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母子家庭の貧困率50%超え、背景と求められる支援策

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ひとり親家庭の貧困率が50%を越える

ひとり親家庭の貧困率が50%を越え、特に母子家庭の状況は深刻です。総所得の平均は234.4万円で、児童がいる世帯の平均673.2万円に比べれば確かに低い数字です。しかし、母子家庭には手厚い公的サポートが施されているのも事実。そこで、母子家庭の収入がなぜ増えないのか、その背景と今後の対応策について考えていきます。

母子家庭にはさまざまな経済的支援策が存在する

母子家庭世帯の親は、自治体の「ひとり親支援」窓口にて生活相談、子育て相談、仕事の相談などを受けることができます。経済的な支援としては、子供がいる世帯対象の児童手当に加え、「児童扶養手当」が支給されます(子供が18歳まで)。児童扶養手当は児童一人につき41,020円支給され、2人目が5,000円、3人目以降は3,000円となります(所得制限あり)。さらに、自治体によって金額などは異なるものの、子どもの修学資金などの貸付制度(返却義務あり)、水道料金免除、通勤定期券補助、医療費助成制度もあります。

就職支援では、「高等職業訓練促進給付金」制度があり、看護師や保育士などの専門的な資格を目指す人のため、2年を限度として月額10万円(所得により7.5万円)の生活給付金を受けることができます。

「自立支援教育給付金」制度では、雇用保険の教育訓練給付の受給資格がない人が、厚生労働省指定の「教育訓練給付金付の指定教育訓練講座」や都道府県等の長が指定した講座を受講した場合、受講費用の20%(上限10万円)を受給することもできます。

働く前に生活を組み立てることに苦労するというケースも

また、自立支援プログラムを実施している自治体では、就労相談員による自立プログラムの策定と、仕事の探し方や書類の書き方などのサポートが受けられ、自治体によっては求人情報の紹介や面接用スーツの貸出サービスまで整っています。

子供が小さく長時間働くことが難しい時期には、手厚い経済的支援を受けながら、その間に資格取得や経験を積むことでキャリアを形成し、児童扶養手当などの支給が終わるころに自立して働くことを想定した支援策なのです。

それでも、障害児を持つ母親95%は安定した職に就いていないというデータがあります。子供の障害がきっかけで、離婚というケースも少なくありません。世帯主でもある母子家庭の母親にとっては、子供を預けられず思うように働けないというジレンマがあるのです。また、相手のDVや精神的な苦痛を受けて離婚した場合や、死別のショックから立ち直れない場合は、働く前に生活を組み立てることに苦労するというケースもあります。

個別の事情を理解し、心に寄り添い受け止めることが重要

さらに複雑な問題は、所得制限がある児童扶養手当を全額もらうために、あえて収入を制限しているというケースも見られることです。その間にスキルアップ、収入アップのチャンスを逃している可能性があるのです。

母子家庭支援には、個別の事情を理解し、心に寄り添い受け止めることが重要です。また、十分に心のケアを行ったうえで、将来子供が成長した時から逆算した生活プラン、キャリアプランを一緒に考えていくことです。

一人で子供を育てながら働き続けるには、子どもの預け先の確保だけでなく、緊急時のサポーターを見つけておくことも必要です。保育園や学童だけでなく、一時預かりや病児保育、障害児保育施設の拡充を推進し、さらに地域のサポーターや母親同士での交流を促す施策も求められています。

(島谷 美奈子/キャリアカウンセラー)

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