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こんな古民家に住みたい! 成功の秘訣とリノベのコツ

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古民家が静かなブームになっている。日本の伝統的な構法で建てられた古民家には、先人の知恵が活かされている。その趣ある古民家をリノベーションして再利用した事例が、多くはないが継続的に見られる。どうしたら古民家を再利用できるのか、事例とともにリノベーションのコツを紹介しよう。
昭和初期の古民家を自宅兼事務所にリノベーション

まず、築80年を超える古民家をリノベーションした事例を紹介しよう。

杉並区にあるこの古民家は、昭和初期に和菓子店として建築されたもの。一級建築士である相原まどかさんと山崎敏幸さんご夫妻が買い取って、自宅兼事務所(YUUA建築設計事務所)としてリノベーションした。

外観で特徴的なのは、前面に大きく張り出している屋根の軒(のき)(下の写真参照)。これなら、「軒先を借りて雨宿り」といった今は昔のことができそうだ。和菓子店の面影を残す、広い土間も趣がある。なんともいえない開放感と落ち着ける感覚は、広い土間ならでは。

リノベーションでは、耐震性を高めるために筋交い(すじかい)や貫(ぬき)を補強し、断熱材を追加しているが、基本部分はそのまま使っている。一方で内装については、オリジナルなアイランド型キッチンを入れたり、キッチンや床を左官の手仕事となる「カナリア石人研ぎ仕上げ」にしたりと、ご夫妻の好みに合わせて大幅に改修した。

古民家特有の良さを活かしながら、快適に暮らせるように大改修を行うのは、建築家として腕の見せ所だ。リノベーションに当たっては、木材が多用されているので木の特性についてかなり勉強したという。

【画像1】(左)天井が高い広い土間 (右)土間から上がると相原さんオリジナルの大型キッチンなどの水まわりとワークスペース。キッチンと床はカナリア石を使っている(写真撮影:山本久美子)

【画像2】前面に張り出した大きな軒。出桁(だしげた)や腕木(うでぎ)など伝統的な構法は見た目も美しい(写真撮影:山本久美子)古民家を手に入れるのに重要な、意外なもの

筆者にこの事例を紹介してくれたのは、ステージワークスの瀬下優一さん。家を建てる人の側に立って設計や施工のコーディネートをする仕事をしている。事例の相原さんは、ステージワークスのパートナー建築家でもある。パートナー建築家には、京都で古民家の改修を数多く手がける多田正治さんと遠藤正二郎さんもいる。

【画像3】多田正治アトリエ&ENDO SHOJIRO DESIGNが手掛けた、京都精華町の古民家(写真提供:Kohei Matsumura)

最近は古民家を再利用しようと考える若い人も増えているが、実際に古民家を探したり、改修したりするのは、ハードルが高いと感じるだろう。古民家リノベーションの進め方のステップやコツを、瀬下さんに聞いてみた。

意外なことに、まず重要なのは資金計画だという。古民家は築年が古いので、融資を受ける際に担保価値を低く見られがちだ。思うように住宅ローンが借りられない場合もあり、どこから借りるか、自己資金とローンをどう組み合わせるかなど、マネープランを練ることが第一の関門だという。そのために瀬下さんは、最初にファイナンシャルプランナーを紹介して、お金の問題に見通しを立ててからスタートさせるようにしている。

次に探し方だが、古民家に強い地元の不動産会社を利用する方法もあるが、自分で見つけてくる人も多いという。古民家に興味を持つ人は住まいへの関心や意欲が高いので、自分で街を歩いて古民家を見つけると、近所の人に所有者を尋ねたりして、不動産会社に交渉を依頼するというのだ。

東京であれば武蔵野エリアなど、古民家がまだ残っているエリアを狙い撃ちするという方法もある。ちなみに、事例の相原さんは「古家付き土地」として、杉並の古民家に出会った。中古の住宅だけでなく、古家付きの土地という探し方もありそうだ。古民家リノベーションはパートナー探しが重要

しかし最も重要なのは、リノベーションの依頼先選びだ。家を見つけてからリノベーションの依頼先を決めるのではなく、古民家探しの時点から一緒に探してくれる建築家を見つけるのがよいという。古民家の構造や現況によっては、希望通りの改修ができない、予算より費用がかかるといったこともあるので、購入する際に助言をもらうことも成功の秘訣だ。

実際に依頼先を選ぶ際には、古民家のリノベーションは特に労力がかかるので、「手は掛かるけど面白い」と言ってくれる建築家を選ぶのがポイントで、実績や作風だけで選ばないというのも注意点ということだ。

実際の施工に当たっては、木材の特性を理解している必要があるので、施工会社も重要ではあるが、建築家が目利きをしてくれるので、あまり心配することはないそうだ。

再利用できる古民家を見つけ、安全で快適に暮らせるようにリノベーションするのは、簡単なことではない。住みたいという人の立場になって、労を惜しまず知恵を絞ってくれるパートナーを見つけることが、成功へのポイントのようだ。
そして、自分自身が古民家の良さをきちんと理解して、さまざまなハードルを楽しめることが、最も大切なことかもしれない。●取材協力
STAGEWORKS
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/05/26/90814/

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