転換になる」(写真撮影:藤本和成)人生を変えるシンプルな方法は、「引越し」だ

佐々木俊尚さんは、もともと住まいは買うより「借りる派」。その理由はというと、「住まいには完璧がないから。そして一カ所にいると飽きるから。そもそも引越しが好きだし、変わった家に住みたいしね」と語ります。

続けて「自分をドラスティックに変えることはできないけど、住まいや環境を変えることはできる。人は少なからず、住む場所・街に影響を受ける。自分や周囲の状況にあわせて、いつでも環境を変えられる状態でいたい」といい、会社員時代も、その後、独立してからも、都内の住宅地をおおよそ2~3年で引越してきました。

例外は以前に住んでいた都内の5LDKで、居心地が良く7年も暮らしていたのだとか。ちなみに、軽井沢の住まいも実は2軒目で、一度、引越しを経験。その際は、既知の不動産会社の担当者から連絡があり、入居者を決めてから間取りなどを決めていく「カスタマイズ賃貸」を利用することに。

「夫婦ともに家で仕事をするのでそれぞれの仕事部屋と、寝室が必要だから、間取りは3LDK。犬を飼っているので床はカーペット貼り、ウッドデッキをつけてもらいました」。その結果、賃料はやや高くなったものの、断熱性や水抜きが不要になるなど(※)、ぐっと住みやすくなりました。では、家を所有することついて、興味はないのでしょうか。

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