仕事が忙しいパパにこそ、住民イベントでの知人づくりが必要?

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仕事が忙しいパパにこそ、住民イベントでの知人づくりが必要?

新居に入居して、お隣やお向かいには挨拶しても、同じタウン内の住民と知り合う機会はなかなかできない。入居後のコミュニケーションはどうすればいいか、そのきっかけづくりに取り組むデベロッパーが増えている。今回は一戸建てタウンでの野村不動産によるハウスウォーミングパーティーに参加してみた。
入居時期が異なる戸建てだからこそ、情報交換の場として重要

最近、マンションのコミュニティづくりが話題にされ、各社がいろいろ工夫を凝らしているが、一戸建てが集まる分譲の場合はどういう状況だろうか。マンションの場合は概ね同時期に入居するが、コミュニティづくりが必要になるような大規模な一戸建ての分譲の場合は、入居が数年単位で異なる場合が多い。野村不動産と野村不動産パートナーズが試みている「ハウスウォーミングパーティー」に参加して現状を取材させてもらった。

野村不動産では、入居直前に開催していた「管理説明会」を「ハウスウォーミングパーティー」にリニューアルし、自己紹介やゲームを通して入居予定者同士がコミュニケーションを持つ機会としている。現在、このイベントは全国で導入され、入居予定者の70~90%が参加しているそうだ。

取材したのは、すでに第5期の販売が始まっている『プラウドシーズン花小金井ガーデンテラス』、全区画80区画の物件だ。すべての分譲地ではなく、ある程度の戸数を持つ物件で「ハウスウォーミングパーティー」は開催される。

当日は雨、しかも3月だというのに相当寒い。驚いたのは、悪天候なのに時間になると入居者の90%以上の世帯に加えて購入検討中の方まで集まってきたことだ。ゲームや有名人の参加など、人を集める工夫が随所にされている。

例えばゲームの際には、街区に関係なくランダムにチームをつくり、競い合う。今回はカップ麺をたくさん積み上げるというゲームだが、今まで声を掛け合ったことがない人と目的を持って何かを一緒にするというのは、知り合いになれるいいチャンスだろう。また勝ったチームには電化製品などの景品が出るのも参加意欲を高めている。

「育休中ですが、仕事に復帰するための保育園などの地域の情報を聞きたくて参加しました」という人もいた。最初の入居からある程度の期間をみて開催するため、先に入居した人から情報が聞けるのも、こういったイベントのいい利用方法だろう。入居時期が異なる住民が知り合える点にも意義を感じた。

【画像1】みんなで協力しあうと、自然と仲よくなれる(写真撮影:四宮朱美)

【画像1】みんなで協力しあうと、自然と仲よくなれる(写真撮影:四宮朱美)住民交流は、むしろ「ふだん家にいる時間の少ない人たち」に必要?

今回のイベントに参加して感じたのは、男性の参加者の多さだった。30代が多いせいか積極的に参加している。話を聞いたなかに「他のエリアから転居してきたが、ふだん仕事が忙しいせいでなかなか知り合いができない。この機会を活かして顔見知りをつくっておきたい」という夫の意見もあった。夫婦二人のカップルは「共働きで、子どもがいないと知り合うチャンスがない」と話してくれた。

実際に子どもを育てているママたちのコミュニティは、子どもを通して自然に生まれるかもしれないが、仕事が忙しいパパや、シングル・DINKS・シニア世代など、子どもがいない家庭の場合、なかなか地域に知人をつくりづらい。ある程度お膳立てされた舞台を用意してもらった方が知り合いをつくりやすい。今回のイベントでも、川柳の発表など大人が参加しやすいテーマも用意されていた。

最近、定年後の夫が会社以外での知人がいなくて一日中家にいて小言を言い、妻の具合が悪くなる『夫源病』という病気が話題になっている。趣味やボランティアで自分の居場所をつくっておかないと「粗大ゴミ」と言われかねない。仕事が忙しい男性にこそ、こういったイベントが必要なのではないだろうか。現役時代から地域に知人をつくる機会があれば、自由な時間ができたときに自然に交流ができる。

ほかの住民取材の場でも、「大人向けの住民イベントを開催してほしい」とか「平日夜のイベントがあってもいいのでは」という声を耳にした。それに応えてゴルフ大会やビアガーデンなどのイベントが住民主催で開催されている例もある。住民コミュニティの醸成には、さまざまな工夫が期待されているようだ。

以前は「住民同士のコミュニティ」というと、煩わしさを感じて、足が遠のくという話を耳にしたが、最近は積極的に取り組んでいる例を目にする。東日本大震災のあとからは防災訓練を中心にしたイベントなどは多い。企業がお膳立てをしたコミュニティをどう育てていくかは、住民同士の意欲の問題だが、きっかけづくりの役割は大きい。●取材協力
・野村不動産/ハウスウォーミングパーティー
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/05/21/87270/

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