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モノクロの世界で見つけたオーロラよりも美しく心揺さぶられた風景

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Photo credit: Nitta Hiroshi「2013年 厳冬、北極圏ムールマンスクへの挑戦

こんにちは、TRiPORTライターの新田浩之です。
2013年2月に修学旅行として、ロシア連邦、北極圏に位置するムールマンスクに行きました。「修学旅行」とカッコよく書きましたが、恥ずかしながら2月の時点で内定はゼロ。修士論文を書き終え、気持ちを一新するためにロシアへ向かいました。

2月に北極圏に行く目的は2つありました。1つ目はロシア、ヨーロッパの「厳冬」を肌で実感したいと思ったため。2つ目はオーロラを見るためでした。「北極圏に行けばオーロラが見られるだろう」という、いま思えばかなり楽観的な考えでした。

突き抜ける青空

ムールマンスクへは、サンクトペテルブルクから夜行列車で27時間。ロシア第二の都市、サンクトペテルブルクを9時過ぎに出発します。周りはモスクワやサンクトペテルブルクで働いているロシア人ばかりで、観光客は全くいません。車内は6人部屋1室。寝る・車内のテレビを見る・何かを食べるを繰り返しているうちに、列車はズンズン北へと進んで行きます。

翌日の12時31分、ようやく、世界最北の旅客駅、ムールマンスク駅に到着しました。昼の12時だというのに外は薄暗く、モノクロの世界のようでした。しかし空を見上げると、今まで見たことのない突き抜けるような青空が広がっていました。北極圏なので空が澄んでいるということもあるとは思いますが、このモノクロの世界があるからこそ、青色が際立つのでしょう。そんなことを思いながら、ムールマンスクの青色をしばらく眺めていました。駅を出ると、広場では青空の下で多くの人が楽しそうにスケートをしており、北極圏のほのぼのとした風景がとても新鮮だったことを覚えています。

Photo credit: Nitta Hiroshi「2013年 厳冬、北極圏ムールマンスクへの挑戦

幻想的で孤独感のある風景

ムールマンスクの3日目に、巨大な像が立っている丘に行きました。日本だとピクニック気分で気軽に行ける程度の丘なのでしょうが、-30度の厳冬の中での登頂は困難を極めました。あまりにも寒くて手や顔が痛いのです。そして、足を上げるたびに重く感じる雪…。1時間かけて、最寄りのバス停から息を切らせながら歩き、ようやく丘の頂上に着きました。

丘に立つと、街が海のように雲で覆われています。まるで雲の上に立っているかのようです。そして、モノクロの世界からぼやっと太陽の光を感じられます。周りはものすごく静かで、誰一人もおらず、今まで味わったことのない幻想的かつ厳粛な雰囲気でした。自由のきかない手で何とかデジタルカメラとiPhoneで撮影しましたが、その後全ての機械の安全装置が働き、動かなくなってしまいました。

この雰囲気の中で機械が動かなくなったので、ものすごく孤独を感じました。寒さはもっと厳しくなり、手足がどんどん痛くなってきます。「このままだと凍傷になるかも」と思ったのと同時に「ここまで一人で来られたのだから何でもやれそうだ」という吹っ切れた思いもありました。

Photo credit: Nitta Hiroshi「2013年 厳冬、北極圏ムールマンスクへの挑戦

宿に戻ると、指先が茶色に変色していたので、急いで温水で温めました。そして、カバンの中にあったペットボトルの水には氷が…。そのとき、改めて自然の驚異を感じました。残念ながら、当初の目的であるオーロラを見ることはできませんでしたが、到着時に見た突き抜ける青空と丘の上で見下ろした幻想的な風景は一生、私の心に残ると思います。

(ライター:新田浩之)
Photo by: 新田浩之「2013年 厳冬、北極圏ムールマンスクへの挑戦

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*Nitta Hiroshi「2013年 厳冬、北極圏ムールマンスクへの挑戦

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