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第9回 留置場検査事情

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 留置場内では身体検査もある。半月に一度ほどと、かなりの頻度で実施されている。といっても、大仰なものではない。検査に呼ばれて居室を出て、戻ってくるまでが5分くらいしかないのだから、それだけでも大したことのない検査と分かる。

 検査に呼ばれて行くと、医務室の前に簡易な体重計があり、各自で体重を測定する。運動をしないわりには減少していた。別に、その記録をとるというものではなく、自分で体重を確認するだけのことである。

 体重を測定して、呼ばれて医務室に入ると、かなりご老体のお医者さんが待機している。見た目で判断をしては悪いと思うが、一見してこのお医者さん大丈夫かなと思うほどのご老体である。

 血圧測定がなされ、胸と背中に合計で10秒ほどの聴診器での検査。たちまちに「異常なし」と宣言されて終わりである。私は高血圧で、しかも拘束状態でかなり血圧が上っていたはずである。ご老体に、「高血圧ですが、大丈夫でしょうか」と聞いたら、「様子みて」の一言で終わってしまった。留置場内で、何をどのように様子見すればいいというのだろうか。事後的な手当もなかったし。身体検査を実施したとの形式が欲しいのではないかと疑ってしまう。

 房内検査というのもある。居室内の検査である。これは10日に一度ほどの割合で行われている。しかし、身体検査と異なり、かなりの時間をかけて、念入りに行われる。朝食後すぐに、大勢の係官がやってくるので、検査の日だと分かる。検査は、二部屋程度ごとにまとめて行われる。

 「検査」との掛け声で、その二部屋の者は全員外に出され、手錠腰縄状態で一人に一人の警察関係者が付き添い、部屋と反対側の壁を向いて、検査終了まで待たされる。かなりの厳重さで驚く。

 反対側の壁を向いているから、何もない部屋であるにもかかわらず(各自の毛布しかない)、どのような場所をどのように検査しているかはまるで分からない。運動時間に聞いてみると、留置場係官は親切に教えてくれた。係官いわく、どこを重点的にいかなる方法で検査をするかが明らかになると、それをかいくぐる者が出てくるので見せないようにしているとのことだった。こういうところは徹底している。

 検査とは話が違うが、散髪のことにもついでに触れておく。散髪は、事前申込の予約制である。起訴前の期間は取調べもあることから、散髪が入ることはない。それを知らず起訴前に散髪の予約をしていたのだが、散髪のことなどすっかり忘れていた起訴後に散髪があった。

 外部から理容師が週に何回かくるらしい。というよりも、ある程度予約の人数がたまると、警察からの呼出しを受けてくるらしい。おそろしく下手だという噂を聞いていたが、実際には普通の理髪で何の問題もなかった。

 留置場を出ると係官がタバコを持ってきてくれ、理容室へ向かう。留置場を出て、右に廊下をまっすぐにいった左手にある。おばさんの理容師だ。話好きで、刈り終わった後も、係官に「もう1本タバコいいよね」と頼んでくれたのがうれしい。タバコを吸っている間、ガムテープで体をペタペタとして、切り落ちた小さい髪をとってくれる。「こうやって若い人の体を触るのが好きなのよね」と宮崎弁で言ったのが面白かった。拘置所でも散髪はあるが、丸刈りしかできないとのことで断った。当然ながら刑務所は強制的な丸刈りである。(つづく)

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第9回 留置場検査事情

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