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プレミアム商品券で地域に格差 シャッター通り再興は無理か

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 1口1万円の商品券で1万3000円分の買い物ができる――。いま、全国97%の自治体では、地元商店街やスーパー、レストランなどで使える、こんな「プレミアム商品券」発売の事前申し込みが佳境を迎えている。

 これは国が「地方創生」を目的に、平成26年度予算に計上した自治体向け交付金の一部(1589億円)が使われている“緊急経済対策”の一環。商品券の購入額に20~40%程度のプレミアム分を上乗せすることで消費拡大を促し、昨年の増税以降に続いている節約志向に歯止めをかけたい考えだ。

 しかし、人気の程度は地域によってバラツキが出てしまっているのが現状だ。

 例えば千葉県では、4月24日から3万6000セットを発売した茂原市のプレミアム商品券が3日で完売したり、昨年も発売して完売した千葉市が過去最大級となる25万セット、30億円分を売り出すと話題になったりする一方で、柏市のように低調な申し込み数に頭を抱えている自治体もある。

 柏市では5月1日よりプレミアム率30%、市内1000店舗以上で使える「プレチケッ!かしわ」(1口1万円)の応募申し込みを始めているが、5月中旬になっても申請率は2割台と伸びず、急きょ、チラシの配布を拡大し、二次募集の検討も始めているという。

 そもそも、商品券の発行規模や人気にかかわらず、地域振興の波及効果に疑問を投げかける向きもある。第一生命経済研究所の主席エコノミスト、熊野英生氏がいう。

「店側としては、いつも買ってくれているお客さんの現金が商品券に入れ替わるだけでは売り上げの大幅アップは見込めません。大きな需要創出があるとすれば、もともと知名度があって、たまにしか来ない人を呼び込める競争力のある店などで、シャッター通りの商店街が復活する可能性は低い。

 結局、日頃から強い店が交付金の恩恵をもっとも受けることになり、地域振興の目的とは矛盾してしまうのです」

 得した分で消費者が大盤振る舞いをしなければ、消費の総額が増えないというわけだ。事実、プレミアム商品券の購入を考えている人の中には、次のような声が多く聞かれた。

「商品券はいつも食料品を買っている地元のスーパーで使う予定です。3000円のプレミアム分も上手に節約しながら、日用品の買い物で消えてしまうと思います。でも、商品券はお釣りも出ないし、いつもポイントを溜めているカードとの併用も面倒くさそうなので、あまり魅力は感じません」(千葉県在住の40代主婦)

 発行する地域の中には、電子マネータイプで使い勝手を高めたり、特産品が当たるチャンスを設けたりして魅力を高めているところもあるが、前出の熊野氏は「国の交付金を使って一律にやることではない」と否定的な見方をする。

「プレミアム商品券の財源は、消費税が8%になって増えた税収が間接的に使われています。国は本当に財政再建を掲げて地方経済を立て直そうと思っているのなら、ドーナツ化現象を解消させる都心部の街づくりや空き家対策、雇用創出などに税金を使ったほうがよほど実りは大きいと思います。

 自治体のほうも一朝一夕に商品券を販売するだけでなく、B級グルメや特産品のPRなど地域を活性化させるための施策は、自治体独自で地道に継続してやっていくべきです。バラマキ政策を繰り返さないためにも、プレミアム商品券に化けた税金が効果的に使われたかどうか、きっちり事後検証する必要があるでしょう」(熊野氏)

 過去にも「地域振興券」(1999年)や「定額給付金」(2009年)など国主導によるバラマキ政策があったが、今回も税金の無駄遣いに終わるようなら、さらなる消費税アップに国民は納得しないだろう。


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